小説『ボーンシルヴィアの罪』
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ラッツィンガー少将との会談を終えて、僕は大隊基幹将兵会議を開いた。
 
参加者は機動白兵中隊長カルナウ=バロウ大尉。
銃兵中隊長ビブロ=メロース中尉。
銃工兵中隊長ニッケル=グラント少尉。
大隊最先任軍曹リボフ=ラビン軍曹。
そして、僕を含めた5人だ。
 
彼らは独立歩兵大隊『最後の罪人?ウルティモ・クリミナル?の基幹将兵であり、『死神?ウルティモ=クリミナル?』の生き残りであり、同期であった。

全員に茶を配り、喫煙も許可した。

「それで?俺等はどうやってクリミア帝国本領軍の皆様と喧嘩するんだ?大隊長殿。真正面から殴り合いなら歓迎するぜ」
 
真っ先に口を開いたのは機動白兵中隊長カルナウ=バロウ大尉だ。

身長197cm。体重138キロ。その肉体に余分な脂肪は一切排除され、全身に筋肉の鎧を纏っている白兵戦のプロ。その全身には銃創11ヶ所。刀傷21ヶ所もの勲章が刻まれている。誰でもその肉体を見れば息を呑むだろう。だが、カルナウ=バロウ大尉の首には奇妙な丸い傷が3つある。何でも激昂した娼婦にフォークで首を刺されたのだという。おそらくコイツの女癖の悪さは死ぬまで治らない。

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