小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

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○世界浄霊会

 浄霊医術普及会(「世界救世教(MOA)」を源流とする「手かざし」系宗教団体)が母体。「浄霊」(手かざし)の医療保険適用などを訴えた。支持率は低く、比例区出馬の全政党で最下位が定位置だった。

○真理党

 阿含宗から分裂した、チベット仏教系新興宗教「オウム真理教」(現「ALEPH」。横浜弁護士一家殺害事件や地下鉄・松本サリン事件、信徒焼殺事件などに関与)が母体。1990年衆院選で全国各地に候補者を多数擁立し、代表松本智津夫(麻原彰晃)の面や象のかぶり物などを身につけた信者が「彰晃マーチ」に合わせ派手に踊るパフォーマンスが話題となった。結果は大惨敗、松本は「落選は真理党当選の妨害を目的とする国家権力の票数操作による」と主張。

 選挙出馬前、教団による信者の全財産没収や悪徳商法、脱会妨害等の問題を追及していた横浜法律事務所所属の弁護士とその家族を「出馬の邪魔になる」と殺害していたが、全員落選という結果、更に暴力的な権力奪取を志向するようになり、益々凶暴化することとなった。

○新しい時代をつくる党、女性党

 1989年設立の「生活研究会」を母体に、1993年「新しい時代をつくる党」(新時代党)として結党。アイスター(アイレディース化粧品、アイレディース宮殿黒川温泉ホテルなど)と、アイスター経営者が教主の宗教組織「和豊帯の会」(一部で創価学会から分裂との報道も)とを母体とする企業系・宗教系政党である。

 政策は「主婦感覚の政治」「議員の半分を女性にする」「永久平和」など。年金改革や少子化対策も訴える。フェミニズムやウーマンリブなどの女性解放運動とは全く関係無い。女性党に改称後は、得票は現職議員を輩出していた一部政党を抜き、あと一歩で当選者が出るところまで行くなど健闘している。

 街頭演説と政見放送の文面が全く同じことや、2007年参院選での公約「トリプルファイブ」(幼稚園児・小学生・中学生のいる家庭にそれぞれ5万円・10万円・15万円を毎月支給するというもの)、そしてファナティックな演説の様子などが話題となった。その一方、「黒川温泉ホテル」でハンセン病が既に完治している元患者を「迷惑である」と宿泊を拒否した事件や、アイスターのマルチ商法的な販売方法などもあり、批判も相次いでいる。

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