小説『真・恋姫†無双〜外史の守り手〜』
作者:ブリッジ()

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第36話〜虎牢関の戦い、立ちはだかる飛将軍〜















水関の制圧作業も終わり、虎牢関へと進軍した連合軍。一応その前に軍議をしたが、決まったことは軍の配置場所と・・・・作戦とは名ばかりの・・作戦だ。俺達劉備軍の配置は後曲となった。どうやら華雄を討ち取り、活躍したことが総大将である袁紹がお気に召さなかったみたいだ。似たような理由で孫策軍も同じ後曲になった。劉備軍と孫策軍の後ろに袁術の軍が控えている。前曲は袁紹軍と曹操軍が務めている、といった具合だ。そしていざ開戦し、虎牢関突破に向けて、攻撃が開始されたんだが・・。

昴「・・誰か戦況の説明を」

朱「はい。現在、袁紹さん軍と曹操さんの軍が虎牢関への攻撃を開始しました。しかし、袁紹さんが無策で力攻めを繰り返すばかりで一向に進展がなく、曹操さんも袁紹さんが城門の前を陣取って攻め立てているため、攻め手を欠いています」

昴「全く、早々に水関を落とした意味合いがなくなっちまうな・・」

あれじゃ時間も掛かるし被害も出ちまう。

星「そのとおりですな。あのままでは袁紹の軍はかなりの被害を受け、董卓軍の士気は再び高まってしまう」

桃「私達の力で何とか出来ないかな〜?」

雛「今は静観かと。迂濶に動けばより混乱を招くだけですから」

愛「前曲の袁紹といい、水関でも虎牢関でも後ろで静観している袁術といい、袁家の者はどうしてこう・・」

鈴「にゃはは〜、2人とも馬鹿だから仕方ないのだ」

昴「はぁ、・・・先が思いやられ・・・ん?」

まてよ、混乱・・袁姉妹・・・孫策・・曹操・・・ん〜、試してみるか・・。

昴「この状況を一気に変えちまおう」

朱「何か策でもおありですか?」

昴「ああ。ただ俺達だけじゃ無理だ。他の諸候にも協力してもらう」

愛「しかし、他の諸候がご主人様の策に協力するでしょうか?」

昴「心配いらない。協力せざるを得ない状況を作り出すから。・・・それじゃ、交渉してくる」

愛「ご、ご主人様!?」

俺は自陣を飛び出した。
















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※※※※


雪蓮side

水関制圧後の軍議で私達孫家の隊は後曲に配置換えとなり、今虎牢関を袁紹と曹操が攻めている。

雪「はぁ・・」

冥「どうしたの、雪蓮?」

雪「本当に退屈ね〜」

冥「我々は後曲だからな」

穏「初戦で私達と劉備さんが大活躍しましたから、袁紹さんも大方焦ってるのかもしれませんねぇ」

雪「ま、ちょうど良いと言えばちょうど良いのかもね。斥候の話じゃ、虎牢関には飛将軍呂布が居るってことだし」

明「はっ。虎牢関に籠るのは飛将軍呂布。そして先の戦で虎牢関に撤退した張遼という話です」

思「両方とも国中に名を轟かす良将にして猛将です。・・・苦戦は必死かと・・」

冥「ふむ。袁紹と曹操がどうやって虎牢関を落とすか。見物だな」

雪「・・・つまんないわね」

思「如何なさいましたか?」

雪「袁術ちゃんよ。あいつ、まだ動いてないでしょ」

冥「そうだな。袁紹を上手く操っているんだろう。・・・確かに面白くはない」

穏「袁術さんの部隊が無傷っていうの、後々のことを考えれば厄介かもしれませんねぇ」

思「しかし、袁術の隊は我らの更に後方。袁術が袁紹を巧みに操っている今、そう簡単には・・」

冥「動かない。そうだな。袁術に動く道理などないからな」

穏「はぁ〜、どうしましょうか〜・・」

孫家の今後のため、袁術ちゃんをどうにかしたい。私達が頭を悩ませていると・・・。

「申し上げます。孫策様にお目通り願いたい者が参りました」

冥「この戦時にか? 一体誰が・・」

「それが、劉備軍の御剣昴殿です」

冥「昴が?」

穏「一体何の用なんでしょ〜?」

雪「・・・」

昴がこの非常時に用も無しに他国の陣に来るわけがない。・・・これは何かあるわね。

雪「良いわ。連れてきてちょうだい」

冥「雪蓮、良いのか?」

雪「構わないわ。戦闘状態ではないのだし。・・・それに、昴なら何かいい考えがあるかもしれないわ」

冥「全く雪蓮は・・・今すぐここに通せ」

「はっ!」

兵が戻っていった。

さて、昴は何の用なのかしら。ふふっ、楽しみね。















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昴side

「どうぞ、こちらへ」

おっ、戦闘状態ではないとはいえ、開戦途中だから無理かなって思ったら以外にすんなりいったな。

昴「ありがとう」

兵の後についていくと、そこには見知った顔が勢揃いしていた。

昴「よう雪蓮。それに皆、久しぶりだな」

雪「久しぶりね。昴」

穏「お久しぶりです〜」

明「お久しぶりです! 昴様!」

冥「私は軍議で会ったがな」

祭「久しいのぉ」

つい最近まで共にしていたのにもう懐かしいな。

思「・・今は開戦中だ。相変わらず非常識な奴だな」

昴「ははっ」

手厳しいな。思春。

祭「頬が緩んどるぞ? 思春よ」

思「//祭殿! 何を仰って・・!」

相変わらずだな。

雪「・・それで、わざわざ私達の陣にまで何の用かしら?」

昴「そうだな。雪蓮。今のこの状況。どう見る?」

雪「どうもこうも・・見ての通りでしょ?」

昴「どうにか打開しないか?」

冥「何か策があるのか?」

昴「まあ、な」

雪「ふーん。でも・・あなたの策、私達がのることに利はあるのかしら?」

昴「当然あるさ」

雪「ふーん・・」

昴「・・・」

やはり簡単にはのらないか。俺を信用出来る出来ないの問題じゃない。簡単に食いつけば主導権を相手に渡すことになる。ま、この辺は王として当たり前か。

昴「孫家は水関でその名を上げた。が、しかし、もう1つどうにかしておきたい問題があるだろ?」

雪「気になるわね、一体何かしら?」

雪蓮は笑みを浮かべながら訪ねる。

昴「袁術」

雪「・・・」

昴「連合が組まれ、未だに袁術は被害を受けてない。後々のことを考えれば、袁術が無傷で終わるのは孫家にとっては困るんじゃないのか?」

雪「・・・ふふっ、そうね」

昴「どうだ? のらないか?」

雪「・・・」

場に沈黙が走る。

雪「・・・あぁ〜もうやめやめ! 昴と腹の探りあいしてもしょうがないわ」

昴「雪蓮?」

雪「私達はなりふり構っていられない。いいわ。あなたの策にのりましょう。皆もいいわね」

冥「雪蓮がそう決めたのなら私は構わない」

祭「儂も構わぬ」

残りの皆も同様だった。

昴「助かるよ。それだ策だが・・・、まあ、実際は大したものじゃない。とりあえず孫策隊には虎牢関への攻撃に参加してもらいたい」

祭「この状況下でか?」

明「はうあ! 戦場はますます混乱してしまいます!」

昴「それでひとしきり戦闘をしたら敗走したふりをして後方に下がってほしい」

雪「なるほどね」

雪蓮は策の意図に気付いたか。

冥「話は分かった。が、しかし、この策には問題点が2つある。第1に、この策を実行するためには袁紹軍と曹操軍との連携が必須だということ。第2に、呂布や張遼がこれに食いつかなければ意味を成さないということ。呂布も張遼も有利である関を捨て、飛び出すほど愚かではないぞ?」

もっともな質問だな。

昴「第1の問題については心配いらない。まず曹操だが、袁紹が考えなしに城門に攻め立ててるせいで被害こそ受けてないが手を打てないでいる。そこに孫策軍が乱入すれば即座にその意図に気づき、連携してくれる。袁紹軍も孫策軍と曹操軍が下がれば自分達が殿を務めなくちゃならなくなるから必然的に一緒に下がる。これで最初の問題点はいいな?」

冥「ああ」

昴「第2の問題点だが、これも問題ない。呂布と張遼は必ず出陣する」

冥「何故そう言い切れる」

昴「いくら籠城しようと援軍は来ないんだ。関を盾にしてもいつまでももたないだろ。なら、士気が下がりきらない内に連合軍に痛手を与えられば悠々と逃げることが出来る」

冥「いくら何でもそんなことあるわけが・・」

昴「ある。冥琳ならそんな策は取らないだろうが、呂布は飛将軍と呼ばれ、張遼は驍将と讃えられる武人だ。1度2人に会った時の印象通りなら必ず出陣する」

冥「・・むう」

賛同出来ないか。軍師だけに利にかなわないことには賛同出来ないか。

昴「雪蓮。もし雪蓮が今の呂布や張遼と同じ立場ならどういった行動を取る?」

雪「・・私なら今昴が言った行動を取るでしょうね」

昴「軍師には軍師の真理があるように、武人には武人の真理があるってことだ」

冥「ふむ・・・、分かった。全て納得したわけではないけれど、今は昴を信じよう」

昴「助かるよ」

雪「それで、あなた達劉備の軍はどうするの?」

昴「俺達は呂布と張遼の隊が袁術の軍にぶつかって混乱した時を狙って呂布か張遼を討ち取る予定だ」

雪「あ〜ずる〜い!」

昴「ま、そこは早い者勝ちな?」

雪「むぅ」

昴「じゃあ手筈通りに頼む。こっちも可能な限り援護する。それじゃ、また後で」

雪「ふふっ、任せなさい」

俺は孫策の陣を後にした。
















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昴「ただいま」

桃「あ、おかえり!」

朱「おかえりなさいませ。どうでしたか?」

昴「交渉成立だ」

愛「それで、ご主人様は一体どのような策を取られるのですか?」

昴「今説明する。とりあえず全体の流れは―――」













・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・


昴「と、こんな感じだ」

星「なるほど」

愛「分かりました」

鈴「分かったのだ!」

昴「後は袁術の陣に敵方が雪崩込んだ時だけど。呂布だけは、愛紗、鈴々、星の3人で当たってくれ」

愛「3人で、ですか・・」

星「それは些か卑怯では・・」

鈴「う〜、正々堂々戦いたいのだ!」

昴「駄目だ。これだけは従ってもらうよ。もし聞けないなら呂布とは俺が戦う」

愛「そ、それは!?」

星「・・分かりました」

鈴「・・分かったのだ」

3人供納得いかないみたいだが、これだけは譲れない。

昴「ん? 孫策の軍が動き出したな。皆持ち場についてくれ」

皆「了解(なのだ)!」

愛紗、鈴々、星の3人が劉備の前線へと向かった。

昴「ふう」

朱「お疲れ様です」

雛「鈴々ちゃん達、残念そう・・」

朱「仕方ないよ。万が一のことがあったらいけないし」

桃「念には念を入れなくちゃね!」

昴「そうじゃない」

桃「えっ?」

昴「念には念をとかそういうのじゃない。3人がかりでも呂布に勝てないかもしれない」

朱「そんな・・」

桃「だ、大丈夫。愛紗ちゃん達、すっごく強いんだから」

昴「だといいけどな」

万が一の時は俺が・・・。

















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曹操軍side

華「さすが虎牢関と言うべきか。すぐには落とせそうに無いわね」

秋「守備についている将が飛将軍呂布に水関から退却した張遼がいますからね」

桂「無理に攻めても被害が大きくなるだけかと・・」

華「虎牢関から引っ張りだすのが上策、か・・」

桂「しかし、その策を実行する場合、袁紹軍が連携を取ってくれないと意味がないでしょう」

華「あの馬鹿は攻めることしか頭に無いようね。・・迷惑だわ」

春「御意。城門の前に陣取り、めったやたらに攻め立てているようですが・・邪魔ですなぁ」

華「砦からの攻撃を一身に受けてくれているから、楽と言えば楽だけど・・これではラチが明かないわね」

桂「何か、この状況を変える一石があれば良いのですが・・」

「申し上げます! 後方より砂塵! 旗印には孫一文字!」

春「孫策の部隊だと? 奴ら、後方で待機していたはずでは無いのか」

秋「何をしにきた?」

桂「あの勢いから見るに、こちらの戦場に乱入するつもりじゃないかしら」

春「乱入だと? ただでさえ袁紹の動きが邪魔だというのに面倒な」

華「乱入、か。なるほどね」

秋「華琳様は孫策の考えがお分かりで?」

華「ある程度はね。孫策が今、排除したがっている人間は誰?」

桂「それは袁術でしょう。・・あ」

華「そういうことよ。我らはこの一石に乗じましょう。春蘭、秋蘭。孫策の動きに合わせ、敗走するフリをしながら後退する。準備をしておきなさい」

秋「なるほど。孫策の意図はそこにありますか。了解しました」

春「えっ? えっ? どういうことだ?」

秋「後で説明してやる。今はすぐに軍を動かすぞ」

春「わ、分かった」















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孫策軍side

思「前方、城攻めの部隊に動きあり! 曹の牙門旗が道を開けました!」

雪「昴の言った通りになったわね。さすが曹操。こっちの思惑、見事に見透かされているわね」

冥「そのようね。曹孟徳、恐ろしい奴だ。・・・そしてこの展開を予見した御剣昴も」

雪「今は好都合よ。・・突っ込むわよ、冥琳!」

冥「分かった。・・皆、遅れるな!」

「「「「了解!」」」」

雪「では行く!皆の者、我が旗に続けぇーーーーーっ!」

「「「応ーー!」」」















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董卓軍side

「敵前線は混乱の様相を呈しております! 叩くなら今が好機かと!」

恋「・・行く」

張遼「・・せやな」

ね「しかしですなぁ・・」

張遼「分かっとる。連合側に何かしらの狙いがあるんやろ。けどな、援軍もけーへんのにこのまま籠っててもしゃーないやろ? それならいっそ、このまま外に出て戦った方がええやろ。もしかしたら逃げれるかもしれんしな」

ね「むむっ、それもそうですな。呂布将軍ご出陣! 深紅の呂旗をあげますぞー!」

張遼「ウチも出るでー! 紺碧の張旗を盛大にあげてやー!」

「「「「応っ!」」」」















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昴side

昴「・・よし」

手筈通り、雪蓮の軍が前線に出て、前線は混乱した。その後、呂布と張遼が虎牢関から出陣し、雪蓮の軍と華琳軍が敗走したフリをして後退し、殿を嫌った袁紹の軍も同じく後退した。そしてそのまま呂布の軍は袁術の軍に食い込み。張遼の軍は現在華琳の軍が止めている。

昴「それじゃ、俺達は袁術の救援に向かう。皆気合い入れろ!」

「「「「応っ!」」」」

相手は恋か。愛紗、鈴々、星、頼むぞ。
















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星side

私と愛紗と鈴々で先陣を切り、敵をほふりながら進んで行く。ある程度斬り込んでいくと・・・。

?「邪魔」

「がはっ!」

「ぐふっ!」

圧倒的な強さをもって戦う1人の武人を見つけた。あれが飛将軍呂布か。主の言ったことが今理解できた。呂布は我々より強い。

愛「貴様が呂布だな」

恋「そう。お前達は?」

愛「私は劉備軍が将の1人、関羽!」

鈴「鈴々は張飛なのだ!」

星「我は趙雲!」

愛「些か卑怯ではあるが主の命により、貴殿の首をいただく」

愛紗と鈴々、そして私も構えを取る。

恋「・・・相手になる」

呂布も構えを取った。

星「・・愛紗、鈴々、分かっているな?」

愛「分かっているさ」

鈴「う〜、呂布はとても強いのだ」

やはり愛紗も鈴々も感じていたか。

星「それでは、行くぞ!」

愛「応!」

鈴「合点!」

我らは呂布へと向かった。















・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・


星「はあ、はあ、ぐっ!」

愛「くっ、そ!」

鈴「うぐっ!」

我ら3人供、手持ちの武器を杖代わりかろうじて立っている。

強い・・。強すぎる。呂布がここまで強いとは。

恋「もう終わり?」

愛「くっ、まだだ! でやぁぁぁぁ!」

愛紗が力を振り絞り、呂布へと向かう。

しかし・・。

ブォン!!!

恋「・・・」

その一撃は呂布には届かない。

恋「振りが大きい。避けるの簡単。・・・ふっ!」

ガギン!!!

愛「うわ!」

愛紗の青竜刀は弾かれ、後方に飛ばされる。

鈴「愛紗! よくも、ええーーーい!」

ブォン!!!

鈴々の一撃もあっさり避けられる。

恋「軌跡が単純・・・終わり」

ガギン!!!

鈴「にゃにゃー!」

鈴々も愛紗と同じく後方に飛ばされた。

恋「最後」

星「くっ、ならば、これなら、どうだ! はいっ!はいっ!はいっーー!」

私は我が槍の突きを連写を繰り出す。

恋「・・・」

ヒュン、ヒュン、ヒュン、パシッ!

呂布は全ての突きを避け、最後の一突きを素手で槍の柄を掴み取る。

星「なっ!?」

恋「速いけど、軽い。・・・これで終わり」

そのまま呂布が私の腹に蹴りを入れた。

ドガッ!!!

星「ゲホッ!」

私はなす術もなく飛ばされる。

私も愛紗も鈴々ももはや戦う力は残されていなかった。

恋「お前達強い。けど恋の方がもっと強い」

強すぎる。3人がかりで手も足も出ないとは。

呂布が戟を構え、私に近づく。

桃香様・・・主よ。申し訳ありませぬ。私はここまでのようです。私は覚悟を決め、目を瞑る。

そして呂布が私にトドメを刺そうとしたその時・・。

ザクッ!!!

何かが刺さる音が耳に響く。目を開けると見覚えがある長剣が呂布と私の間の地に刺さっていた。

?「こうして助けるのは2度目だな、星」

星「あ、主・・」

振り返ると、そこには我らが主が立っていた。

昴「悪いが3人供俺の大事な仲間なんだ。邪魔させてもらうぞ、恋」

恋「構わない」

主は今呂布の真名を呼んだ? 顔見知りなのか?

昴「星、動けるか?」

星「か、かろうじて、動くだけなら」

昴「なら愛紗と鈴々と一緒に下がれ」

星「いやしかし!」

昴「早く!」

星「・・・分かりました」

悔しいが今の私では足手まといにしかならない。

私は愛紗達の元に向かった。

















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※※※※


昴side

間に合って良かった。心配になって来てみたら3人はやられていた。星にトドメを刺そうとした恋と星の間に村雨を投げつけ、恋を止めた。俺の言葉に星が従い。恋と対峙する。

昴「ここからは俺が相手になる。連戦だが大丈夫か?」

恋「大丈夫」

俺は地に刺さった村雨を引き抜き、構える。恋も手持ちの戟を構える。

俺と恋の戦いが始まった。











続く

-38-
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