小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

◎斗士たち

 左派勢力も、議会制民主主義を「ブルジョア議会」と批判し打倒を目指す「反議会主義」(選挙では主に棄権を呼びかける)から、「議会とは演説を通じてブルジョアジーの欺瞞を暴露し、労働者の直接行動を煽動する場」と位置づけ独自候補を立てる「革命的議会主義」まで、様々な立場がある。

 「議会を通じた平和革命」を標榜する日本社会党から分裂した党派や、いわゆる「市民派」は結成当初から選挙を積極的に活用し、議会内での多数派形成を目指している。なお、日本共産党は「議会活動と市民運動は車の両輪」とする「人民的議会主義」を採っている。

○日本労働党

 「日本共産党(左派)」(毛沢東主義&親アルバニア系。「劇団はぐるま座」などの母体。「人民の星」「長周新聞」等を発行。山口県を中心に活動し、下関市に系列市議が存在。「反米愛国」を標榜し、全国各地で「原爆展」を開催)から分裂し、佐賀を中心とする九州で形成された「日本共産党革命的左派」と、神奈川で形成されていた「日本共産党革命左派」の反主流派(主流派は「京浜安保共闘」を経て、塩見孝也らも所属した「共産主義者同盟赤軍派」の一部と「連合赤軍」を結成)が合併し、「日本労働党」となる。

 かつては毛沢東の「鉄砲政権論」に基づき、あからさまに暴力を肯定するような言動も目立ったが、現在はソフト化している。国政では中選挙区制時代に頻繁に候補者を立てていたが、現在は社民党の支援を中心とする活動となっている。社公民路線を肯定しており、社共共闘路線を目指していた共産党を「野党共闘の破壊者」と非難していた。

 地方選挙では結党以来の地盤である神奈川・福岡両県の知事選や横浜市長選等で候補者を立てており、共産党公認・推薦候補に迫る票を獲得している。また、関東や九州を中心に地方議員も多い(但し労働党公認ではなく無所属。「あらかわ元気クラブ」、「杉並わくわく会議」など)。さらに、「自主・平和・民主のための広範な国民連合」(旧「左翼連合」)を結成し、野党共闘の要となることを目指している。

 余談ではあるが、かつて「日本労働者党」という党派もあり、こちらも毛沢東主義系であった。労働者党は後に同じく毛沢東主義派の「建党同盟」と合併し、「労働者社会主義同盟」となっている。

-12-
Copyright ©しょむ研 水野松太朗 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える