小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  陰謀論ですか? あなた方ジャーナリストは『陰謀論』というものを何かと胡散臭い与太話のような観方をされていますが、
  ならば『権力犯罪』がなぜ起こるのか?
  そして一度『権力犯罪』が露呈すると決まって『自殺者』が出てくる。
  『自殺者』がでないまでも、決まって誰かがスケープゴートとなって逮捕されていく。
  そして警察の捜査陣はそれをもって一件落着、解散・・・。
  甚だしい場合は警察に圧力をかけて捜査そのものをストップさせてしまう。
  過去に起きた収賄に基づく汚職や疑獄事件の多くがそれを物語っていますよ。
  それだけではありません、過去の不良債権問題や薬害被害、最近の旧社会保険庁による組織的な年金犯罪、
  そして警察の裏金という違法集金、そしてつい最近発生した原子力災害。
  これらはいずれをとっても誰一人として罪科に問われず逮捕者もでない、そして誰も責任を取らない。
  これらは全て『権力』の杜撰さが生み出した罪悪でしょう。
  こうしたことは社会の全てがガラス張りの状態であるかのごとき観方考え方では到底説明でない話です。
  これらは国民大衆の耳目の届かないところで『陰』にかくれてコソコソと進行する『謀議』でしょう。
  であればこれは立派な『陰謀』です。
  してみれば『陰謀論』の否定は、社会の皮相的なことしか考えることのできないエセ知識人の浅はかな戯言か、
  さもなくば社会の裏面を国民大衆に見せないよう、知られないように隠ぺいし、
  巧みに国民大衆の意識を逸らせる『権力』サイドの手先です、いかがでしょう?

X氏に問われる私は返す言葉が見つからない。

  話が横道にそれてしまいましたが、集団ストーカーの追求は一般的な事象の追求とは異なる、
  ということを知っておく必要があります、
  集団ストーカーが『権力犯罪』の疑いが極めて濃厚であるなら尚更のこと。
  さて、話を元に戻しますが、学校の教科書では三権分立として、先に言及した立法・司法・行政を説明しています。
  ですが、だからといってこの世の権力がその通りであると信じ込んでいる人などいないでしょう。
  もし、そう信じているならば、それは世の中を知らない学生、つまり小学生ゆや中学生、高校生くらいなものです。
  およそ社会人となっている人間で、こんな教科書的なことを真実と信じ込んでいるなら、
  その人は『バカ』としかいいようがない。
  この世を支配する本当の権力とは何か?
  それは決して学校が教えることのない政治と国家機関、そして経済界が結託したインフォーマルネットワーク、
  すなわ『政・官・財』の鉄のトライアングルでしょう、これに異論はありますか?

  い、いや・・・、それは、まったく、その通り・・・。

  でしょう? ですが、この世の本当の権力を『政・官・財』としてみたところで、
  これで本当のことが解ったことにはならない。
  こんなことは一大衆向けの皮相的な概要でしかない。
  『本当の権力』というものを浮上させていくには、ここからさらに踏み込んでいかなければならない。

  というと、それは、鉄のトライアングルと呼ばれるもののさらなる奥の院がある、
  ということですか・・・?

  そう、この国を支配する鉄のトライアングル『政・官・財』の奥の院にこそこの世を支配する、
  本当の『権力』というものがあり、そしてここにこそ集団ストーカーを操る黒幕が隠れている、
  と私は観ています。
  もっと的確に表現するならば『政・官・財』の奥の院とは、これらを横断するインフォーマルな人的ネットワークです。

  すると、それは一群の閨閥的な集団が存在しているということ?

私の問いに大きく頷くX氏。

  こうした実質的にこの世を支配する『権力』とは学校で教えるような政党や行政機関、裁判所などの、
  誰の目にも明らかなフォーマルなものではなく、
  それらを横断する見えないインフォーマルな人的ネットワーク、
  それは一条さんが指摘するように一群の閨閥的な集団であり、そしてそれが持つ社会に対する支配力です。
  この独占的で密かな『支配権力』こそは、あらゆる社会問題の元凶と言ってもいいくらいです。
  そしてこの『支配権力』は長年『闇社会』とリンクしてきた。
  これこそは疑うことのないこの世の本当の姿です、どうです、一条さん?
  私の説明に間違いがありますか?

そう問われた私は肯定も否定もできない。

  そう・・・、ですね・・・。

苦し紛れな私に笑みを浮かべるX氏。

  ハハハハ、あなたがジャーナリストである以上、こうした際どい話を肯定することができないことは私にも判りますよ。
  ジャーナリズムが不偏不党である以上、これは仕方がないことです。
  ですから私は一条さんから、こうしたことの解答を求めようとは思わない。
  ですがこれだけは解ってほしい。
  集団ストーカーの追求は、こうした観方考え方をしていかないと何も見えてはこないということです。

私はX氏の言う、集団ストーカーを追求する観方考え方をもっと詳しく訊こうと質問する。

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