小説『ボーンシルヴィアの罪』
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「お兄ちゃん」

シャーリィは背を向けながら僕を呼ぶ。

「ん?」

僕はボーンシルヴィアを眺めながら答える。

「お母さんの事…恨んでる?」

ギョッとした。
シャーリィはまだ背を向けている。

僕は少しの間考え込んだ。

「私ね、お母さんの事恨んでないよ。お母さんのおかげで今まで生きてこれたんだもん。  きっとお母さんは私たちを捨てる時たくさん悩んでたくさん泣いたんだと思う。私はお母さんはお母さんの人生を生きて欲しかった。だから、私はお母さんの事恨んでないよ」
 
シャーリィはそう言い切った。
僅かだが、声が震えている。

「そうだな…僕も母さんの事を恨んでないよ」
僕は穏やかに言う。

シャーリィは振り返って「良かったぁ」と笑う。

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