小説『ボーンシルヴィアの罪』
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「畜生…」

全てが憎かった。
何処とも知れない戦場で勝手に死んだ父が憎い。
僕らを捨てた母が憎い。
僕らを弾圧し続けた兵士達が憎い。
シャーリィを見殺しにしたサンチェスが憎い。
何も出来ない無力な自分が憎い。
僕らをここまで追い込んだカースト制度が憎い。
カースト制度を敷いた国王が、王国が憎い。
そして、シャーリィが死んでも何も変わらないこの世界が憎い。
あらゆる負の感情が僕の中で渦巻いていた。

割れんばかりに歯を食いしばり、骨が砕けんばかりに両手を地面に叩き付ける。

「ギルバート…」

僕を呼ぶ声の主を僕は血走った目で見た。

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