小説『魔法先生ネギま 〜Anoter story〜』
作者:じーく()

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1話 ある日 森の中で 竜に出会った




























暫く歩いてゆくが……。

「しかしまあ……深い森だな。何処見ても緑・緑だ」

森の中なら当たり前だとおもうんだが……。

まあ、それは置いておいて……。

そもそも彼は空を飛ぶ事も造作ない。

でも 狩をするなら陸だし、自分はこの辺に街や村は確認していないから首都辺りへと戻らなければならない。

腹が減ったら町に戻れば手っ取り早いが……はっきり言って面倒なのだ。

この場の動物を狩った方が早いし新鮮。

「うう〜む。獲物はいるかな?」

獲物を求め、

あたりを見渡し凝視していた。

その時。




“ドゴオオオオッ……!”




そう遠くない所からか轟音が木霊してきたのだ。





「……なんだ?」

その轟音の発信源を辿るようにその方角へと向く。

【瞳】を赤くさせながらその方角を凝視していた。

「ん……。この質量、魔力……。竜種……かな?この辺りにもいたんだな。」

男はそれを確認すると【瞳】を元に戻し、

「アレが暴れるって事は、十中八九……。誰かが襲われてるな。多分。」

そう思いながら……。




“ビュオオオオオッ!!”




風を纏い……空を飛んだ。

過去に竜種とは何度か遭遇した事はある。

攻撃的な行動をする時は、大体誰かが襲われているんだ。

勿論獲物……他の動物の場合もあるんだけど……。

何でか、過去でであった時は人間が多かったんだよな。

「あっちだな。」

場所を確認すると……。

ものの数秒でその場所から姿を消していた。

残像だけをかすかに残して……。











Side out









“グルルルルル………。”


「あっ……ああっ………。」

巨大な黒い影……。

それが空からゆっくりと降りてくるのがわかった。

片手だけで……自分なんかあっという間に握りつぶしてしまいそうな手。

羽ばたいただけで森の木々を吹き飛ばして行くような……強大な翼。

……見られただけで動けなくなってしまうその目。

それらは 自分に絶望を運んできた。

生き残れる……可能性なんか0だ。

だって……脚が動かないんだから……。


“グルアアアアッ!!”


「ひっ……!」

咆哮を上げ……

“ズシィィィィンッ!!”

この大地へと降り立った。

「う……ああっ……だ……だれか……!」

声にならない声を上げる。

助けを求めても、どうしようもないのは 頭のどこかではわかっていたのだ。

こんな……辺境の、それもど田舎の村なんだから。

そして、竜は腕を振り上げた。

(ああ……あの腕で叩かれたら……まるで風に吹かれる木の葉のように飛んじゃうのかな……。)

現実で死に直面したとき。

辺りがスローモーションになるって言う話は聞いた事あるけど。

本当のようだった。

走馬灯……そう言うのは出ないけど、凄く周りがゆっくりで……。

言葉は出ない・出せないけど……。

頭は凄い速さで回転してるようだ。

その竜の腕は風を切りながら自分に向かってくる。

空気を切り裂くようなウェーブも見える。

だけど……いかにゆっくりに【視える】とは言っても実際に避けたり出来る速さではない。

実際は目も瞑る余裕もないほどのスピードなのだ。

「ッッ!!」

言葉をあげられない。

もう、死ぬ。そう覚悟したその時!



“ガキィィィィィィンッ!!”



けたましい音と共に、砂埃が舞い上がっていた。





Side out










さて……。

少し急いできてみてよかった。

過去の経験がいきているようだ。

着てみれば案の定、人間が襲われていた。

竜に出会えばまずは回避行動をとる。

それはこの世界では大体行う行動であり鉄則だ。

だが、

いきなりではそうは上手くはいかない。

現実問題として、運動量も桁が違うし 空も飛ぶ以上隠れてやり過ごすしかないのだ。

「ん……、この姿は鷹竜…か?うん、腕もあるし。」

ふむふむと竜を凝視している……。

「なっ………あっ……」

あまりの事に言葉が出ない。

「まぁ……竜は大体は角を折ったら終わるから……。」

男の半径2メートル程にサークルが出現する……。

「悪いが暫く眠っててもらうぜ?」

そのサークルが光り輝いたその瞬間!


“カッ!ピッシャアアアアッ!!ズガァァァァァッ!!”


光で満ち……。

その瞬間空気が破裂したような音が聞こえてきた。


そして……。


“グルアアアアアア……………。”


“バキッ…… ドサッ”


鷹竜の角は見事に体から離れ……。


そのまま、地面に崩れ落ちた。


「悪いな。動物?虐待は趣味じゃないんだが……。時と場合による。」

鷹竜を見下ろしながらそう呟いていた。






-2-
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