小説『ボーンシルヴィアの罪』
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グラス大佐が実施した特別訓練の参加者は延べ114人。
そのうち、生き残ったのは僕を含めてわずか8人だった。
生き残った8人を前にしてグラス大佐は小さく手を打つ。

「おめでとう。諸君。諸君らは見事に勝ち抜いた。見事に生き抜いた。これから諸君はそれぞれの部隊に派遣される事になり、それぞれの戦場に赴くだろう。諸君らが赴く戦場で存分に示すと良い。諸君らが獲得した?暴力?を。諸君らは?国家的暴力機構?の担い手となるのだ」
 
グラス大佐は軍帽を取り、敬意を示した。
僕らは血走った目でそれを見る。
 
グラス大佐が実施した特別訓練に生き残った僕らはグラス大佐の言葉通り、戦場で目を見張る戦果を挙げる事となる。敵からは?恐怖の対象?として。味方からは敵じゃなくてよかったという?畏怖?の対象として。兵士達はいつのまにか僕ら8人を?死神『グリム・リーパー』?と呼んだ。

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