小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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2 妄想構築

これはターゲットを妄想患者に仕立てるべく一連の手口について記述されている。
この手口は

  ●ターゲットを猜疑心や不安に駆りたて、その猜疑心と不安をあらゆる方向に向けさせ
   加害者を特定させない。

つまり妄想状態にするわけだ。
そしてターゲットを妄想状態に至らしめる具体的手口が以下に記されている。

(1) ささやきと冷笑

  ?ターゲットに妄想を構築させる方法

   ●人々がターゲットのことを話しているということを明らかに分からせる。

   ●この手口には、1、2人の協力者が必要。

   ●話題が自分のことであると分からせるため協力者と共にターゲットを見ながら協力者にささやく。

   ●ささやきの間に冷笑や失笑を加える

こうした手口でターゲットは自分が馬鹿にされていると思うだろうし、
ターゲットは自分をせせら笑うような相手に文句の一つも言ってやりたくなるはずだ。
そこで、この手口で協力者ささやいている間にターゲットが向かってきて文句を言ってきたならすかさず、

 『別にあんたの噂をしていたわけじゃないよ、
  それとも噂になるような重要人物だとも考えているの? それって妄想じゃない?』

と、白々しく言ってやり、ターゲットの自尊心を打ち砕く。
こうしたことを場所を変え手を変えながら執拗に繰り返していくことによりターゲットの頭の中に妄想が萌芽し始めていく。
これは協力者が多ければ多いほど、猜疑心と不安はあらゆる方向に拡散し、しまいには妄想状態へと至る。


(2) 匿名の警告

  ?匿名でターゲットの秘密やプライベートをほのめかして猜疑心や不安を煽る方法

   ●匿名電話による警告

   ●『ほのめかし』によるそれとない警告


3 ターゲットの信用失墜
簡単に言えば『ターゲットの頭がおかしくなった』と周囲に思わせる手口で以下に示す手口が行使される。

  ?『風評工作』
   ターゲットに知られないように陰に回っては『風評』を流布してターゲットの信用を貶める。

  ?猥褻雑誌や画像のばらまき

   ●ターゲットの近隣でエロ写真等をばらまいては、それがターゲットの仕業であるかのように
    『噂』を流す。

   ●エロ雑誌をターゲットの机など見つかりやすい場所に仕込んで同僚に発見させる。

  ?汚物のばらまき

   ●上階から『生ゴミ、コンドーム、使用済ティッシュ、糞尿』をばらまき、
    それをターゲットの仕業と『噂』を流す。

  ?車上荒らし

   ●車上荒らしを演出し、あたかもそれがターゲットの仕業であるかのごとき『噂』流す。

  ?下着ドロボー

   ●下着を盗んでそれをターゲットの仕業のごとき『噂』を流す。

と、さまざまな手口があるが、これもこうし際限のない応用が可能な手口だろう。

特に雑誌を使った手口のポイントは、その雑誌が性的なものである必要は無く、
その雑誌がターゲットの上司や同僚の倫理や文化に反しているばいいという。

これを判りやすく解説するとこうなる。
例えばターゲットが警察官や自衛官の場合、左翼政党や過激派の機関紙、あるいはオウムの麻原彰晃の写真など、
それらをそれとなくターゲットの身辺に仕込んで同僚に発見させるといった具合。
逆にターゲットが左翼ならば、右翼の機関紙をそれとなく仕込んで仲間に発見させる。

こうした手口によってターゲットが『スパイ』であるかのごとき風評を流布するわけだ。

これらの手口は他にもあり一覧すると、

  ●異性の加担者を使ってターゲットの耳には直接入らないような噂を流布する。

  ●匿名電話で噂を流布する手口コンドームなどを仕込む。

  ●デートサービスを勝手に申し込む。

  ●変態趣味の本にターゲットの名前を書いて忘れ物として届ける

  ●ターゲットの過去からターゲットに不利な情報をあら捜しして噂を流布する

と、まぁ、要するにターゲットの信用を破壊するためなら『なんでもあり』といった感じだ。

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