小説『ボーンシルヴィアの罪』
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シャーリィは遺体安置所に横たわっていた。

その顔は青白く、その体は氷の様に冷たい。

僕はその顔に手を添える。

シャーリィの死に顔はまるで眠っている様だった。

だが、僕を呼ぶその声は、もう聴けない。

ボーンシルヴィア畑で見せた太陽の様な笑顔は、もう見れない。

突然の別れは僕の心を粉々に打ち砕いていた。

僕は、全てを失った。
 
たった一人の家族も、今まで自分を支え続けてきた信念も、その全てが砕けた。
 
?生きる理由?を失ってから,生に対する執着が消滅した。
 
あの懲罰室でシャーリィの死を告げられてから一体どのくらい泣いたのだろう。
 
シャーリィの死を告げられてから、一体どのくらい自らの無力さを呪ったのだろう。
 
シャーリィの遺体を目にして、僕は茫然とする事しか出来ない。

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