小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  そうですね、例の広域カルト組織については、集団ストーカーを可能とする諸条件をそなえている以上、
  重要なファクターとして無視できませんね。

  するとやはり、集団ストーカーは広域カルト組織の仕業であると・・・?

  いや、それは違うでしょう、集団ストーカーの全てが『広域カルト組織』の仕業であるはずがない。

  ほほう・・・、それはなぜ?

  それは既に言及したとおり、集団ストーカーが仕掛けてくる『ガスライティング』の起源にあります。
  もし、仮に集団ストーカーの全て、つまり『集団ストーカー=広域カルト組織』と見做してしまう場合、
  『ガスライティング』は広域カルト組織が編み出した手口ということになってしまいます。
  そうすると広域カルト組織は少なくとも映画『ガス燈』の上映に先立つ舞台劇として上演された1939年に、
  既に広域カルト組織が存在し、かつ『ガスライティング』という精神錯乱テクニックを編み出していたことになる。
  これは仮説としても無理がありますし、それに、海外のギャングストーカーをどう説明するか?
  という別な問題を浮上させてきます。

  ふぅむ・・・、しかし、広域カルト組織についてはその起源を戦前にまで遡及できますが。

  確かに広域カルト組織は既に戦前の時代に存在していた。
  しかし、この広域カルト組織に関する生成過程を調べる限り、もともとはカルトとは無縁な、
 『知識人』階級が始めた『知的』な社会運動であることが判っています。
  となると、その時代に『知識人』階級が『ガスライティング』を開発したということになります。
  こうした観方はあまりにも馬鹿げていますよ。

  なるほど・・・、で、海外のぎゃんくストーカーについてですが。例の広域カルト組織は海外組織も保有
  していますし、それに十数か国からカルト指定されています。
  その点はどうですか?

  もし、ギャングストーカーが広域カルト組織の海外組織が犯人だとすれば、日本と同様にその国の警察も
  政府も放置していることをどう説明するか?
  まさか海外組織が議会や警察に圧力を加えているなどと考えられるでしょうか?
  もしそうだとするならば、海外組織とは他国を間接的に侵略しているに等しいことになります。
  そうなればその国の諜報機関にマークされるでしょう。
  そしてカルト指定どころか侵略行為とみなされ組織は壊滅される。
  それだけじゃない、その総本山が日本にある以上、これは日本の間接侵略と見做され国際問題になるはずです。
  私は既に指摘していますが、初めに集団ストーカーがあるのではなく、初めに海外のギャングストーカーがあり、
  そして集団ストーカーとはこのギャングストーカーを国内に持ちこんだものに他ならない。
 
  なるほどね・・・。

  『広域カルト組織』が集団ストーカー活動を行っていることは私も否定しないし。
  ですが集団ストーカーの、というより『ガスライティング』の起源になると話は違ってきます。
  『ガスライティング』が映画『ガス燈』からの由来であることが判明している以上、
  集団ストーカーが『広域カルト組織』の産物であるはずがないし、
  集団ストーカーが『広域カルト組織』のオリジナルな発明品なのではない。
  『広域カルト組織』は既に存在していた『ガスライティングを駆使する組織的で破壊的なハラスメント活動』に、
  後から参入してきた『新参者』と観るべきでしょう。
  彼ら『広域カルト組織』は、こうした知られざる巧妙な手口を駆使する闇稼業の存在をなんらかの方法で知り、
  それを利用してきた、というより、そうしたものを利用させてもらってきた、と考えるべきではないでしょうか。

  ほぅ・・・、利用させてもらってきた・・・、と言いますと?

  集団ストーカーはーについては、これは少し調べれば解ることですが、誰が考えても『権力犯罪』の疑いがあります。
  そしてそれが『権力犯罪』とするならば、ではその『権力』を行使しているものが浮上してきます。
  ただし、ここで言う『権力』とは『立法・司法・行政』といった合法的権力を意味しません。
  このような合法的権力すら背後から操れる本当の『権力』を意味します。
  それはこの世を実際的に支配している階層、つまりつまりこの世を実質的に支配する『支配階級』が持つ『権力』です。

  ちょっと待ってください、それは・・・。
  もし、そういうことになるとなにやら『陰謀論』めいたものになってしまいます。

するとX氏はニヤリと笑う。

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