小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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  とかく『陰謀』というと、碌に考えもせずに眉唾扱いしたり胡散臭い与太話として一笑に伏したり、
  一蹴したりする傾向があり、特にこの傾向は知識人を標榜する人種やそうした人種に影響されている、
 『高学歴者』に多く、そして顕著にみられます。
  ですがこの世の中には『陰謀』あるいは『謀略』といったものを前提にしないと説明できないものが実際
  にあるわけです。

  ふむ・・・、例えば?

  例えばアメリカの『CIA』、イスラエルの『モサド』、イギリスの『MI6』。
  こうした誰もが一度は耳にしたことのある世界的な『情報機関』など。
  これらが単なる調査機関的なものと考えている人々がどれほどいるか?
  これらは『諜報機関』がその実態であることは多くの人々が知っていることではないでしょうか?
  そして『諜報活動』というものがどのようなものかは、少しでも調べれば、
  それが『陰謀』『謀略』と不可分な活動であることが誰にでも解るはずです。
  このように『陰謀・謀略』と不可分な『諜報活動』を行う組織が現実に存在しながら、
  その一方で『陰謀論』を一笑に伏すのは知的に不誠実か、さもなくば自己の思考回路の矛盾に気が付かない、
  似非インテリ以外の何者でもありません。
  少なくとも私はそう考えます、いかがでしょう?

話を振ってくるX氏に私は反論できない。
確かにその通りだろう、現実に『諜報活動』を行う組織が存在しながら、その一方で『陰謀論』を胡散臭い与太話として一笑に伏す態度は知的不誠実かさもなくば思考回路の矛盾に気づかない『阿呆』か『利口バカ』の類だろう。
 
  確かに、Xさんの指摘は一理あります。

するとX氏は笑いながら、

  こんなことは私じゃなくても、誰もが理解できることですよ。
  こうした『諜報機関』が関与した実際の謀略的な活動に、
  『MKウルトラ』や『カウンター・インテリジェンス・プログラム』があるわけです。
  もっとも、これすら与太話として一笑に伏すエセが多い。
  実に嘆かわしいことですよ、これらはいずれも後になって判明した実在する策謀的活動であることを知らないでいる。
  こうした人々は高邁な学説のみがインテリジェンスに値すると思い込んでいるようですが、
  本当のインテリジェンスとはこの世の裏面で蠢くあらゆる『策謀』『謀略』『陰謀』に対する造詣を深めることです。
  こうした『策謀』『謀略』『陰謀』が国民大衆のあずかり知らぬところで、
  しかも国家レベルで密かに進行していく、それが『CIA』『モサド』『MI6』などの諜報活動でしょう。

ごもっとも、X氏の言うとおり。
『MKウルトラ』は、さまにこの通りだ。

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