小説『IS<インフィニット・ストラトス>〜ロスト・エボリューション〜』
作者:優雅()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

最近、投稿しようにも強制的にログイン画面に戻ってしまう…
そろそろ、大丈夫かな…?



--------------------------------------------------------------------------------------------------



【プロローグ3 永遠の別れ!前を向く思い】


「はぁはぁはぁはぁ……」

走る…ただ我武者羅に、僕は走る。
その日はいつも通りの日常だった。いつも通り起きて、何時も通りお父さんとご飯を食べて、何時も通り学校へ行った。
だけど、お昼休みに、僕の何時も通りの日々は間違ってしまった。
お昼休み、みんなと校庭で遊んでたら先生に呼ばれた。
そして、聞いた話が………お兄ちゃんが死んだという話だった。
はじめは嘘だと思った。あんな優しいお兄ちゃんが死ぬなんて、嘘だって信じたかった。でも、お母さんから電話がかかって、話してみるとお母さんもお兄ちゃんは死んだって言って…
いつの間にか、僕は走り出していた。
先生もお母さんも嘘をついてる。きっと、お母さんの家の倉庫に行けば、お兄ちゃんは何時も通り機械をいじってるに決まってる。最近は、ちょっと別の場所で離れた所にお泊りに行ってたけど、今日の朝に帰ってくるって言ってたんだ。きっと、倉庫にはお兄ちゃんがいる。だから、お兄ちゃんは死んでいないって、証明したかったから。
途中、何度も転びながら、電車に乗り、お母さんの家の倉庫の前まで全速力で行く。そして、倉庫の扉を力いっぱい押し開けた。
だけど、倉庫の中は真っ暗で、何時も倉庫にいるお兄ちゃんはいなくて。
目の前が真っ暗になった。だって、お兄ちゃんはいないって現実を突きつけられた気がしたから。



あれから数日後、今はお兄ちゃんのお葬式だ。
でも、今でも僕は目の前の現実を受け入れたくなかった。もう、優しいお兄ちゃんに会えないっていう現実を見たくなかった。

『匠…大丈夫か…』

僕が力強く握ってるポケベルに似た機械から、僕の親友の声が聞こえる。
でも、返事をしたくなかった。今の僕にとって、現実はいたくもない場所で…こんな場所で、何も感じたくもなかったから…
涙をずっと堪えて俯いていると、何か視線を感じた。
気になった僕は、少し視線を上げると、泣いてるお父さんとお母さんが知らないおじさんと話してるのが見えた。そして、そのおじさんの後ろには、肩まである青い髪に、涙で一杯にしたルビー色の瞳をした二人の女の子が見えた。
どうしてこの女の子たちが泣いてるかはわからない。でも、何故かわからないけど、この子達を見てると少しだけ、前を向けれる様な…現実を見ていられるような気がした。

* * * * *

「なあ、匠。どうかしたか?」
「ん……悪い、ブイモン。ちょっと、寝てた」

森の中の泉で、俺と親友であり相棒の【ブイモン】はキャンプしていた。
どうやら、火を起こしてから少し寝てたようだ。
でも、懐かしい夢を見たな。兄さんが死んだ時の夢…俺が、現実を見れなくなった時の夢…
きっと、あの二人がいなかったら、俺は今でも現実から目をそらしてただろうな…あの時は、なんで前を…現実を見ようとしたのかわからなかったけど、今なら少しだけわかる。兄さんがよく言ってたんだ。男なら女の子の前で弱気になるな、常に前を向け、って。泣きそうなあの子たちを見て、無意識に兄さんの言葉を思い出してたんだ。きっと。

「にしてもさー、匠。来月から高校だろ?意気込みとかないのかよ」
「はぁ?なんでだよ」
「だってさ…高校といえば、信也が死んじまった時だろ…だから……」

確かに、兄さんは高校時代に死んだ。
だから、俺が何を思ってるのか聞きたいのか。………ったく、心配性め。

「そんなの決まってるだろ。無事に卒業!!これしかないだろ」
「ぷ……あははははははっ!!!!そっか、無事に卒業か!そうだな!!」

兄さんは卒業できなかったんだ。だから、俺が兄さんの分まで高校生活を楽しんで、卒業するんだ。
きっと、兄さんもそれを望んでる。たぶんだけど……

「って、やべ!そろそろ戻らねーと、楯姉さんに説教される!?」
「ついでに言えば、簪たちからも説教くらうだろうな〜。何も言わずに、デジタルワールドに来てるんだし」
「一応、旅に出るって名目で来てるわ!!」

* * *

後日、藍越学園の受験に(ギリギリ)受かった俺だったが、なんと強制的にIS適正試験を受けさせられ、IS学園に入る羽目になったのは予想もしなかった………俺、無事に卒業できるかな?ってか、みんなにIS乗れること言ってなかったし…大丈夫か?



次回予告

ISには女性しか乗れない。

そんな常識を覆した、摩訶不思議な男たちがIS学園に入学する!

次回【第1話 IS学園入学!?クラスメイトは一人を除いてみんな女子!!?】

世界の常識を覆した時、物語は始まる-

-4-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える