小説『魔法先生ネギま 〜Anoter story〜』
作者:じーく()

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3話 お土産は2つの角



























2人は村へと到着した。

その村に入るとそりゃモー大騒ぎ…… 苦笑

「さささっサーシャぁぁっ!!!」

1人……。

「よかった!!無事だったんだなっ!?ほんとによかったぁぁぁ!!」

また1人……。

「さっきだって、竜の雄叫びみたいなのも聞こえてたし!すげー心配してた!良かった!!」

またまた1人と………。

ドンドン集まってはすっごいさわぎに……。

それで、サーシャは1人1人にちゃんと無事を笑顔で言っていた

でもまぁ……。

「良い村だな……。」

自然とそう呟いていた。

村ぐるみで心配していたようだ。

それが直ぐにわかる。

「サーシャよ……そちらの方は?」

1人の初老の男性が尋ねてくる。

「あっ……そうだった!」

サーシャは慌ててジークの方へと向かった。

「こちらは、ジークさんです。鷹竜に襲われていたところを……助けていただきました。私の命の恩人です。」

顔を赤らめながらそう答えた。


「そうだったのかっ!」

「アンタ!ありがとーよ!」

「いや、マジで!これで サーシャに何かあったら、ぶっ倒れてたオレ、マジで切腹モンだからよ!」


今度は騒ぎがこっちへ……。

「はははは……。偶々通りかかった、っと言うか見つけられただけだ。特に問題はないさ。それより……。」

ジークは本題に入る。


「黒竜がこの季節ここに攻め入ってくると聞いていたがそれは事実なのか?」


そう聞いていた。


「あ………。」

「「「「…………。」」」」


その一言で皆の表情が一気に冷めて言った。

それだけを見れば十分……。



「そのとおりです……。」

「おじいちゃん……。」



サーシャの叔父だろうか……。

その人が重く……口を開いた。

「このような辺境の田舎村には 中々軍の方も着てくれず……、村の田畑にも被害が出る始末……。特に今年は雇えるお金も無く……。」

絶望の袋小路……。

そう言った空気が……周囲を支配する。

「話は聞いたとおり……だな?」

サーシャの方を向いた。

「あのっ!皆!」

サーシャは暗く、沈みかえっている皆にあることを伝えた。

この人が……。



≪村を襲っている竜を鎮めてくれる。≫



そう……伝えた。

村の住人は、驚愕の表情をしていたが、徐々に喜びの顔に変わっていっていた。

そして、今は払えるものが……っとも心配していた。

何から何までサーシャの事と同じだと感じる。


「彼女にも言ったが、金なんかとらねーって……。今食料切らしてるから、晩飯くらい奢ってくれれば♪あ〜あと、食料もちょっと分けてくれるとありがたいが……。」


“ニカッ!”


っと笑いながらそう言う。

その笑顔は……。

サーシャも同じだった様に、皆が安心できる笑みだった。

最後に一言。

「どうか……お願い申し上げます。お礼は振るってさせていただきますので。」

頭を下げてそういわれた。

依頼を正式に受け、黒竜が飛んでくるといわれている方へと向かった。






























場所は変わり……。


「さて……。ここからなら、来たら一発でわかるだろう」


ジークは腰を下ろし、少し……といってもかなり開けた場所に来ていた。

話によると二頭の竜。

なら、場所も結構広い方がやりやすいし、何より動物虐待もそうだし、自然破壊も趣味じゃない。

あっという間に終わらせるつもりもあるからだ。



「それに手負いで逃がしちまっても面倒だからな〜……っと 噂をすれば何とやら。」


“バサッバサッバサッ………。”





遥か西の方角から羽音が聞こえてきた。

かなりの距離だが、聞こえてくる。

「さぁ……て。」

ジークは立ち上がると背筋を伸ばし……。

「さっそく、終わらせるか。」

即効でフィニッシュ宣言!!






“グルオオオオオオオオッ!!!”





竜の二頭は迷い無くこの場に降り立った。

このあたりに、野生の魔物が寄り付く粉……。

(ニルデシオの粉)を振りまいていたからだ。

まあ、関係ないものもよってくるがそれは仕方ない。

竜たちがこの場に降り立ったその瞬間!





“キィィィィィ!!!”





周囲が……輝きだした!

「悪いな。あんま暴れて、村に迷惑かかってもやだし。この術式。最近使ってないから。良い使い道だとおもってよ?」

ニヤリ……。

笑顔で竜たちを見る。

暴れているが、結界がはってあり、破る事が出来ないようだ。

「万雷招来……轟け!雷光!」

指を差し……

そして次の瞬間!!





「雷神光波≪ゴッド・シャリオ≫」


“ズッシャアアアアアアッ!!!!!バリバリバリバリッ!!!!”





それはまるで雷の雨……。

それも一本一本が極太……。

一本でも竜サイズなため……。動けなくなりそうなんだけど……。




「って…… あ”……。」




ジークは気づいたときにはもう遅い。




“ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………。”




その場所は開けてた(高台)だ。

その雷は……高台にも勿論ヒット!して、地盤から砕けて……。

それで一気に………………!!!




“ズガアアアアアアアアアアアアアッ!!”



崩れ落ちる!!



「おおっ!!!っとっとっと!!!」


素早く!この場をエスケーーープッ!!

脱出脱出!!

「やべっ!マジでやりすぎたっ!自然破壊どころじゃねーし!!」

後悔後にたたず……。

うん。

次は気をつけよう……。

そう感じながらその場を脱出していった。















暫くして………。


““ぐる〜〜〜〜〜〜〜…………””


あまりの威力で驚いて目を回している竜二頭。

傷は負っているようだが……思ったほどでもない。

どうやら、早々に岩盤が砕けたため、舞い上がったその岩盤が彼らを守る事になったようだ。

まあ、それでも……角はへし折れてるし……翼もボロボロ……。


「あははは………ここまでするつもりは無かったが。」


ジークは傍によると角を2本。

倒した証そして、竜種は角を折れば大人しくなるからその証を持ち帰ろうとする。

そして…。


「ほら。」


竜たちに粉を振りまいた。

「アルティミシアの葉。結構レアらしいけど……まあ、いいか?ここまでする積もり無かったんだし。」

その粉は……

たちまち、竜の傷を癒していった……。



““グルルルル……””



そして直ぐに……。

「……ってはやっ!そんなに即効性があるのか?これ、」

驚きながら残った葉を見ていた。

「ふぅ……第2ラウンドか?ここまで 元気にするつもりは無かったんだけ……ど?ん??」

竜の方をよく見て見ると……



““…………………。ガタガタガタ……””



竜は……なにやら、怖いものを見ているような表情をして……若干震えてる。

うん。

わかる。

デフォルメ怯えだ。

ギャグっぽい。


「ああ……そうだな。確かこの葉って、身体は治すけど……精神とかその辺は効果ないんだったな。」


どうやら、あの雷撃がトラウマになってしまったようだ。

ジークも久しぶりに使った超広範囲雷撃殲滅魔法だから。

威力……すっかり忘れてしまっていたらしい。 苦笑


「お前ら、もう何もしないからとっとと帰れ。だが、村を襲うってんなら話は別だがな?」


そう言うと……。



“グルゥッ!!”

“グルゥッ!!”



頷いてる??

まあ、わからんが二頭は示し合わせて来た空を逃げていった。

どうやら 翼も無事に治ったようだ。

「さ〜て……。依頼コンプリートだな……。腹も減ったし、戻るか。」

背伸びをして……。

村へと向かった。

























村に着いたとほっとんど同時だ。


「「「「うおおおおおおおおお!!!!!マジで!!!!」」」」

「ほんっとにやりやがった!!」

「ってか、半日もたってないってのに!!」

「マジかよ!!一体どんだけの強さなんだよ!!」


ちょうど、最初にはいなかったこの村の?男達。

どうやら訳を知っていたようだ……。

それで、巨大な黒竜の角2本担いで帰ってきたジークを見たら、成功したとしか思わないだろう。

だけど………。



「なんだっ……この人数……。」



驚いた。

それに両の手に角を持ってるから あんまり身動き取れないし……。

そんな時だ。



「ほんとにっ……。」

聞き覚えのある声……。


「おっ?サーシャか?すまんすまん。角を置くからそこを……って!!」


“ガバッ!!”



抱きつかれた??

「ちょっちょっ!まったまった!マジ危ないって!!」

このまま角を落としたらマジで危ないし!!

「ありがとう……ほんとにっ……!!」

泣きながら……。

そんなサーシャにこれ以上はいえないな……。



「はは……構わないって。」



笑いながらそう言う。

「ところで……。」

抱きついているサーシャに声をかける。

「周りが見てるぞ?そろそろ離れた方がいいんじゃないか?」

ジークはそういった。

周りは……ひやかしの様な視線。

特におばちゃん?あたりが…… 苦笑


「わっ!!ご……ごめんなさいっ!凄くうれしくって!!」

「ははは……構わないが、角をどこかに下ろしていいか?あと竜だけど結構根元から傷つけてるから、あの竜の角も早々には快復しないと思うし。暫くは大丈夫だ。」

ジークはサーシャに…回りにそう伝えた。

「礼を……私どもからも言わせてください。」

村長……と周りにそう言われている人だ。

「構わないさ。久々に試せた事もあるし。それより……。」

苦笑いし、

「これ……降ろしてもいい?そろそろ若干疲れてきた。」

「あああ!!ごめんな!こらっ!ゴロツキども!とっとと働きなっ!何にも出来なかったんだから!」

おばちゃんが……。

「竜だぜ?黒竜!無茶いわんでくれよ〜」

「マジきついって……。」

苦笑いしつつも角をもってくれた。

「サンキュ。」

「こんなのたやすいって!」

笑いながらそう言う。

そして……角を下ろした時かジークの背中が露になっていた。

「あっ!!」

1人の男がある事実に気が付く。

「アンタ……もしかして……神代の精霊使い(ゴッドオリジンマスター)の……ジーク…?」

「あっ……。」

背中……見られた……か?

「ええええええ!!!!!!」

これまたお祭り騒ぎ……。

だから……

「はぁ……隠してたんだけど……。そもそも、勝手にそう呼ばれてただけだし……。」

苦笑い。

実を言うと、首都で用心棒だったり、依頼だったりをあっちこっちでやってたら……。

……んな、称号?二つ名?見たいなのができた。

ほしくないがな……。 苦笑














「沢山食べてくだされ!」

サーシャの家にご招待されて……。

晩飯をご馳走になっていた。

「ありがとう………。」

ちょっとげんなり。

今の今まで質問攻め……。

サーシャとの関係はだの……

他の国はどうなのかなの……

子供からは「魔法見せてっ!!」

だの……。



「あはは……。大変だったね。」

「笑い事じゃないけどな……。」



その夜は盛大にご馳走になった。







そして泊めてもらい…。










そして翌日……。


「もう行ってしまわれるのか……?」

村長がそう聞く。

「ああ。もう決めてた事でな?それに、一日ばかり長めになったが、オスティアの方に、行く事を以前から決めてたからな。」

「そうですか……。引き止めるわけにもいきませんな。この度は……真にありがとうございました。本当に……。」

あははは……。

「何度も聞いてるよ。構わないさ。」

笑ってそう言う。

「ほら……サーシャ。」

ずっと俯いていたサーシャ。

「あの……うっ……」

まあ、所謂離れたくない……。

そう思っている。

「サーシャ。」



“ポンッ”



頭を撫でる。

「これからは、危ないトコにいく時は1人はやめろよ?」

笑いながら……そう答えた。

「うっ……ううっ……。」

涙をぽろぽろ……と。

「ああ〜〜湿っぽいのは無しにしようぜ?サーシャ。」

男がそう言う。

「二度と会えねー訳じゃねーしさ!」

「う……うん……。」

必死に涙を……こらえて……。

「ははは……。元気でな?村の皆も。また、この辺に来たら顔をだすからさ。」

今は戦争中だから、国境を越えたりするのは結構苦労だけど。

まあ 大丈夫だろう。

「待ってます……まってますから!」

サーシャは笑顔になって……。

「おう。またな。」

ジークはそう言うと村を離れていった。








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