小説『俺はとんでもない人に好きになられたかもしれない!』
作者:72マヨ()

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12話「結局、家族ニ勝ル愛ナンテナイノカモシレナイ」

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翼「今回は、江島視点です」
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−甲斐田家in江島の部屋−

「…本当か?」

「あぁ。真登が言ってた」

俺の部屋に集まっているのは、
丞以外の歴同会のメンバーだ。

「美人よりもブスの姉か…」

「丞らしいっちゃらしいんだけどな…」


「というか…江島はなぜそれを知ってる?」

「いやぁ。可愛い妹が俺に泣きついてきたモンでっ!」

「…嘘だろ?」

俺の受け答えが納得いかない魁人はそう反論した。

「残念ながら本当です…。私もしたくなかったけど…」

そう言って、俺の部屋を開けるのは
俺の妹の真登だ。

「真登ちゃん!!!!!!」

「…先輩…私のこと嫌いになったでしょうか?」

それはない。
あいつに限ってそれはない……が…。

「あいつ、姉ちゃんが大好きなんだよ…」

「……………」

俺の言葉に一歩後ずさりしたのは真登ではなく、歴同会のメンバーだ。


「知ってます…。見てましたから」

この妹の反応にも歴同会のメンバーは一歩引いた。

「す、ストカーって本当だったんだ…」
「え、えぇ。まぁ、今日は行けないですけど…」

妹は、本当に丞のことが好き。
たとえ、それを通して明を見てたとしてもそれは変わらないだろう。

「…江島。お前、こないだまで他人のフリしてたくせによくこんな兄妹面できるな!」

そう言ったのは加藤である。

「いや、だって今までのは結局フリなわけだし…」
「そうですよ…。私はこいつのこと嫌いですけど、こいつは私のことすっごい好きですからね?」

………それは嘘だ。

俺は真登のことは……好きではない。

「嘘だよな?江島?」

「あぁ。こんなやつのこと真に受けるなよ…」

「だ、だよな…」






「全く…。俺は真登のことすっごい好きなんかじゃない。死ぬほど愛してるんだ」





そう。
きっと丞も俺と同じ。

結局、家族よりも勝る愛なんてないんだよ。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?????」

-12-
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