午後1時
昼食には一足遅れの時間どきに街中を歩く二人の美少男女のペアが歩いた
一人は艶やか黒の髪にツインテールをした美少女ノワール
一人は首まで伸びた綺麗な銀髪に世にも珍しいオッドアイの美少年紅夜
だれが見ても思わず振り替えてしまう容姿をした二人は肩を並べて歩いている。
注がれるのは、男からは嫉妬の眼光を女からは羨ましい視線をお互いに受けなんとも落ちつけない立場であった。
「・・・なぁ、どこか近くレストランの場所しらない?」
「貴方、そんなこと・・・そうだったわね貴方リーンボックス出身だったわね」
元気よく外に出たのはいいが実は紅夜、あんまりラステイションが好みではないため街中を歩きまわることが少ないなのでもちろん地理がない。
「えっと、ここなら・・・こっちよ。ついてきて」
暫くノワールは考える動作から思い出したように手を叩き案内される。男としたらなんとも情けないと思う紅夜だった
「いらっしゃいませ〜何名様ですか?」
星が出てきそうな営業顔を案内され紅夜達は涼しい室内へ入って行った
「二人よ」
いつもの凛とした表情で返すノワール
「分かりました。ではどうぞこちらへ・・・」
二人が案内された席は四人まで座れ丁度外の風景が見れる見通しいがいいところだった
「ノワールの好きな物を頼みな。今日は俺の奢りだ」
「いいわよ。紅夜ってモンスター狩りが本業なんでしょ?おかねが必要な時っていっぱいあるでしょ?」
確かにアイテムもただじゃないし紅夜は大陸中を廻るので勿論、宿泊代もいっぱいいる
「その点は大丈夫だ。昨日たっぷり貰ったからな」
ポケットに収めている昨日より重くなった財布を上からポンポン叩く。紅夜はかなり危ない任務をこなしているので必然的に多額の報酬金をもらっていることになり紅夜自身もあまり娯楽用にお金を使うことが少ないので貯金が貯まる一方なのだ
「それに俺も友達少ないしなたまにはこうやって遊んでも罰は下らないだろう」
「紅夜が友達少ないのは以外ね」
「・・・・・このまえ知り合いがいう限りは怪しい度ナンバーワンに輝いちゃったらしいからな・・・」
「・・・・・・・ドンマイ」
確かにあんな黒色統一に合ったら私も怪しいと思うと考えるノワールだった
「なんでいつも顔見せないの?・・・カッコいいのに」
「まぁ、色々と。ところでカッコいいのか?俺」
「自覚なかったの!?」
顔見せない謎よりそっちに驚愕した
「まぁ、顔より中身が大切だと思うぞ。どっかの本で見た気がするけど外形だけの付き合いは長続きしないって」
「確かにそうかもしれないけどそれを貴方が言う!?」
「???」
もはや呆れの領域まで達したノワールは深くため息をしメニューに目を通す。・・・おいしそうなのばかりだったがその分カロリーがものすごく高そうだった
「おれはこれとこれにしようかな」
ノワールが悩んでいるのをしり目に、いかにもカロリーが高そうな料理を頼んでいっている紅夜
「・・・・・」
「あっ、やっぱ。色々悩むか?」
「・・・なんで分かるの?」
まるで自分が悩んでいるものが分かっているように紅夜は目を通していたメニューを閉じて
「誰もが気にしていることだと聞いているが……要は食べた分だけ動けばいいんだろう?」
しかしベールは食べても食べても太らない体質だと聞いていたから気にするということは他の女神は違うのかあれはベール本来の体質だと考えたこともある。
「・・・・・・・・・・そんな単純なものじゃないのよ」
「そうなのか?・・難しいんだな」
妙に鋭い所があるがやはり知識があるがだけで女心がつかめていない
ノワールは決まったみたいな顔すればまた難しい顔したり全然決まりそうにない
「(めんどくさいものなんだな・・)」
ステンドガラスの間に挟んだ外の風景を見る様々な人が忙しく動いてるそれは川が流れるように
『ーーーーーーーーーー?』
「ん?」
珍しい姿をした人を見た。
それは紅夜と逆の格好をしていた
白かった、人混みの中で目立つほどに純白な色をしたコートを全身を隠す様に羽織っている。
「(・・・なんでだろう)」
なぜか自分はその人物から目を離せなかった飾り気のないただ真っ白描く前のキャンパスのような白さ
『ーーーーーーーーーー?』
その人物はただ一人立っていた。ただ呆然と忙しく通り過ぎていく人々さえも謎の人物に目が入ってないように進むその視線はまっすぐ狂わずただ紅夜に向いていた
『ーーーーーーーーーー?』
また口元が動いたまるで謎の人物は別の次元にいるようでなぜかそいつのフードで隠しているはずなのに紅夜は何故か謎の人物が動く、口元が軌跡を描き紡ぐその言葉を理解できた。
『ア』
『ソ』
『ビ』
『ノ』
『ヨ』
『オ』
『イ』
『ハ』
『デ』
『キ』
『タ』
『?』
「っーーー!」
全身に寒気が走り身体が警報を放つ逃げろ逃げろ逃げろと叫ぶ
「・・・ねぇ?紅夜?」
彼女もなにか異常を感じたのか落ち着きがないように辺りを見渡す
「『来い。黒曜日』・・・ノワール、敵だ」
愛剣に刻ましている魔法を発動させ最大出力で呼ぶ。
理由も意味もない。
ただ、己の全てが純白のコートを着ている誰かに恐怖し敵だと頭の中で乱発させる。
「モンスターなの?。でも・・・ここは街の中よ?」
それなりの技術を有するラステイションは街にモンスターが侵入した場合、絶対に警報がなるシステムがある。
そんなことはありえない、それは紅夜も分かっていたがそんな些細なことは必要ない。
確信が、絶対に外れではない感覚がこれまでにないほど鋭くなり警報を鳴らす。
「・・・・・・ーーーーー来る!!!」
そして紅夜が呟いた瞬間、
「■■■■■■■■■■■■■!!!!!」
「えっ?」
それは一瞬の出来事だった。気付けばノワールは紅夜に抱えられ後方に飛んでいた。
ノワールを地面に下ろしたタイミングで呼んでいた黒曜日が紅夜の手にやってくる身の丈はある剣を片手で一回転させ地面に突き刺した
「ノワール、・・いや。ブラックハートご協力をお願いします」
自分たちが座っていた場所は巨大なランスが突き刺さっており、あと少しでも遅れていたらあのまま間違いなくやられていただろう。
「−−−言われなくてもやるよわよ」
低い声、そこに女神化し額に青筋を浮かべながら立ち上がるノワール、いやこの重厚なる黒の大地ラステイションの守護女神ブラックハートがその漆黒のプロセッサユニットと巨大なショートソードをを装備しここに降臨した。
「■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」
耳がはち切れるほど咆哮その外形は真紅の鱗に全長10mはある巨大なモンスター手には先ほど奇襲を掛けてきた円状の槍、もう片方には丸く分厚い装甲をした盾
「ドラゴン・・・この種はみたことないな」
いままでしてきた依頼の中でそれなりにドラゴンとは戦ったがこの武器を持ったドラゴンは初めてだといままでのモンスター狩りをしていた経験から紅夜はその巨体を見上げながら呟く。
「そんなことは関係ないわ。ただ・・・叩き潰す!」
その手に握ったショートソードで構える。彼女の大地を穢すことそれは彼女の逆鱗に触れることと同じこと
「・・・そうだな。モンスター相手なら本気で全力で戦える・・・!」
内心燃え上がる怒りを沈黙化させ地面から大剣を抜き剣先をドラゴンに向ける。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」
二つの銀髪を揺らしながら開始の合図と言わん限りの咆哮と共に謎のドラゴンと紅夜&ブラックハートの戦いが始まった。