?第3話「県の新人戦。」?
「ハア・・・・ハア・・・・ハア・・・・。」
俊太郎は、ゴールした瞬間、フィールド競技の芝に倒れこんだ。
俊太郎は、汗をじっとりかいている。どちらかというと、1500mは、あまり汗もかかず、ぶっ倒れたこと
は俊太郎はなかったが、今回だけは違った。あの、栄西と同等の走りをできたのだ。それだけで満足だ。
結果は、あまりにも同時にゴールしたので、審判によって、協議されている。
俊太郎は、ゴールした栄西にしゃべりかけた。
「ハア・・・・ハア・・・・。やっぱり、速かったね。栄西君。」
「ハア・・・・ハア・・・・いやいや。俊太郎君こそ。小学生時代から比べたら、とても速くなったよ。」
栄西は、同い年にも、とても丁寧な言葉遣いをし、俊太郎にもそうしてくれた。学校は違うが、
小学生時代、何度か大会で会うことも多く、たまに挨拶をしたりしていた。
そして、ぞろぞろ後続の選手が、ゴールする。
あまりにも二人が速かったので、3位の選手でも、二人とは、30秒ほど差がついていた。
そして、結果が出た。
「えー、県新人戦、種目、1500mですが、協議の結果・・・・。」
俊太郎と、栄西の間に緊張の糸が張られる。
「優勝は・・・・あまりにも同時ゴールだったため、同着タイム、同着優勝とします。」
そのアナウンスに、二人は納得していない。
「栄西君・・・・。」
俊太郎は、栄西の方を、見る。何を言いたいか、目を見ればわかる。
栄西は、コクッとうなずいた。
そして、二人は審判たちの方へ歩いていった。
?次回に続く。?