小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  その質問に対して私は『Yes』と即答するでしょう。

  ははぁ、その理由は?

  これは集団ストーカー被害のなかでかなり分かりにくい部分にです。
  ですが、私は警察関与を指摘することができます。
  関与と言うより集団ストーカーの背後には警察権力が暗躍しているように思えてならないのです。
 
  警察権力の暗躍? それは穏やかではありませんね。

X氏は私の目をじっと見つめて話を続ける。

  これは警察ばかりではなく立法・行政・司法といった国家権力にまで絡んでいると考えています。
  というより、それを想定しないと集団ストーカーの全体像を把握していくことができない。

私は正直言って話がここまで来ると理解できなくなる。
というより飛躍しすぎではないかとすら思えてくる。

  ちょっと、話が飛んでしまったようでずが、今私が話ことは追々判ってくることです。
  ですから一条さんが首を捻ったとしてもそれは無理のないことです。
  ですが、これを見てください。

X氏はファイルを開くと何やら文書らしきものを提示してくる。
私はそれに目をやると『ストーカー行為等の規制等に関する法律』と書かれている。

  これは『ストーカー行為等の規制等に関する法律』の全文コピーです。
  通称『ストーカー規制法』と呼ばれている法律で、一条さんなら既にご存知のことと思います。
、 ですが、この法律をよく見て欲しい、特にこの法律の(定義)第二条をよく読んでください。
  そこになんと書かれているか・・・。

私はX氏が提示したストーカー規制法の(定義)第二条に目を通してみる。
するとこんなことが書かれている。

  (定義)
  第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又は
  それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、
  直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、
  次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

目を通した私はX氏に問う。

  一応、定義第二条に目を通してみましたが、それがなにか?

するとX氏はニヤリと笑い。

  私はジャーナリスではないし、いわんや法律家でもありません。
  私は名もなき一介の市民であり、こうしたことの素人です。
  でずが、素人ながらもこの法律の定義について私は強い疑問、というより疑念を持っています。
  これは多くの被害者も同じように疑念を持っていることが判っています。

  ほほう、条文に対する疑念ですか? それはどのような?

  ええ、それは定義に帰されているこの文言です。

   ■この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又は
    それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、

  と記されていることです。
  この文言を読む限り、いわゆる『つきまとい』というものが、
  あくまでも恋愛感情に基づくものに限定してしまっていることです。
  なぜこのような限定されているのか?
  『つきまとい』というのは何も恋愛感情云々といった色恋沙汰のものだけじゃない。
  おかしいとは思いませんか? 
  それとこの法律には『つきまとい』ということにたいして、
  『組織的または個人的』という文言が欠落してしまっている。
  これもおかしいとは思いませんか?
  本当の意味でストーカー、つまり『つきまとい』ということを規制し処罰の対象にしようとするなら、
  すくなくともこの定義である第二条は以下のように記されなければならないはずです。

  (定義)
  第二条 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する『組織的または個人的な悪意』を
  充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と
  社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

  どうですか? 
  これが定義のあるべき本来の姿だと思います。
  ですが現行法の定義は『つきまとい』があたかも恋愛感情云々と言った、
  極めて狭量な範囲に定義してしまっている。
  なぜこのような不自然な定義にしているのか?
  なぜ『つきまとい』に『組織的または個人的』という文言を盛り込んでいないのか?
  おかしいと思いませんか?
  それたげではないですよ、以下に続く文言、

  一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所
   (以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。

  二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

  三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。

  四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

  五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくは
    ファクシミリ装置を用いて送信すること。

  六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、
    又はその知り得る状態に置くこと。

  七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

  八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、
    又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。

  こうしたことを書き連ねるのもいいのですが、なぜここに『モビング』や『ガスライティング』、
  そしてその派生的手口である『ブライティング』や『ノイズキャンペーン』『ストリートシアター』
  といった手口を盛り込まないのか?
  おかしいと思いませんか?
  一体誰がなんの意図で、定義を色恋沙汰にだけ限定してまっているのか、否、限定させたのか?
  その真の意図は何なのか?
  一条さん、どう思いますか?

私はX氏の問いかけに面食らう。

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