小説『ボーンシルヴィアの罪』
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そう考えながら僕は兵士達に給仕をしていると目の前にサンチェスがニヤニヤと薄笑いをしながら立っていた。僕は身構える。ジャック中尉の存在が希望ならこのサンチェスの存在は絶望そのものだった。

「よう。ギルバート」

相変わらずサンチェスの顔には不気味な笑みが浮かんでいる。

酒臭い。

酔っている。

サンチェスが手にしている銃が不吉な予感を確信に変えつつあった。

「あっちでちょっとした狩りをやってんだが、おまえ、的になれよ」

「は?」

「狩りには獲物が必要だろう。犬や鳥を撃ってもつまらんからな。ほら逃げろ。10秒やる」

一体この男は何を言っているのかわからなかった。

理解の範疇を超えている。

サンチェスにとって人畜は犬や鳥と同列なのだと改めて確信した。

本当にこの男は撃つのだろうか。いや、撃つ。この男ならば。

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