小説『超次元ゲイムネプテューヌ 黒閃の騎士』
作者:()

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「うぅぅ・・・はぁ」

リーンボックスとラステイションの架け橋を無事に渡る事がことができた紅夜、もちろん来る途中モンスターの襲撃はあったが所詮は雑魚レベルなので皆さんは仲良く紅夜の刃の錆となった。
さて、本題と行こう。紅夜はあまりラステイションが好きではない苦手だった。
その理由はいろいろとあるが紅夜は基本的に自然を好みルウィーやリーンボックスを好みだ。プラネテューヌもあれはあれでいいのだが、産業革命中のラステイションは環境汚染が大きな問題となっている。
このラステイションの守護女神(ハード)ブラックハート様の心がけにより昔よりは幾分ましになったが。
一言で言えば空気が悪い



「はぁ・・・」

文句を心の中で呟いてもしかたがない。自分は困っている人を助けるためにここに来たのだ、そうも言ってられないと愚痴る紅夜、彼にできるのはモンスターを駆除することで皆を安心させるとても単純で命を懸けるこの仕事だけ

「行くか・・・」

天空に昇る黒雲を見上げながら紅夜は最寄りの協会へ走った。

「・・ん?」

経緯はどうとあれ無事に協会に辿り着いた紅夜だが、何やら入口が騒がしい。
よく見ているとまだ幼さが残る女子三人と協会側の男性がなにやら言い争っていた

「馬鹿を言うな!ラステイションの軍隊でさえ、モンスターに苦戦しているんだ!お前たちみたいな子供がモンスター退治など、百年早い!さっさと帰れ!」
「見た目で判断しないでほしいです!こう見えて私達は今まで何度もモンスターさんをやっつけてきたですぅ!ねぷねぷだって変身したらうんと強く、格好良くなるです!そうです!変身して見せつけてやるです!」
「変身? 何を言っているんだお前。ごっこ遊びなら余所で「大の大人が見っともないぞ」・・誰だ!部外者は・・・・・」

横槍をいれたのは紅夜だった。大の大人が子供に対して言う言葉じゃないからだ。
相手も引っ込んでろと言いかけたが紅夜を見たとたん止まった。
全身漆黒のコートの姿はとても印象的で一度見た人物なら脳裏によく残る格好なので恐らく彼も一度紅夜の姿を見ているであろう。

「依頼書を拝啓した。詳しいことが聞きたい上に話しを通してくれないか?」

威圧を込め送られてきた依頼書を協会の男に差し出す

「こ、『黒閃』!?・・・分った。直ぐに話を通す」

紅夜に差し出された依頼書を怯えるように受け取り、逃げるように協会の中に消えていく。
全くと紅夜を呟き女子メンバーに正面を向ける

「子供がモンスター退治だって?怪我するよ」

勇気と無謀は違う。人間はたった一つしかないものを持っているそれは命、それは簡単に消えてしまう。
病気でも、怪我でも、たった一つの傷が生死を分ける事がある。

「もう!私達は強いんですぅ!ねぷねぷは変身すればどんな敵でもやっつけることできるのですぅ!!」

カチューシャをした少女が大きい声で訴える。正直普通の人ならば少し行きすぎた子供のうわ言と思うであろう。しかし、紅夜は眉を細めた身近に一名変身できる奴を知っているからだ

「・・・それ、どんな変身なんだ?」
「えっ? 信じてくれるのですか?」

言った本人もまさかの返事に驚いた表情を見せる。

「まぁ・・な」

その少女、ねぷねぷと呼ばれた少女の事を話し始めた。性格が変わるとか、姿が変わるとか変な装備を装着するとか、
聞いた話ではベールの変身時と似ている点がいくつかある。
しかし、今は女神は四人しか存在しないそしてその女神は神界と呼ばれる場所から降りてきたとも聞いている。
紅夜は裏からの情報を自身の観察によりプラネテューヌに女神がいないのを不在なことを知っていた今は候補生が頑張っているらしいが、モンスターの被害はおそらくプラネテューヌが一番多いだろう。

「えっと、貴方が『黒閃』ですか?」

しばらく思考を動かすと双葉のリボンで縛ったサイドポーニの少女が話しかけてきた

「あぁ、勝手に名付けられた名前だ」
「あいちゃん、この不審者みたいな人だれ?もしかして本物の不審者!?」

・・・グサッ、見えぬ槍が紅夜の胸を貫いたがなんとか正常に戻す。自分でも怪しい格好している自覚は僅かにならあるが、こうも正面きって言われると辛いものがある

「なにって、知らない・・・あぁ、ねぷ子は記憶喪失だったわね。彼は黒閃、凄腕のモンスターハンターよ」
「えっ、あの雑誌で取り上げられた怪しい人物トップ1の人なんですか?」

グサグサとまたも見えぬ槍が紅夜の胸を刺す。それも複数、怪しい人物トップ1ってなんなんだよ。こんどは少しでもファションでもしたら少しは世間の目は変わるだろうかでもこれは結構お気に入りなのに・・・自分が可笑しいのかと真剣に悩み始める紅夜だった

「でっ、話は戻るが止めておけ見た限りそれなりの実力はあるようだが慢心は死を招くぞ」

少し強み言う。初心の実力者はよくこうした『自分は意外に強いんだからもっと上をいける』という勘違いする奴を紅夜は見て事があり偶然助けれたこともあったが、助けられなかったこともある。そうこれは警告でもあった

「大丈夫。私頑丈だからちょっとやそっとじゃやられないよ!それに私は鍵の欠片っていうアイテムをあと三つも集めないといけないし」
「・・・・・」

俺の言った事を理解しているかこいつと思ったが、仲間もいるようだし大丈夫だろともう投げやりなことを考えていると協会の扉が開き中から先ほどの男が出てくる

「お待たせしました。黒閃様どうぞ中にお入りください・・・ってまだお前達いたのか!子供はとっとと帰れ!」

愛想良く笑顔を作り出てきた男であったが、女子メンバーを見ると嫌悪を表情に変わり激を飛ばす

「・・・協会って、ずいぶん不適切なのね。女神様に仕えるアナタ達がそんなんじゃブラックハート様もたいしたコトないんじゃない?」
「何とでも言え!我々国政院は、女神にへつらう教院とは違う!女神がどう思われようと、痛くもかゆくもないわ。お前達の方こそあんまり聞きわけがないと痛い目を、ヒッ!」

それ以上の言葉を男性は言うことが出来ないなぜなら首元に刃が黒く煌いているからである

「その閉まりのない口を閉じろ













―――怒るぞ?」


奈落のような低い声を放ちそれだけでその協会の男は自分がこの男が生殺与奪されていることをなによりも早く理解する。
フードから隠されたオッドアイの瞳は獲物を威圧するがごとく不気味に光り、見る者を背筋を凍らす。

「すっ、すいませんでした」
「・・・・・・・」

自分の体の一部のように大剣を回し背中に納める。・・・隠すそのフード中にはどんな表情をしているのか誰も知ることは出来なかった

「入っていいか?」
「は、はい。ど、どうぞ・・・」

震える協会の男とともに紅夜は協会の中に姿を消した


「あの、不審者みたいな格好の人。以外にいい人?」
「そうですね。私達を庇っているように見えました」
「そうね。でもずっと子供として見られていたけどね」

取り残された女子メンバー。ネプテューヌ、コンパ、アイエフは街を歩いていた。
ネプテューヌは怪しげな雰囲気を出す彼に対してのマイナスイメージは少なくてもなくなっておりコンパも同意するように頷くが、アイエフは不満そうに口を尖らせる。

「これからどうするのです?モンスターさんのことを聞くどころか協会の中にも、入れてもらえなかったですぅ・・・」
「なにもあんな言い方しなくでもいいのに!!やっぱ大陸が違えば協会も違うのかな。・・・・せちがたい世の中になったね。」
「ソレにしたってちょっと違い過ぎよ。女神様のコト、呼び捨てにしてたのよ!?教院とは違うとか女神様なんてどうでもいいとか!」

文句を並べる二人、明らかに嫌悪な扱いを受けた三人には不満が積もるばかりである。

「むーー・・・分からないコトは街の人に聞いてみようっ!!」
「まだまだ序盤です。これしきのことでヘコんだり、変に先走りすぎないでのんびりまったりいくですぅ!」

決意を改め元気にエイエイオーと掛け声を決める二人。そのなかでアイエフは真剣な表情で考え込んでいた

「どうしたのですか?アイちゃん」
「ねぇ、これは私の提案だけどーーー」






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