小説『ボーンシルヴィアの罪』
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「つーかよ。今度の戦。アルスター街道防衛だっけ。勝算はあるのかよ」
「なくはない。だが、それなりに厳しい戦いになる」
「なんで」
「グレマンの莫迦がやらかした所為でうちの戦力はラッツィンガー少将率いる一個旅団だけだ。しかも敗残兵、負傷兵までかき集めて動員してやっとこ7000人ってところだ。敵の数は倍以上の推定1万8千」
「ジーザス」
 
カルナウ=バロウは天を仰いだ。

「増援は」
「却下された」
「はぁぁぁぁぁ!?なんで!?」
「兵の数が足りん。先の戦争で戦力になる兵が大勢死んだ。人事局は新兵の動員と訓練を実施しているがそれでも兵の数が足りていない。最激戦区であるグランフェルドで戦力となる兵は特にな」
「痛たたたたたたたた!うちの王族、貴族が莫迦過ぎて腹が痛いです!大隊長殿」
「そうか。安静にしろ」
「あー、人でなしの鬼大隊長とアホ上層部の所為で腹が痛い」
「うるさい。そんなに痛いのなら娼婦に腹でも何でもさすってもらえ。おそらくこの戦が終わってからもそれなりに忙しくなるぞ」

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