小説『ボーンシルヴィアの罪』
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アルボラを駐屯地にしたのにはいくつか理由がある。
 

王都カサンドラからさほど距離が離れていないため、大隊の補給活動が容易である事。
僕自身がカサンドラに点在する軍の中枢施設に足を運びやすい事が挙げられる。
 
そしてアルボラはエリスグール収容所からも離れていない。
 
これが僕がアルボラを駐屯地に選んだ最も大きな理由だった。
 
僕がエリスグール収容所を脱走してからも、エリスグール収容所は人畜の死者を出し続けた。

故に僕はエリスグール収容所の兵士達を一掃し、エリスグール収容所管理将官を兼任している。人畜たちには正当な報酬を。そして人道に基づく扱いを。2万人を超える人畜たちの絶大な支持を得るためにエリスグール収容所の改革に着手したのだった。
 
人畜たちは僕の憎悪の対象外だった事。そして、王国に対して反乱を起こす際に、2万人を超える人畜たちは大きな戦力になると考えた。僕の復讐を果たす重要な手段の一つになると考えたのだった。結果は目論見通り、人畜を弾圧し続けていた兵士達を排除し、人畜に対して政党な報酬と人道的な扱いを新たな兵士達に徹底する英雄としての評価が定着していた。首尾は上々。計画通りと言えた。

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