小説『鬼畜の宴』
作者:ウィンダム()

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ちょっと考えれば判ることだが、ヤバい仕事を引き受ける『闇稼業』は必ず表向きの看板で偽装し世を欺くものだ。
これは昔から変わらない手法だろう。

その『表看板』が『法律事務所』や『コンサルティング会社』であれば、これは誰もが疑わない盲点であり、一般大衆の耳目から隠蔽する格好のカモフラージュとなる。

誰も想像すらつかないカモフラージュだろう。
まさに『お釈迦様でも気が付くまい』を地で言っている手法だ。
こうして集団ストーカーの一形態である『リストラストーカー』の実像が私の頭の中に浮上してくる。

それでは広域カルト組織の場合はどうだろうか?
たぶん同じ図式が描けるのではないだろうか。
脱会する者、悪事を追及し、あるいは批判する者に対して、『法律事務所』や『コンサルティング会社』が集団ストーカーサービスを提案する、
そしてターゲットに対して『仏罰』や『神罰』という人為的なハラスメントを加えて『地獄へ堕とす』・・・。

ふむ、なるほど、これはこれで筋が通った話となる。
それに広域カルト組織は内部に多数の『法律家』を抱えている・・・。

こんなことを推察していると突然電話が鳴り響く。
推察を中断された私は取りあえず電話に出ると同時に、念のため録音スイッチをオンにする。

  はい、もしもし、一条ですが。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

  もしもし?

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

  もしもーし!

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

相手はウンともスントとも言わない、どうやら無言電話らしい。

  もしもし、どちら様ですか? 黙っていられては解りませんよ。

私の問いかけに応じたのか、突然相手は笑いだす。

  フフフフフフフフフフ・・・・・。

  なんですか、なにがおかしいんですか?

  フフフ、一条さん、あんた余計なことに首を突っ込みすぎているよ。

  なんだ? どういうことだそれは!

  フフフフフフ、こっちはいつでもあんたを始末できるんだ・・・。

  な、になんだとキサマぁ、私を脅迫する気か!

  フフ、忠告しているんだよ一条さん、あんた幸せな生活を送りたいならこれ以上余計なことに関わりなさんな、いいな?

  なにを! ははぁ、分かったぞ、お前集団ストーカーだな?

  ククククク、どうやらあんた頭がおかしくなったらしいな、いっぺん病院へ行った方がいいぞ、この統合失調野郎・・・。

  なんだとキサマ! 断っておくがこの会話の全ては録音しているんだぞ!
  それだけじゃない、どこから電話しているか判る仕組みになってるんだ!

  フハハハハハ! 張ったりはやめなよ、統合失調野郎!

  クッ、よぅし、それならキサマがどこから電話をかけているか調べてやる!

  どうぞどうぞ、気のすむまで調べなよ、クソ野郎、フハハハハハ・・・。

  それだけじゃない、この電話は脅迫の立派な証拠として警察へ提出する!

  警察? フハハハハハ、ムダだよ、ガチャ、ツー、ツー、ツー・・・・

相手は一方的に電話を切ってしまった。

それにしてもフザけた野郎だ。
私は腹立たしくなるのを抑えながら記録された相手の電話番号を確認しようとした、ところが『非通知』のためか相手の番号が解らない。
そこで私はこの一件を調べてももらうため取りあえず電話会社へと向かった。

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