小説『魔法先生ネギま 〜Anoter story〜』
作者:じーく()

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5話 体を動かす事は良いことだ



























ジーク side


「人の食事を邪魔する輩はどこだ……?」

めらめらめら………。

沸き起こる殺意!!

空から程よく見てみると、直ぐにわかる。

まあ、強大な魔力と気のぶつかりあいだ。

わからないわけ無いし。

普段なら、驚く程の魔力と気なんだけど……。

「あれか……!!」







“ギュンッ!!!”







速攻!

……今は気が気じゃないから……。











Side out









「ぬ?」

まず初めに気が付いたのはゼクトだ。

「……なんですか?この魔力……。」

続いてアルが。

「ぬう……」

頭を痛めていた詠春も…… 苦笑

気が付いたようだ。



北方より、凄い速度で近づく魔力を……!



「炎竜光臨……!」

その姿は、炎を纏った竜?



「はっ?」「なんだありゃ?」



白熱した2人だったが、

それを中断させる。

それ程の魔力だったようだ。


「炎覇獄炎刃!!」


炎の竜から吐き出される強大な剣!!





“ギィィィィィィィ!!!”





「って、いきなりかよ!!気合防御!!!」

「なんだぁ!!!風花・風障壁!」


共に防御の体制!!





“ゴッシャアアアアアア!!!!”





まー……まるで 火山噴火?

着弾した所(ナギとラカンがいた場所)から 上方へ炎の柱が一気に立ち昇がった。









黒煙が立ち込める中……。



「ぐうっむ……。」

「くっ……。今のおっさんのか?」

「……アホ言え、オレ様は1人で十分!」




2人は……。

多少は焼け焦げてるけど、

あれだけの炎を直撃したのにぴんぴんしてるし……。




「……………。」

“ずず〜〜ん……。”



そこへ空からやって来たのは【仁王立ち!】怒れるジーク。

あの一撃で多少はさめた?

少しだけ表情……柔らかくなってる♪

「……他人様の最後の晩飯を吹っ飛ばしてくれやがったのはお前らか?ってかお前らだよな!」

あ……まだ怒ってる。



「はぁ?誰もんなこと……」

「そうだぜ!オレ達は……」



ちょっと前のこと忘れてたの?




「「あっ……」」



あたりを見てはっ!としていた。

あの……衝撃で……。


「お前らだろうが!!コラアア!どう考えてもよぉ!!」




“キキキキキキキッ!!”




魔力を込める!

「なんだ!てめえも混ざろうってのか??上等じゃねえか!」

ナギは、もちろん参戦了承!

「へっ!バトル(仕事)の邪魔してくれちゃったのはそっちも同じだろ?なら、手加減しねえ!」

ラカンも同様に。



「………反省の色なーし!よって判決!」



人差し指に魔力!



「……死刑。」




“チュドーーーーーンっ!!”



指先から、魔力を撃ちはなった。

……そのライン上の大地が割れちゃったよ………。

「うおおおっ!!」

何とか回避できた2人。

まさか、無詠唱でくるとは思ってなかったようだ。

「無詠唱でか?なんつーでたらめなっ!攻撃をっ!」



回避しながらナギは攻撃魔法を!!

無詠唱で魔法の射手を複数……っというか、数千にわたって撃ち放つ!!




“ズガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!”




「ぐっ!!」

……膨大な量の魔力。そして、魔法の矢。



コンマ数秒だが、防御に徹しなければならないものだ!


……が、三つ巴の戦いにおいてそれは、致命的になりかねない。


「てめえはタダもんじゃねえ、本身でいくぞ!わりいな……!【ラカン・右パンチッ!】」


ただの右ストレートなんだけど………。






“ズ  ド  ン   ッ   !!!!”






「がっ!!!(なんだ……!?人間の拳か??まるで巨人かなんかの拳……)」


人あらざる拳を受けたジークは成すすべなく後方へと吹き飛ばされてしまった。

「ひゅうぅ……。ジャストミートだ。……テメェと一緒にってのが気にいらねえが、乱打戦だ。それに直撃。効いたろ?」

「そいつはオレの台詞だ。1人で十分なのによ!」

ナギとラカンは 図らずしも共闘した事に悪態をつく。

望んでないにしろ、利害は一致していたのだ。

最初の炎もそう、さっきの大地を割った光線?もそう。

早めに倒せればそれに越した事は無い。

そうすれば、2人とも1人に集中できるからだ。



でも…… 直ぐに止まる事になる。





「いてててて………。」



ラカンとナギの後ろから……?

腹を抑えながら出てくるのはジーク。

「チィッ……やるなお前ら。」

腹を抑えてはいるけど……

全然大丈夫って感じだ。

「……直撃したはずなのに、お前タフだな。」

中でも驚いていたのがラカンだ。

拳に残る感触は相当なものだった。

意識の外からの攻撃だったはずなんだ……。

それを ケロッと……。




「いんや、マジで痛かった。何だ?お前の魔法の射手?雨霰か?無茶苦茶撃ちやがって……それにお前のパンチ?戦艦のミサイルか?2人してデタラメな………でもまっ今のお陰で冷静に戻れたわ。……怒っても真面目に戦らんときついこともわかったしな。」



ジークは快復を施しながらそう言う。

デタラメはお互い様だと思うけどな?


「って……あれ?お前らって……。」

この時初めてジークは2人の顔をしっかりと確認していた。


「ああっ!お前 あれじゃん!ナギか?ナギ・スプリングフィールド!それにジャック・ラカン?」

今朝の新聞でにぎわっていた2人。

……今気づくのがおかしいな。 苦笑



「ああ。そうだ!【最強】の魔法使いだ!」

「オレは放浪の【最強】傭兵剣士な。」



ニカっ!っと挨拶。


2人とも嫌に最強を意識してるし……。

でも!今ってんな空気じゃない!



「そうか、こりゃちょうどいい。双方の首に一応賞金かかってるし。特にナギ!お前を帝国に売ったら晩飯の足しになるだろう。」



ジークはそういい……。

いやいやいや!

足しって……。

すまないすまない!

この2人なら……。

「ってな訳で……真面目にやるぞ?」

ジークは構えた!

「へっ!おんもしれえ!やれるもんならやってみろ!」

「久しぶりにワクワクしてきたぜ!」

ナギもラカンも笑っていた。

再び戦闘再開!






















「ゼクト、彼は……。」

空で観戦していたアルは口を開く。

「うむ。ワシも聞いたことがある。いかな国にも属しておらぬ神代の精霊使い……。【ゴッドオリジン・マスター】と呼ばれる男じゃな。」

ゼクトも驚く。

まさか、こんな場所にいるとは思ってなかったからだ。

どちらの見方をするわけでもないから、

帝国も連合も手が出せないのだ。

……それ程 力を恐れていた。

そうとも取れる。

だが、人道に外れた事は一切していない。

だから、危険視まではしていないようだった。

「で……。あやつが怒ってここに来た理由は…?」

「……ふむ。彼の言動から察するに……。彼の千の雷かあの大男の気弾か……。われわれの時同様、食事の邪魔をしたからでしょうね。最後の〜とも言ってましたし?」

冷静に分析。

「全くまあ、どっちもあれじゃが、間が悪い。」

「ですね。」

次第に苦笑い。

危険視はしているのはどちらも同じだが……。

今助太刀はする事は無い。

……ナギに何を言われるかわかったもんじゃないし。








「それにしても、あの男……噂以上じゃな?」

ナギとラカンとジークの三つ巴。

ナギの力はよく知っている。

そしてラカンに関しては、南での話題でそれ相応の実力者だと言う事はよくわかっている。

だが、ジークに関しては噂程度にしか知らないのだ。

つっかかって行った賞金稼ぎを蹴散らした〜とか、闇の組織?に狙われて片手間で片付けた〜とか、断片的だが、その実力は読めるものでは無い。

でも……今ならよくわかる。

1対1対1の為、2人同時に相手する、と言うのは少ないが、隙を常に狙っているから、同時に攻撃を処理する事は多々ある。

現に、今そうだ。

ジークは、ナギの攻撃とラカンの攻撃を捌ききっている。

その姿を見て呟いたのだ。

「ええ、驚いたものです。これほどの使い手がこの世界にいたとは……。」

アルも同様だった。
























数時間後……。

暫く……ず〜〜っと拮抗してはいたが。

「だあああ!!!」

ジークが、叫ぶ!

「おいっ!お前ら!」

戦いのさなかに呼ぶ?普通……。

「あんだよ!」

「ああ?」

そして 答える?普通…… 苦笑

まあ、馬鹿だってことかな?

「こんなチマチマ体力の削りあいなんて面白くねえ!何時までかかるんだってな!ここは一気にカタぁつけようや!!」

攻撃は最大の防御だが、

この三つ巴では、そうは行かない。

強大な攻撃をしようとすれば、そこに隙が生まれる。

戦いのプロの2人にはそれがよくわかってたから、そうそうな威力なものはだしてはいない。

………まあ、軽くでもこの3人の威力は山々を砕き、森林を焦土と化せるほどなんだけど……。

それに、最初から何時間たったと思ってるんだ?

辺り……ズタボロなんだよ〜?

自然破壊趣味じゃないって言ってたくせに……。








「へ……何を言い出すのかと思えば……。」

「だなぁ……オレにんなこと提案するとは……。」






首をふり……。

そして!









「「のった!!」」










了承?? 苦笑



「へっ!いいねえ!ノリの良いその感じ!嫌いじゃねえ!いくぜ!」



ジークも笑顔になると、

2人から距離をとる!

他の二人も同様だ。



「……天光を統べる天翔ける神……それは、天の裁き。……此処に開かれしは黄泉への扉。」


ジークがここで初めて詠唱を始めた。




「へっ……契約により我に従え、高殿の王。来れ、巨神を滅ぼす燃え立つ雷霆…」




そして、ナギも同様に詠唱を……。

あんちょこ読みながらが、格好付かないけど。




「オレは、んなことする必要ねーけど……」




ラカンは、ぐっと体勢を低くする!



「3秒あればマックスまで持ってけるが!折角だ!時間かけて100%中の100%って奴を出してみるぜ!!!」




ラカンも力を溜め始めた!!!








“ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!”






3本の強大な力が……。























「あれ……大丈夫なのかのぅ?」

ゼクトが指差しそう言う。

魔力と気が混じり合って……。

まるで竜巻の様になっていたのだ。

「まあ……あれですね。この辺りの地図を書き換えなければなりませんね。後は私達に被害が来ぬようにしっかりと障壁は張っておきましょうか?」

アルは冷静だ。

「何を悠長な事を……。」

起きていた詠春は呆れていた。

でもしっかり防御姿勢で 笑

















そして、そして、詠唱と気合溜め?が終了したその時!!







「いくぜぇ!!」

「おらああ!!」

「くらええ!!!」





一斉に!!






「おらああ!!真ラカン・インパクト!」
「本気中の本気だぁ!!千の雷!!」
「ぶっ飛べや!天より落ちて灰塵とかせ!天翔封爆殺!!」








“ちゅど〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!”










とぉ〜くからでもわかる茸雲……。

そして、世界の果てまで聞こえるような爆音が響き渡った……。






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そして……。







「とっ捕まえるか………甘かった。マジで、甘かった。……これだけできんの?お前ら……。」

膝をつくのはジーク…。

素直にその実力に脱帽だ。

「へっ……お前も……同じだろう……が。ピンピンしてるくせによ……。」

ナギも……自身の杖で身体を支えなければその場に突っ伏してしまうところだ。

「はっ……どっちもどっちでいいじゃねーか……。」

ラカンも片膝付いて……。

ってなわけで、三人とも……だった。

「オレは完敗だな……。4対1で挑んでおいてよぉ……?それにお前もいるから5対1か?」

「バカいってんじゃねえ……オレを含めるなよ4対1対1だ。」

「へっ、オレはオレに並ぶ人間がいたってだけでも満足だ。それも2人も見つけれるなんてよ……。」

話すのだけでもメチャしんどそうなんだけど……。

何処と無く楽しそうだ。

「ってか、オレの元々の戦う理由は飯だ飯……!ヒートアップしちまったから、途中で忘れてたけどよ。」

ジークは笑いながらそう言う。

「へっ!今度いいの奢ってやんよ!ってそれより……!」

ラカンはジークに向かい。

「テメぇとはサシで勝負してえ……。いずれよぉ!!」

ラカンはそういった。

「そいつはオレも同感だ……。」

ナギも……。




「はっ……。どっちでも何時でも相手になってやらぁ……。そんときこそボコボコにしてやる……。」

「それはオレの台詞だ……。」

「言うじゃねえか……ガキが………。」

笑いあう……。

「そういやあ……てめぇの名前聞いてなかったな……。俺らの事は知ってんのによ?」

ラカンがジークにそう聞いていた。

「んああ?……あ〜そういえばそうだな。オレぁジークってんだ。ジーク・ロレンド。」

「そーか…… ジーク。」

ナギは……仲間におぶられた。

歩けないようだ。

「今度会ったらリベンジだかんな〜!戦争やってるより気が晴れらぁ…!それに筋肉達磨もよぉ〜!」

「けっ!てめぇの脚で帰れねえお子様が何言ってやがる……返り討ちもいいとこだ……。」

「はっ!おめえも動けてねーだろ……?なんにせよ……リベンジは望むところだぁ……!」


3人ともぷるぷる身体を震わせてる……。

んなこんなで、最終的にはナギは仲間達に連れられ……。

そして、ラカンとジークはある程度体力・魔力が回復したら自力でこの場を後にした。

壮大な喧嘩が終了したのだった。


……自然破壊だよ?

言うの二回目だけど…。







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