小説『流星のロックマン4 BEAST X』
作者:BEAST(YOUTUBE)

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―――第二話「謎の電磁波」―――






〜屋上〜
「ミソラちゃんなんの用事だろう?」

 プリントを先生に提出し、悩みながらスバルは屋上へ向かった。

(さ〜な。なにか重大なことかもな)

 ロックは少し笑って言った。なにか悪意を持った感じだったが、気にしない事にした。

「あ! スバルく〜ん。こっちこっち」

 ミソラは昼まっただ中の青空の下で待っていた。

「ミソラちゃん! で、何の用事なの? 急に屋上に呼び出したりしてさぁ」

「ちょっとその前に、なんで私がこの学校に転校してきたか知ってる?」

 ミソラは唐突に聞いた。そんなのわかんねー、とスバルは内心愚痴った。

「え? えーっと………マネージャーさんの都合で転勤……とか?」

「ブッブ〜! 不正解っ!」

 ミソラは可愛く人差し指でばつマークを作って言った。

「じゃあ、分かんないよ」

「ん〜、じゃあ言うね。ちょっと唐突かもしれないけど………」

 ミソラは少し言うのをためらった様子でもじもじしていた。

「実はね、私……スバル君と会いたかったからなの……」

 最後の方はトーンが低くて聞き取りずらかったけれど、理解はできた。

「え…? ぼ………僕に?」

「うん………そうだよ」
 
 ミソラは少し頬を赤くした。スバルの方は唐突すぎて混乱していた。なんで僕みたいな普通の学生に?って思っていたが、ロックマンになれる時点で普通じゃない。

「それでね? スバル君………実は…………」

 ミソラが本題を言いかけたとき、スバルのハンターに電話が来た。

「あ………電話だ。WAXAから、緊急? ちょっとまってね」

 スバルはハンターのブラウズ機能を使ってモニターを出した。

「あら。スバルちゃん。お久しぶりね」

 そこに移っていたのはWAXAの科学者、ヨイリー博士だった。もう随分年老いているが、そんなことも微塵も感じられないほど元気で活発だ。WAXAのコンピューターシステムは彼女が技術部総出で作り上げたものである。

「ヨイリー博士!」

「緊急っていうのはね、ちょっとその辺の電脳で変な電波を感じない? ロックちゃん」

(いちいち“ちゃん”付けすんじゃねぇっ! 別に何も……感じねぇが、違和感があるっていえばあるな)

「そう…………ちょっと悪いけど調べてきてくれない? 何か、悪影響な電波だったら困るから。ノイズウェーブ1が発信元みたいよ」

「分かりました。行ってきますね」

「じゃ、あとをヨロシクね。終わったら、連絡ちょうだいね」
 
 博士はそう言うと、連絡を切った。

「じゃあミソラちゃ………あー、用は後でね。ごめんっ!」

「あ、ちょっとまっ………!」

 ミソラはスバルを引きとめようとしたが、既に電波変換して行ってしまった。

(ポロロン。どうだったの?ミソラ。)

 ハープがミソラのハンターに帰ってきた。

「ううん。だめだった」

 ミソラは深くため息をついた。

(そう………まあ仕方ないわよ。次があるわ)

「ハープ………うん! ありがと」

-2-
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