小説『自称一般人』
作者:jack()

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親父の発言から1週間が経った。
結論から言うとこの家に住人が増えた。
あの人たちは衣食住が揃ってる家に住めるだけで満足らしい。
その代わりに此処に住むにあたって条件が出た。

少女以外の四人は職を付けること。

あの人たちの修行の基礎の担当が親父になること。

これだけだ。
親父の基礎練を受けることは地獄を見ることと大差が無いことを五人は知らないので、快く承諾していた。
俺は心の中で五人に合掌した。

AM 6:00


起きた俺が居間へ行くと既に先客がいた。


「晴雨。相変わらず早いねぇ」

「おはよう。晴雨」


居間に来た俺に声をかけたのは、親父と板垣亜巳さんだ。
亜巳さんはSだが、面倒見がいい人だ。
しかも常識人なので色々と助かる。
その性格を生かしてSMクラブで女王様をやっていて、偉い人たちが沢山来るらしい。
・・・日本の将来が心配だ。

二人に挨拶をしてから、洗面所へ行って顔を洗い、朝飯を食べる。
朝飯を食べている間に一人の男性が来た。
その男性は板垣竜兵さんで、BLだ。
だが、そこを除けば漢らしく、面倒見のいい人である。
何でも屋をやってるらしい。
そのせいで収入にばらつきがあるが・・・

AM 7:30


制服に着替えた俺は、寝過ごしそうな二人を起こしに行く。
部屋のドアを開けてそいつを見ると


「…ゲーム…むにゃむにゃ」


布団に包まりまがら寝言を言っていた。
俺は容赦なく布団から引き剥がす。


「もう朝かよ〜」

「その通りだ。さっさと顔を洗ってこい」


こいつは板垣天使。
名前を呼ばれることを嫌う。
だから俺たちは、天って呼んでいる。
寝言で言ってた通り、こいつはゲームが大好きで、夜遅くまでやっているからこうして寝すぎてしまうこともある。
今は中学3年生だ。

天を起こした後にもう一人の人物の部屋に入る。
天と同じ様に布団から引き剥がそうとしたが、布団にくっ付いて離れない。
しょうがないので耳元で名前を呼んで起こす。


「辰子さん。朝ですよ」


「晴雨君〜」


すると、寝たまま布団を離して抱き着いてきた。

この人は板垣辰子さん。
寝るのが大好きな人で特に朝は睡眠が深い。
なので、朝は亜巳さんしか起こせない。
食事当番の日はちゃんと起きるんだがな。
ちなみに食事当番は、俺と親父と亜巳さんもだ。
職業は警備員をしているらしい。
この人が真面目に仕事をしている姿を想像できないのは俺だけだろうか・・・

この人は、マイペースな性格で、何を考えているか全く解らない。
初日から何故か懐かれているが、本人によると『暖かい』とのことらしい。
意味が分からん

まだ寝ている辰子さんを背負って、居間へ行くと既に釈迦堂さんが起きていた。


「お早うございます。釈迦堂さん」

「おう」


釈迦堂さんは新聞を見ながら簡単に挨拶を返してくる。
この人のフルネームは釈迦堂刑部。
昔は政府の諜報員だったらしいが、今は梅屋で働いている。
この人は元・川神院師範代だったらしいが、破門されたそうだ。
どうせ精神面の問題だろう、戦闘大好きだし。
その後、板垣家の素質を見抜き、3人の師匠をやっている。

こんな感じで新しく住民が増え、少し騒がしくなった。
でも、こんな日々も悪くないと思う。
このまま、目立たずのんびり過ごしたいなぁ。


あれ?これってフラグじゃね?

-8-
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