4話「友ト共ニ彼女に注意報ヲ出セ」
「いいことしません?」
「しません!」
ひぃ…。
なんなんだコイツ…。
もう可愛いとは思わないぞ!
こいつは、怖い!可愛くない!
可愛く…
ない…
あいつは、自分の服のボタンに手をかける。
可愛くない…
わけない!
というか、歴同で、未経験の俺にそんな仕草反則だろう!
俺は、思わず興奮してしまう。
いや、無意識だ。
これはしょうがない…。
「あっ、先輩興奮しました?これで安心です」
「えっ?」
「あっ、いや、先輩があたしに興味があるか最終確認です」
は?
「興味ない人に興奮なんか覚えませんよ。先輩」
そう言うと、あいつはボタンを元に戻して、
「じゃあ、また夜に会いましょうね。外にいますから!」
…ひぃ!!!!
騙されたついでに怖いこと言われた!!!!
部屋の隅でガタガタ震えてると、江島達が戻ってきた。
「ただいまー」
この裏切りものたちめ……。
「解決したか?」
するかボケェ…。
余計にやばいわ…。
江島は、泣きそうな俺に気をつかったのか、あいつを帰らせた。
…って言ってもあいつは外にいるだろう…。
「で、なんて?」
俺はこの部屋であったことを話した。
「い、いや、お前それは興奮したお前が悪い」
江島の厳しいお言葉。
「そんなこと言ったって、お前はその状況で興奮せずにいられるのかよ!」
「あぁ。こらえるね」
「なにぃ!だって、もうブラの柄まで分かるところまで外したんだぞ!」
その俺の言葉に「ほぉう」反応するのが3人。黙れ。
「大丈夫だね。俺なら。むしろ冷静に言ってやるね」
「な、なんて?」
「お前、ブラの柄がいちごなんて幼児かよ。その胸でよくブラをつけようと思ったな。そんなんで俺が欲情するとでも思ったのか?ってね」
………。
「おい、江島。お前は見てたのか?」
「は?」
「なんで知ってるんだよ!あいつのブラの柄がいちごだったことも胸が小さいことも!」
「え、えぇ!!!!!!!」
「本当だったのか。何となくだ」
「え、真登ちゃん胸は大きかったはずじゃ…」
外見から見る限り、胸はでかく見える。
「いや…中になんか詰めてた」
「ま、マジか…」
「これは、えらいことになった」
「だろ?」
「いや、お前の意見に誰も共感なんかしちゃいない」
は?
「問題は、なんでお前がそんな小さい胸に欲情したかだ馬鹿野郎!お前は女だったら誰でも欲情するんか」
魁人がそう怒鳴る。
その後ろで伊藤も加藤も「そーだ」と乗る。
「いや…この状況でそんな…お前らだってこんな状況で迫られたら欲情ぐらいするだろう!」
「……うーん…丞に一理賛成」
そう手を挙げたのは、賢木。
だよなぁ。だよなぁ…。
心の友よ…。
「賢木…、お前丞に賛成すんなや…」
「えっ?」
は?
「そうだぞ。これは、丞をとことん下げて、俺らで励ますと言う作戦だったのに」
えっ?
「えっ、マジかよ…。悪い…」
「なんだよ!お前等!寄って集って俺で遊びやがって!」
「まぁまぁ…お前の意見にはみんな賛成してるから。あんな状況で興奮しねぇほうが男じゃねえ」
……。
魁人…。
「とにかく、俺らの中で、あいつは注意報を発令したぞ!」
えっ?
「あぁ。そうだな。レベル5だ」
「あの…どういうこと?」
「だから、これから俺らがお前をあいつからなるべく守ってやるよ」
あ、ありがたやー!