小説『真・恋姫†無双〜外史の守り手〜』
作者:ブリッジ()

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第9話〜甘いおやつ、蕾達のおやつ〜















昴side

茉「これで・・・どうですか?」

昴「・・うん、これで問題ないな」

今茉里の政務の手伝いをしている。是非にと頼まれたからだ。まぁ暇だったしな。それにしても茉里は喋り方こそスローテンポだが仕事は早い。書簡を纏める手が普段の茉里からは考えられないくらいに早い。

茉「終わり・・・ました」

昴「お疲れ様」

終わったみたいだな。

昴「よく頑張ったな」

頭を撫でてあげた。

茉「〜〜えへへ//」

茉里は嬉しそうだ。

昴「それじゃ俺はもう行くな」

茉「はい・・・ありがとう・・・ございます」

昴「待たな」

俺は茉里の部屋を後にした。





















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※※※※


城の通路を歩いていると・・。

昴「・・(グゥ〜)」

腹減ったな、そういやもう昼飯時か。今日は何にしようか・・・・・・・ん? 何かうまそうな匂いがしてきた。これは・・・・中庭か? 匂いの元をたどってみると・・。

季「モグモグ」

季衣が中庭で串団子を食べていた。

昴「よう季衣、食後のおやつか?」

季「にゃ? あ、兄ちゃん。ごはんはまだだよー」

昴「大量に団子があるようだが?」

季「そりゃあるけど、むぐむぐ」

昴「じゃあ、団子が昼飯か?」

季「そんなわけないじゃん。お団子はお団子だよー。兄ちゃんも食べる?」

昴「いいのか?」

季「たくさんあるからいいよ」

昴「なら遠慮なく」

季「はいはーい。どうぞー」

季衣に団子を1本貰い1口食べてみた。

昴「おう、なかなか上手いな!」

季「でしょー?(ぱくっ)」

昴「しかしな? そんなに団子食べて昼飯は大丈夫なのか?」

季「このくらいで入らなくなるわけないじゃん。兄ちゃんだって知ってるでしょ?」

昴「あぁ、そういや・・」

そうだ、以前に季衣を食事に誘った時、その小さな身体からは想像出来ないくらいに大量に食べていた。しかも奢るって言っちまったもんだから財布が大打撃を受けたのは記憶に新しい。

季「今日は春蘭様と秋蘭様の3人でお昼食べに行くことになってるからさー」

昴「へぇー、そうなのか」

季「おなかが空きすぎてももたないからこうやってちょっとねー」

昴「なるほど」

あれで・・・ちょっとね。

昴「俺も一緒していいか?」

季「いいよー。ごはんは皆で食べたほうが美味しいからね!(ぱくっ)」

また1本の団子を食べる。あぁもう口元に団子のタレが付いちゃったよ。

昴「ほら季衣、口元汚れてるぞ」

季「ん?」

俺は季衣の口元のタレを指ですくうとそのまま自分口に運んだ。

季「に、兄ちゃん!?」

季衣が後ろへのけ反った。

季「兄ちゃん・・大胆だよ・・・」

ん? 季衣の奴、どうして・・・あぁなるほど。季衣だって女の子だもんな。軽率だったな。

昴「悪い悪い。少しやりすぎたな」

季「別に・・・いいけど(ボソッ)」

昴「何か言ったか?」

季「な、何でもないよ!」

季衣の奴どうしたんだ?顔も赤いし・・・まぁいいか。おっ春蘭に秋蘭、来たな。

秋「季衣、待たせたな」

春「誰かと思えば昴ではないか、私と勝負しろ!」

昴「こらこら、これから季衣と食事に行くんだろ?」

春「むっ、そうだったな」

昴「飯の後に腹ごなしに1勝負といこうぜ」

春「よーし言ったな! 次は勝たせてもらうぞ!」

昴「のぞむところだ」

秋「ところで、どうしたんだ季衣? 様子が変だが?」

季「な、何でもないですよー、秋蘭様」

と、一瞬チラッと俺の方を見てあわてて否定した。

秋「まったく、お前という奴は・・」

今度は秋蘭が俺の方をチラッと見てボソッと呟いた。いやちょっとデリカシーに欠けてたとは思うけど・・。

春「? どうしたのだ?」

秋「何でもないさ。それでは行くか」

春「うむ、そうだな」

季「行きましょうー!」

昴「ご一緒させてもらうぜ」

そのまま4人で街に繰り出し食事に向かった。この日は今話題になっているという餃子を食べた。いや〜うまかったな。ちなみに食後の春蘭との勝負だが、1勝負ではなく、結局5本勝負となった。結果は俺の5連勝。相変わらず挑発に弱い。冷静な春蘭ならそれなりにいい勝負になるんだがな。だがまぁ確実に進歩はしているけどね。




















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※※※※


数日後

昴「〜〜♪」

今俺は城の厨房を借りてお菓子作りををしている。実は料理とお菓子作りは俺の趣味の1つだったりする。そして今俺が作ってるのはクッキーだ。材料が1部別の物を変わりに使用したが大体の材料は集まりそうだったので試しに作ってみることにした。

昴「ふんふふん♪ ふふん♪ ふんふふん♪ ふふん♪ ふふふふふふ〜ん♪」

順調にクッキーは焼き上がっていく。

昴「炙って、炙って、炙って、たくさん上手に焼けました〜♪」

よーし完成だ。さてお味は・・・うん、砂糖だけはどうにもならかったので別の物を変わりに使ったが悪くないな。逆にカロリーオフでいいかもしれない。

昴「とりあえずこのクッキーは・・・茉里に持っていってあげよう」

時間的にもそろそろ小腹が空いているだろうしな。運ぶ準備をしていると・・。

季「何かいいにおいがする〜」

昴「あぁ、季衣か」

季「兄ちゃん、それ何?すごく美味しそう!」

昴「これはクッキーといってな。甘いお菓子だ」

季「茎? よく分かんないけど美味しそう〜」

昴「これから茉里のところに持って行くんだ。いっぱいあるから季衣も食べるか?」

季「うん、食べたい!」

昴「よし、それじゃ一緒に行こう」

季「うん!」

俺は焼いたクッキーを皿に並べると季衣と茉里の部屋に向かった。





















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※※※※


茉里side

茉「ふぅ」

ようやく政務に・・・一段落つきました。相変わらず・・・仕事の量は・・・多いです。この量を今まで・・1人こなしていた・・桂花さんはすごいです。

茉「ん〜!」

椅子にもたれ掛かり大きく伸びをしていると。

昴「茉里、今大丈夫か?」

センセの声だ。

茉「大丈夫です・・・どうぞ」

昴「邪魔するぜ」

季「入るよ〜!」

センセが・・入ってきた。季衣ちゃんも・・・一緒だ。

昴「仕事中だったか?」

茉「ちょうど・・一段落つきました」

昴「ならよかった」

センセ・・・何か持ってる。いいにおいがする。

昴「頭ばかり使って疲れたろ? これでも食べて少し休憩しないか?」

茉「? ・・それは?」

昴「これはクッキーと言ってな、甘い甘いお菓子だ」

茉「甘い・・お菓子」

美味しそう。

季「兄ちゃん〜、早く食べようよ〜」

昴「分かった分かった、慌てなくてもお菓子は逃げないから」

そういって卓に皿を並べた。

昴「さっ、召し上がれ」

茉「いただきます(ぱくっ)」

季「いただきまーす!(ぱくっ)」

1つ摘まんで食べてみる。

茉「・・・」

季「・・・」

昴「ど、どうだ?」

茉「おいしい」

季「おいしーい!」

本当においしい。柔らかくて・・・口の中に甘さが広がっていく。

季「こんなお菓子初めてだよー!」

昴「それはなによりだ」

センセは笑顔でそう答えた。

いっぱいあったけどすぐになくなってしまった。

季「美味しかったー!」

茉「ごちそうさまでした」

昴「お粗末様」

季「また食べたいなー」

昴「また作ってあげるよ。今度は華琳や春蘭達も一緒に食べような」

季「うん!」

茉「はい」

季「兄ちゃんが本当に兄ちゃんだったらよかったなー」

昴「ははっ、それだと毎日食事は大変そうだ」

季「ぶぅ〜、僕そんなに食べてばかりじゃないよー」

昴「そうかー?」

季「兄ちゃんひどいよー」

昴「ははっ、冗談だよ」

季「もう」

茉「ふふっ。」

センセがお兄ちゃん・・・毎日楽しそうだな。

昴「2人供大事な妹みたいなものだよ」

センセは私と季衣ちゃんの頭を撫でてくれた。

季「えへへー//」

茉「うにゅう//」

ナデナデ気持ちいい//

昴「さてと、季衣、茉里もそろそろ政務に戻らないと行けないだろうからそろそろお暇するよ」

季「うん、分かったよ!」

昴「それじゃ、邪魔したな」

茉「今日は・・・ありがとうございました。お菓子・・・美味しかったです」

昴「ありがとな。それじゃ、またな!」

季「茉里ちゃん、またね!」

茉「またね」

センセと季衣ちゃんは部屋を出ていった。

茉「ふぅ」

お菓子・・・美味しかったな。

茉「ふふっ」

センセはすごい。武術も・・・知識も・・・お料理もすごい。それに・・・すごく優しい。良いことしたら・・・褒めてくれる。頭撫でてくれる。

茉「・・センセ」

センセは劉備さんと・・・一緒に乱世を歩むつもり。それに黄巾の賊を・・・退治したらここからいなくなっちゃう。

茉「・・・嫌。行っちゃ嫌」

センセ、ずっと・・一緒にいてほしい。一緒に華琳様を・・支えてほしい。ずっと頭を撫でてほしい。センセ・・・・・・・・・・・・・。

















大好き。


















茉里は1人昴を想い心の慟哭を吐露した。






続く


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