小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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私は腕組みしながら大きくため息を吐く。

  ふむ・・・、集団ストーカー被害情報の伝えるところとこの警察防犯ネットワークは、
  見事なまでに合致しているようですね。
  まさに集団ストーカーを可能とするインフラといってもいいくらいですね。
  この防犯ネットワークが乱用されている場合を想定すれば、
  確かに集団ストーカー被害の多くを説明していくことかできる・・・。
  これは盲点ですね。

  まったくその通り、これは盲点です。
  警察と言うものに対する盲目的な信頼がもたらす盲点です。
  警察は絶対に正しく悪事を働かないという思い込み、警察=正義のごとく思い込む、
  というかそう思い込ませようとする警察信仰がもたらす盲点と言えます。
  私たちは盲目的な警察信仰というカルト状態から自らを解き放つとき、
  この世の盲点が見えてくるのです。
  そしてその盲点をついてやりたい放題やっているのが集団ストーカー。
  そしてそれを野放しにしているのが警察であり、その野放しに法的根拠を与えたのが政治です。
  そしてそれは詰まるところ政党であり、その政党の構成員となっている議員たちです。
  こうして思考を突き詰めていくことによって見えてくることは、
  集団ストーカーが政治権力を背景とした『権力犯罪』であるというこです。
  それ以外に合理的な説明があるならば是非とも聞いてみたいと思いますよ。

X氏はタバコを吸いこむ。

  ザル法である『ストーカー行為等の規制等に関する法律』。
  そして生活安全条例に基づく『警察防犯ネットワーク』。
  この両者は集団ストーカー被害が『権力犯罪』であることを説明する有力な材料です。
  特に被害者が頻繁に遭遇するパトカー、救急車、消防車、警察ヘリ、タクシーだけでなく、
  郵便配達車両や宅配車両、警備会社車両などのタイミングの良い遭遇といった不可解な出来事、
  そして犬の散歩に乗じた追跡や見張り、自転車による追跡、その他多くの不可解な事象、
  そしてこの不可解な出来事がどこへ行っても繰り返される・・・。
  これらは広範囲に渡る監視網を想定しない限り説明できない話ですよ。

X氏の話に私は頷かざるを得ない。
確かに被害者の身辺で展開されるこの不可解な出来事を合理的に説明できるのは警察防犯ネットワークしかない。
他に説明できるものは今のところない。

もし、こうしたことを精神障害の産物として扱うならば、その者はストーカー規制法がザル法となっていることを説明しなければならない。

どう説明するのか?

ストーカーを規制する法律でありながら恋愛感情に関するものに限定する?
その理由が規制対象となる行為に公権力介入を限定させるため?

バカか!

こんなもの説明にすらなっていないただの誤魔化しか戯言だ。
もし、こんな説明を鸚鵡返しにするなら何も考えないか考えることのできない阿呆だろう。
阿呆でないなら知っていながら民衆を惑わす『権力犯罪』の手先だ。

現行法は、少なくともその定義に基づくならば、
恋愛感情以外による個人または組織的な付き纏いに関しては一切関知しないというわけだ。

これをザル法と言わずになんと言えばいい?

ご立派な法律とでも言う気か?

さらに、このザル法に警察防犯ネットワークを加算、いや乗算してみればいい。

    ザル法 × 警察防犯ネットワークの乱用 = 集団ストーカー被害

とならざるを得ないだろう。

  集団ストーカー被害が警察防犯ネットワークの乱用である疑いが浮上してきましたが、
  ところで先にX氏は『ガスライティング』という嫌がらせの手口に関して言及されていましたが、
  この『ガスライティング』についてご説明願いませんか。

X氏はさらにタバコに火をつけると、立ち上る紫煙を眺めるように切り出す。

  警察防犯ネットワークが集団ストーカーインフラとすれば、
  『ガスライティング』は集団ストーカー実行部隊が直接仕掛けるもと言えます。

X氏はショルダーバックから別なファイルを取り出すと英文で書かれた書類らしきものをテーブルに乗せる。

  これは、ガスライティングに関する文献で、日本ではこうした文献は皆無ですが、
  欧米では『ガスライティング』に関する文献が存在しています。
  英語の文献のみでは話が進みませんから、日本語に翻訳したものと合わせて
  『ガスライティング』について説明しますが、とりあえず、この翻訳文を一読してみてください。

私はX氏から翻訳文を手渡されると、それを一瞥する。

  翻訳はXさんが?

  ええ、自分で翻訳しました、幸いにも学生時代から英語が得意でしたから。
  もし、翻訳に疑義があるなら、別な方に翻訳して頂いても結構です。
  同じ翻訳をするはずです。

特にX氏に疑いがあるわけではないため、私は手渡された『ガスライティング』の翻訳文を一読してみた。
するとこのようことが書かれていた。
ガスライティングには原理的なものがありそしてその準備があるということ。

?:目的
『ガスライティング』はターゲットへの攻撃方法であるが、しかしそれは物理的破壊の方法ではなく、
『相手の自信やプライド、そして社会的信用』を破壊することだという。
さらに、この目的のためには『身近な人物の加担』が有効であると言う。
そして『ガスライティング』は『知らない相手よりも身近な相手をターゲットにするほうが簡単』とも書かれている。

?:準備
次にその準備だが、いくつかの段階があるらしい。
最初に準備することはターゲットに対して効果的な攻撃を行うためターゲットに関する情報を、
できる限り収集することらしい。
具体的には、

  1 氏名

  2 住所

  3 電話番号

  4 家族構成その他親族

  5 ターゲットおよび家族の職業

  6 職場の住所

  7 職場の電話番号

  8 上司及び同僚の名前

  9 配偶者の職場

  10 趣味と関心

  11 所有物品、例えば自転車バイク、クルマなど。

  12 ナンバープレート番号

  13 クレジットカード口座

  14 銀行口座番号

などなど。

こうした『ターゲットに関する個人情報』を基本情報としてターゲットの『素行や生活習慣』を把握し、
ターゲットに『怒りと混乱』を誘発させるための策謀を練るという。

また、これらの基本情報の他にターゲットの人間関係を把握するため、ターゲットの家族関係や交友関係、
職場での上司や同僚との関係、つまりターゲットの人間関係全て把握し、効果的な攻撃方法を見出すという。

そのほか書類偽装用のターゲットの名前の印鑑やゴム印、指紋を残さないためのゴム手袋、
旅行を偽装するためホテルのライターなど様々な備品、さらにはターゲットを陥れるため薬品入手など、
いろいろな準備とその方法について記されている。
そして『ガスライティング』は加担者が多いほどその破壊的効果が大きくなるという。

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