小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  いかがですか、一読されてみて。

私はX氏の声に我に返った。

  いや、これは・・・、こなんに手口が存在していたなんて今まで知りませんでしたよ。

するとX氏は笑みを浮かべるように、

  私もこんな手口が存在していたことを知った時は、正直言ってとても驚きましたよ。
  よくもこんな巧妙な手口を考え出したかと思うと感心します。

  まったくですね、この手口はいかようにも言い逃れることが可能でしょうね。

  その通り、この手口は法の網の目を掻いくぐるため、法的な規制ができない。
  規制しようとしても例のザル法『ストーカー行為等の規制等に関する法律』が邪魔をする・・・。

  ふむ・・・、そして警察防犯ネットワークが集団ストーカーのインフラとなっているとすれば・・・。
 
私は改めてこの問題が『権力』を背景とした『犯罪』であることを痛感する。
一度この集団ストーカーのターゲットにされたらその被害をどこへも訴え出ることができない。
たとえ訴えたとしても誰も信じないだけでなく被害者は良くて『精神障害者』扱い、
悪ければ『犯罪者』に仕立て上げられ警察にパクられる。
最悪の場合は『自殺』へと追い込まれていく・・・。

すると現在の年間三万人を超える自殺者数には、こうした被害者も含まれているのではないだろうか・・・。
私はX氏に問いかける。
 
  年間三万人を超える自殺者数には集団ストーカー被害によるものも少なくないのかもしれませんね。

  そうですね、私もそれを考えています。

  ふむ・・・、こうして考えると集団ストーカーは法律で規制できず警察権力も及ばない、
  『万能の権力犯罪』と観ていくことも可能ですね。

するとX氏はニコリと笑いながら否定する。

  いや、そうでもないですよ、集団ストーカーは万能ではありませんね。
  単にそれを装って被害者を幻惑させ心を挫き無力化させようとしているに過ぎないと観ています。

  ほほう・・、すると何か弱点でも?

  弱点と言えるかどうかはわかりませんが、確実に言えることは、
  集団ストーカーには限界があるということです。
  その限界がある限り『万能の権力犯罪』なのではありません。

  集団ストーカーの限界? といいますと?

私はX氏が指摘する限界に強い関心を持つ。

  集団ストーカーの限界とは、それは、
 
    ★集団ストーカーは個人を攻撃できても組織を攻撃できない

  ということです。

  組織を攻撃できない? なぜそう言えます?

X氏は笑みを浮かべながら話を続けていく。

  それは集団ストーカーが『ガスライティング』を基本的手口としているためです。
  『ガスライティング』の手口について今一度よく考えてみれば判りますが、
  この手口は個人を攻撃するときにだけ効果を発揮することが判ります。
  特に『ガスライティング』の破壊的効果がマキシマムに作用するにはある条件が必要となります。

  条件、と言いますと?

  ええ、その条件とは、
  『ガスライティング』という手口をまったく知らない相手に仕掛けるときだけです。
  言い換えれば『ガスライティング』は、

    ★『ガスライティング』はそれを知らない者に最大の破壊的効果をもたらす。

  ということです。
  ところが『ガスライティング』の基本的な手口を粗方知ってしまえばその効果は撃滅してしまう。  
  これは『種明かしされた手品』のようなものです。
  一度その種と仕掛けを知ってしまえば誰もそんな『手品』に驚きはしません。
  『ガスライティング』もこれと同じことが言えます。
  ですから私にいくら『ガスライティング』を仕掛けてもムダですね。
  私自身、そんな詐術に慣れてしまったため今更『ガスライティング』を仕掛けられたって驚きもしないし効果もない。
  これは『ガスライティング』の手口を知った一条さんにも言えます。
  『ガスライティング』は個人に仕掛けるからこそ、その犯罪を判りにくく主観的なこととして
  実証できないようにしていますが、もし、この手口を組織に仕掛けたら、
  今度は客観性が出てその犯罪が実証されやすくなってしまう。
  まさか組織を丸ごと『統合失調者の集団』に仕立てることはできないでしょう。

  ふ〜ん・・・、なるほどね。

感心する私にX氏はさらこう言う。

  『ガスライティング』はその手口を知られてしまうと役に立たなくなる。
  このことから次のことが言えます。
  『ガスライティング』の破壊的効果を消滅または撃滅させるためには、

    ★『ガスライティング』の手口を天下に晒す

  ことです。
  つまり誰もが『ガスライティング』という手口の存在を知り、そのやり口を知ってしまえば、
  『ガスライティング』はその効果を失ってしまうわけです。
 
私は思わず感心する。
なるほと゛、ひとつの手口を暴いて世間に晒してしまえばその手口は使いものにならなくなる。
だが、しかし、これには問題がある。
それはこうした手口を知ることによって模倣する者が現れるという危険性だ。
私はこの点を訊いてみる。

  なるほど、手口を潰すにはそれを暴いて晒してしう・・・。
  そうすれば、それはバレバレの手口となり役に立たなくなる。
  ですが、もし、こうした手口の暴露によって、それを模倣する者が現れる危険性もありますね。

私の問いにX氏はニヤリと笑う。

  そう思いますか?
  確かにそうした危険性が伴うことは承知しています。
  ですがこうも言えます。
  模倣による『ガスライティング被害』が急増していくなら、
  だれの目にも『ガスライティング』が実在する手口として無視や否定することかできなくなってくる。
  それに模倣犯はその多くはタダの素人です。
  せいぜいが『ガスライティング』の上辺だけをサルマネするだけでしょうから、
  証拠を残しやすく捕まりやすい。
  従ってこうした模倣犯によるガスライティング被害が急増すればするほどその手口が知れ渡り、
  そして社会も無視できなくなってくる。
  そうなれば今度はこうした手口に対するなんらかの『規制』を考えていかざるを得ない。
  一度『ガスライティング規制』が成立すれば集団ストーカー実行部隊は壊滅を余技なくされる。

  ふぅむ・・・、なるほどね・・・。
  しかし、手口の暴露はそれを行った者に対する法的な処罰の危険性もありますが?

するとX氏は大声で嗤いだす。

  八ッハハハハハ、『ガスライティング』手口の暴露に対する法的処罰ですか?
  そんなことできるならやってみればいい!
  なんなら私を『ガスライティング』手口の暴露者として警察にタレこんで逮捕させてみればいい!
  そうすれば『ガスライティング』が『犯罪手口』であることを警察は認めることになる。
  となれば多くの被害者は一斉に警察へ被害を訴えに行くだろうし、
  警察は警察でその被害をいままでのようなけんもほろろな追い返しはできなくなる。
  どうぞ、法的処罰とやらをやってみたらいい!

笑い続けるX氏に一理ある。
確かにその通りだろう。
もし『ガスライティング』の手口を暴露した者に法的処罰を加えるならば、官憲はその手口を認めることになる。

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