世界とはなにか?
そんな質問された記憶がある
俺は間違いなくこの世にある全てのことと答えた
そんな答えにそいつは悲しそうな顔した。そいつにとってその答えは自分を自分自身を否定するものだと言った
分らない今でもそもそもその問題に答えは存在するのか
千差万別に帰ってきそうなその疑問に答えはあるのか
俺は聞き返したそれじゃお前としては世界とはなにかと
相棒にして
師匠であり
親友である
そいつはこう答えた
―――幻想と
「・・・・最悪な目覚めだな。おい」
嫌な思い出だ。後悔は今でも自分を責め自分の無力を証明するような思いだった。
それにアレは俺じゃない、全く別人の苦悩を見させるのは苦痛にも近い
ねむいとにかくねむい。昨日の疲れが身体重くする。なぜ自分は彼女達に関係を持つような言語を取ってしまったのだろう基本的に自分が名乗るようなしなかった。イレギュラーの自分は誰かと関係を持つようなことを避けてきたはず・・・なのに、何故だろう
「ははは、まだこんなことを考えるってことは俺はまだ人間なのか」
当たり前のように夢を持って、
当たり前のように生きて、
当たり前のように息をする、
合理的に非合理的に正義と不義、闇と光が分れている自分はまだ自分の意思があり、きっと今この瞬間生きているんだ。生きていられるんだ。
生きる資格も死ぬ資格もないそこにあるだけの幽霊のような自分はまだ心臓がはちきれそうに鼓動する。
うん、大丈夫、零崎 紅夜お前はまだやれる
そんなシリアス思考を遮断し自己暗示を自分自身に掛ける。そして起き上がる為にその毛布を取る
「・・・・・・・」
紅夜はありえないものをみたように何度か瞬いたこの部屋はいるのは自分だけの筈だ何故なら一人部屋に泊まったのだからなのに・・・なのに・・・
「すぅすぅすぅ・・・」
薄い紫色の髪に幼さ残る顔、初対面で名前間違える。そして妙に馴れ馴れしが元気な少女ネプテューヌ
彼女は、紅夜の胸に顔を押し付け気持ちそうに熟睡していた。ついでに言えばいい夢でも見ているのか口からは涎を垂らしている。
「・・・・・・・・・・・・」
紅夜はあんまり女性と会話すること少ない。仕事がらみでも一言、二言、まじ合わせる程度だ
昔の記憶はあるかもしれないが紅夜にとってはそれは禁忌(タブー)なので心の奥底に蓋をしているので思い出さないようにしている。
女友達はベールを除ければ恐らく一人、冒険者つながりで一人いるがアレは戦友の方が正しい、紅夜の知り合いでは彼女達とは違ったタイプなのでどう接していいか分からないでいる
「・・・・ふっ」
そんな紅夜が取って行動とは・・・!
「夢だ。寝よう」
現実逃避であった。つまるところ零崎 紅夜。彼はヘタレだった
「むにゃむにゃ、・・・アレ?」
紅夜が再度眠りにあと付いたあと入れ替わるようにネプテューヌは目覚めた。
「・・・・・・」
まず最初に思ったことは、自分が誰かを抱きしめていることそして胸であるであろう部分に顔を押しつけていること、ふっくらとした感触はない為コンパではない事が分る。だとしたら誰か?
「あっ、・・・」
魅せられたという言葉が正しい。見上げるとそこには安らかに寝息をする紅夜の顔する昨日、見て思わず見惚れてしまったその顔は今自分との距離は限りなく近いものだった。自分の顔に血液が集合していくのが分るほどネプテューヌの顔は真っ赤に染まった。
「・・・・温かい」
心のそこからの言葉だった。自分には記憶がいないなので家族と言う事を知らない
でもこの全てを癒し包みこんでくれる温かさはきっとそれは・・・
「すぅすぅ・・・」
答えが出る前にネプテューヌはまた夢の世界へ旅立った。
紅夜を抱きしめ眠るその光景はまるで仲のいい兄妹のようだった
チェン、チェン、チェン
「ん・・・・」
再び朝の目指しに目を覚ます。
外の風景は相変わらず黒い曇りが立ち上っていた
「ふぅ・・・よし」
念の為と自分の頬をそれなりに強い力で引っ張る当然痛みがして眠気から活性化する
あれは夢だ
あれは夢だ
大事なことなので二回言いました
「よし・・・ととっと依頼を終わらして帰ろう」
それにしても変な夢を見たものだ一日の半分くらいしか関係がないのにあんな夢を見るなんて・・・もしかして自分が要求不満とかいう奴なのか?、自分はそんなことまったく興味ないし・・・まぁ気にしない方が世の中の為だね。うん、とまたしても自分がつくりだした決めつけ(幻想)に入り込む紅夜だが
「ん・・・・」
パキッ、紅夜の儚い幻想が破壊された瞬間だった
「・・・・・・・・・・・おい。なんで俺の部屋に居るんだ?」
紅夜の胸に顔を当てまるで抱き枕のように足も絡ませる。少女ネプテューヌがいた
紅夜は彼女の頭を何回か突いた。するとネプテューヌはようやく起きたらしくゆっくり顔をあげた
「・・・ねぷっ?」
「おはよう。そしてなんでここに居る?」
「・・・・・おはよう。こぅちゃん」
「はい。おはよう」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
長い沈黙のネプテューヌは既に紅夜から手を離し紅夜の無駄にあふれるプレッシャーに正座されていた
「てへ♪。部屋間違えちゃった」
「出てけーーーー!!!」
宿屋に怒りの叫びが轟いた瞬間だった
「なにやってんのよ。ねぷ子」
「朝起きてもいなかったから心配しましたですぅ」
「トイレに行って寝ぼけて隣(俺)の部屋に間違ってはいったとか・・・はぁ」
「ごめん。ごめん。ホント反省しているよ!」
ただいまアイエフ、コンパを含めて説教タイム
罪人ネプテューヌは頭を掻きながら反省(?)それはまるで幼い子供が小さい悪戯に怒られているような感じ
「アイエフちゃん。こいつにはしっかり怒っていてくれもうやってられない。俺にも仕事があるから・・・」
「はい。あとそのちゃんずけやめてくれませんか?」
「Ok。分った。アイエフ」
そろそろコートもクリーニング終わっているころだと思うし、依頼で来たモンスターが街へ降りてきたら大変なことになりたくさんの人が傷ついてしまうっと紅夜は至高を動かし重たい腰を動かし壁に掛けていた剣を手に取る。
「あの〜。こぅさんってやっぱりこれから強いモンスターさんを倒しにいくんですか?
アイエフがガミガミとネプテューヌに説教している間際でコンパは口を開いた。
「あぁ、初心者レベルのダンジョンに異常種が出たらしく近辺にも被害が出始めているらしい…今のところそいつをまともに見て帰って奴はいないらしい」
あの国政院のくれたそれほどない情報の一つだ。とりあえず強い。視た者は帰ってきた者はいない。巨大それくらいだ
「それを一人で倒しに行くんですか。危ないですよ誰か助っ人がいると思いますぅ」
「それ言い案!私達が付いて行くよ!!」
「・・・・勝手に話を進めるな!」
ゴンッ!いきなり話に介入するネプテューヌに紅夜のチョップが叩きこまれた
「いたーーい!。タンコブが出来た!」
「話は戻るけど俺一人で大丈夫だ。いつも俺だけでなんとかできたしな」
「そうなんですかぁ・・・」
「プロが言っているならその通りでしょう。ほらねぷ子も転がってないで早く立ちなさい」
心配そうに呟きコンパだがアイエフに補助した言葉に分りました。と引くその間にも紅夜の放ったチョップにより床を転がるネプテューヌ
「あいちゃんはこの痛みが分らない!?すごく痛いんだよ!」
「元を辿ればあなたが悪いんでしょ?当然の罰よ」
あいちゃんが冷たいといいながら立つネプテューヌを尻目に紅夜は部屋に置いていた自らの武器『黒曜日』を鞘から一部抜く。
「・・・・・」
漆黒の刃は不気味に光り、幾多のモンスターを血を啜ってきたとは思えない輝きを放ち紅夜は欠けている場所はなしと判断しそれを背負い部屋を出ようとしたとき
ガシッ
「・・・・まだ何かあるのか?」
紅夜の服を掴んだのは、ネプテューヌだった
「連れて行って♪」
「その鍵の欠片とかドロップしたら上げるって・・・信用できないのか?」
「信じているよけど、昨日あれほど言われてはいそうですかって納得できないんだよ!私達も連れて行く」
彼女は意外にもプライド高いのかそれかワガママ。大きくため息をつく。コンパとアイエフを見れば苦笑の表情を作っており諦めろといっているようなものだった
「分った。今回だけだ」
「ホント!?」
もうどうにでもなれと思った。無理に断れば本当に着いてきそうだしそれならいっその事、一緒にいた方が安全かもしれない。とりあえずアレを見せない程度のレベルの奴だといいなと紅夜は願うように外を見つめ決意する。
「食事も含めて身支度は2時間後この宿屋の出口に集合。一秒でも遅れたら置いてく以上!」
「質問!」
「なんだネプテューヌ」
「おやつは何円までですか!?」
ゴンッ!今度は拳骨因み狙った場所は先ほどチョップを叩きこんだ場所なので痛みは倍増。涙目でやられた場所を抑えしゃがみこむネプテューヌ
「他に質問は?ちなみさっきみたいにくだらない質問した奴はネプテューヌと同じ末路になるぞ」
「質問いいですか?」
手を挙げたのはアイエフだった。
「なんだ?アイエフ」
「そのモンスターの情報があれば教えてくれないでしょうか?」
「あぁ、資料はここに置いておくとは言っても大した情報はないんだけどな。あと別に敬語はいいぞ」
一応これからパーティーを組んで一緒に戦うだし結果的には背中を任す相手だ。
変な壁は取り除いたほうがやりやすいと、せめて自分を守る程度の力はあるだろと紅夜は思う
「そう。分ったわ」
「とりあえず目標は誰ひとりとして傷つくことなく生還する事いいか?」
「分ったわ」
「わかりました〜」
「痛いよ〜これが噂に聞く親父の鉄拳というものなのか・・」
一人だけ返事をしなかったが紅夜達は完全スルーの方向だ。
「あと、お前達は俺が守る」
唐突に紅夜はそう言った。誰かを守ることそれが昔も今も変えなかった信念
そんな信念は笑われたことがあった空想で描いたような正義のヒーローだねと
たとえ空想だろうが
たとえ笑われようが
たとえ馬鹿にされようが
これだけは逃げた時に持っていた最期の気持ち。零崎 紅夜を支える最期の柱
「それだけだ・・・またな」
木造で出来た扉は古臭い音を立てながら閉まる。顔を紅く染めた三人を残して