小説『ボーンシルヴィアの罪』
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「それからな。諸君らに一つ、忠告がある」
 
グラス大佐はそう言うと、私語をしている子供の前までツカツカと歩み寄り、懐から出した拳銃を構えた。
 
私語をしていた子供の目の色が変わったのは一瞬の事だった。
 
パァン。
 
聞きなれた乾いた音が響く。
 
頭を打ち抜かれた子供は仰向けに倒れる。
 
その頭から流れる血で大地に紅い水たまりが出来た。
 
グラス大佐はしばらく撃ち殺した子供を虫でも見るかのような目で見降ろした後、地獄の悪鬼達でも震え上がる様な冷たい目で僕らを見つめ、言い放った。


「諸君らの代わりなど、いくらでもいるのだ」
 

営庭は静まり返った。
 
もはや誰も私語を口にしない。
 
全員が絶句していた。

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