小説『自称一般人』
作者:jack()

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Side晴雨


あー怠い。

怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い怠い

〜しばらくお待ちください〜













授業が終わって昼休みになったので、購買へ昼飯を買いに行って、自販機で買ったブラックコーヒを飲みながら教室へ戻る。

教室に入って俺が見たものは


「おいハゲ、コーヒー買って来い」

「なんて理不尽!!」


メイドにパシられそうなハゲ・・・準だった。

あのメイドは英雄の護衛兼メイドをしていて、英雄がいる時といない時で性格が変わる。
おそらく英雄は教室にはいない。
教室を見渡さなくても解る。


「うっせえ!さっさと買って来い!!」

「グハッ!!」


あーあ、蹴られちゃった。
まああいつはそういうキャラだからしょうがねえけど。
さすがに放っておくのも可哀想なので助け舟を出してやる。


「ブラックで良いならありますよ」

「おう。サンキュ」


メイドに俺のコーヒーを渡して、準を助けてやる。


「大丈夫か?」

「ああ、なんとかな。どうせ蹴られるんだったら幼女に蹴られたかったぜ」


・・・助けなきゃよかった。
とりあえず蹴りを入れておく。


「ウッ!!」

「雪ちゃんキ〜ック」

「ガハァ!!」


俺の蹴りを受けて声を漏らした準に、何時の間にかいた小雪の強烈な蹴りを受けて大きな声を上げる。
ちなみに俺は加減をしているが、小雪は殆どしていないと思われる。

準に制裁を加えた俺は後ろを見て、メイド・・・忍足あずみさんを見る。
普通にコーヒーを飲んでいた忍足さんだが、何かに気づいた様でこっちを見る。
すると顔がどんどん赤くなって、ついに真っ赤になった顔で教室を凄い速さで出て行った。

どうしたんだ?




・・・コーヒーもっと飲みたかったなあ。





Sideあずみ


あたいは英雄様の護衛の為に同じクラスになり、授業を一緒に受けている。
だが、あたいは既に〇〇歳なためあまり意味も無く唯怠いだけだ。

しかし、ノートをちゃんととらないとS組から落とされる可能性があるので、黒板へと視線を向ける。
黒板への間にある男の後ろ姿が見える。

柏木 晴雨

英雄様の友人で、S組には珍しくF組の奴等とも交友がある奴だ。
教卓の前の席だというのに、視線は黒板に向いておらず頬杖を付いて外を見ている。

最初は九鬼家を狙って近づいて来た奴だと思って監視をしていたが、これと言って怪しい様子は見られなかった。

あいつの背中を見ていると、一緒に日直をやった日を思い出す。



それは、ある日のことだった。


「今日は尾立が休みだから、忍足は柏木と日直をやってくれ」


何時もあたいと日直をしている尾立が休んで、柏木と日直をすることになった。
あいつと話したのは、英雄様の紹介の時だけで、交友は全くと言って良いほど無かった。
まあ、あたいは監視をしていたから奴のことは結構知っていたが・・・

英雄様が近くに居ないので、元の口調に戻して話しかける。



「日誌は頼んだぞ」

「・・・ああ、わかりました」


メイドの時の話し方しか聞いてなかったからか、あいつは少し驚いた顔をしてから何時も通りに返事をした。

その日は、日直関連で話すことが多かったが、あいつは少しも怯えた表情を見せずにいた。
あたいが英雄様の護衛であることは、おそらく全員が知っている。
だから、ほとんどの奴がビビッて話しかけて来ない。
そのあたいが、こんな口調で話しているのにも係わらずやつは、他のやつと話している口調と変わらない。
そのことに疑問を抱えたまま、放課後まで過ごした。

放課後

普段ならもう帰っているが、日直の仕事が残っているため、英雄様は従者部隊を呼んで、先に帰ってもらった。

今は教室にあたいとあいつの二人だけだ。
他の奴が居る所では聞き辛かったので、思い切って聞いてみた。

奴は窓を閉める手を止めずに、さも当たり前の様な顔をしてこう返してきた。


「最初は驚きましたけど、忍足さんは忍足さんですよ。
その口調も含めて忍足さんなんでしょ?」


格好付けずに言われたその言葉は、あたいの心にストンと落ちてきた。
もしかしたら、あたいはこの人格のことを正面から受け入れて欲しかったんだと思う。
その時、窓を閉めているあいつの背中がとても大きく見えた。



それからというもの、あいつを見ると勝手に目で追ってしまうし、耳は、あいつの言葉を聞こうとしてしまう。
今も現に、あいつの背中から目が離せない。

そんなことを考えている内に、授業が終わった。
喉が渇いているので、ハゲをパシらせる。

そしたら、ハゲは「理不尽!!」と返してきたので、自分が理不尽なのは重々承知しているが、腹が立ったので、蹴る。


「ブラックで良いならありますよ」


そんな声が後ろから聞こえてきて、振り向いたら、コーヒーを持ったあいつが居た。
せっかくなので、普通に礼を言ってから飲む。

ハゲが蹴られているのを聞きながら、コーヒーを飲む。
すると、中身が無くなってしまった。
何時もよりも中身が少ない気がする。
此処で一つ、疑問が浮かんだ。
あれ?コーヒーの蓋開けたっけ?
まさか!そう思いながら、あいつの方を向く。
ハゲが気絶していたが、どうでもいい。
あたいが目にしたのは、あいつの唇。
自分の顔が赤くなっているのがわかる。

気づいたら教室から全速力で跳び出していた。

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