小説『ボーンシルヴィアの罪』
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「貴公は相変わらずの様だな。ドレーク少佐」
 
僕は再び内心で舌打ちをしながら「お聞き及びでしたか」と答える。

「儂が知らないとでも思っていたのか。クリミアの捕虜までも皆殺しにしておいてよくも平気な顔をしていられる」

グレマン准将の顔には明らかに侮蔑の色が浮かんでいる。

「敵の殲滅が我が大隊に与えられた命令でしたので」

僕はしれっと答えた。

「貴様には人の心がないのか」

僕は思わず吹き出しそうになった。

人の心だと?

そんなものはとっくに捨てている。

12年前、シャーリィの墓に埋めてきた。

「この世には2種類の人間しかいません。即ち?敵か味方か?。味方でなければ敵です。敵は全て殺す。道理にかなっていませんか」

「狂っている」

グレマン准将は侮蔑しきった目で僕を見る。

僕はその視線を鼻で嗤う。

「褒め言葉として受け取っておきましょう。まともな人間は軍にいるべきではありませんからな」

「それは儂の事を言っているのか」

「ご想像にお任せします。それでは」

いい加減グレマン准将の相手が面倒臭くなったので僕は背を向けた。

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