小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  ええ、その通り
  まるでそれらの居室を何人かの人間たちで、
  入れ代わり立ち代わり使用していたとしか言いようがありません。
  なにか、そう・・・、それはまるで『シフト勤務制』で『勤務交代』しながら、
  私を監視していたとしか思えません。
  それから監視と言えばこんなこともあります。
  どうやら上下両サイドだけではなく他の居室の住人達も私を監視していたようで、
  その監視の仕方が振るっています。

  ほう、どんな?

  ええ、その居室の人は自分で監視するのではなく子供を使って私を見張っていました。

  ほほう、子供をね・・・。

  私が外出すると決まって近くで遊ぶ子供がいる。
  最初のうちは気にも留めていませんでしたが、そのうちその子の挙動に不審を感じ始めました。
  それは私が外出して居住地から離れると、急いで部屋に戻っていく。
  私はあるときフェイントをかけてみました、外出する時間をわざとずらしてみたのです。
  するとその子が急いで部屋から出てくると、私を見るなり、

   『ママ〜、お兄ちゃんが出ていくよ』

  と言うのです。

  ははぁ、なるほど。

  子供は正直とはよく言ったものですよ、私は思わずその場で笑っちゃいました。
  自分の子供まで使って私を監視する親、
  まったく馬鹿げているというより、これは一種の狂気ですよ。
  もっともそれ以来、バレとた思ったのか、子供を使った監視はなくなりましたけどね。

失笑するM氏はタバコを取り出す一服する。

  今にして思うことなのですが、こうした近隣の監視が行われる前に、
  見慣れない人たちが現れ一部の居住者らの部屋に出入りすることがありました。
  どうやらそのとき私を監視するよう『感化洗脳』されたのではないかと思います。

私はK氏の言っていたことを思い出す、風評による近隣住民の感化洗脳・・・。

考えてみれば特定人物を近隣住民らに見張らせるためには、
その人物に関する『悪い噂』を吹聴し、感化させてしまうのが一番だろう。
その場合、集団ストーカー犯罪者たちはこうした噂による感化洗脳のテクニックを持っているということになる。

それはどのような手練手管なのだろうか?

子供を騙すのとは違い相手は大人だ。
社会経験を十分に持つ大人たちを感化洗脳させ自分たちの犯罪活動に加担させるためには、
かなり巧妙なテクニックがあるのだろう。

ヒントとなるのは、こうした一般人を犯罪活動に加担させるためには『正義』を装うことだろう。
そして特定人物が、あたかも『悪党』でるかのように思い込ませる…。
大方そんなことではないだろうか。

そんことを考えているとM氏が話しかける。

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