小説『泡沫候補っていうな!』
作者:しょむ研 水野松太朗(しょむ系政治勢力研究会)

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○青年自由党

 中村功(東日本ハウス創立者、「けんじワールド」「銀河高原ビール」「大江戸温泉物語」なども経営)らにより設立。保守・右派系の政治家養成を目的とする勉強会「漁火会」が母体。漁火会は設立当初「青年会議所(JC)、松下政経塾に並ぶ政治家養成組織」として「JNN報道特集」(TBS系)などで取り上げられた。
 95年参院選より本格的に選挙へ出馬。「偉人伝教育」(歴史教育は物語性を重視し、偉人伝で行なう)、「緑のPKO」(環境関係など、非軍事面でも自衛隊を積極的に海外派兵)など、政策は自民党右派の主張を概ね踏襲するものだった。しかし全員落選。

 その後、東日本ハウスがスポンサーとなった映画「プライド・運命の瞬間」「ムルデカ17805」の興行失敗により財政が逼迫、次第に活動が先細っていく。現在は党機関紙だった「漁火新聞」が、「経営者漁火会」機関紙として細々発行される程度である。党員の多くは自民党や維新政党・新風に移籍している模様。

 功の長男、中村力は1993年衆院選に無所属で当選。院内会派「自民党・自由国民会議」所属。96年以降自民党の公認・推薦候補として数回国政選挙に出馬するが、いずれも落選している。他の党員では、中武賢臣(青年部長、政党「サムライ」メンバーとして都知事候補宮崎喜文を支援)は「維新政党・新風」青年部長に就任し、参院選出馬、落選。佐藤克男は離党後、北海道森町長選に出馬、当選。鈴木尚之(元鉄道労組書記長、後に西村真悟事務所顧問・「新しい歴史教科書をつくる会」事務局長)は西村の非弁行為の証拠隠滅を図り逮捕。木村岳雄(予備自衛官)は「救う会」地方組織理事として拉致問題関係の活動をしていたが、「建国義勇軍」「国賊征伐隊(朝鮮征伐隊)」(「刀剣友の会」関連組織で、西村真悟を名誉顧問とする「日本人の会」が母体)による発砲・脅迫・放火事件に関わり逮捕されている。

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