小説『真・恋姫†無双〜外史の守り手〜』
作者:ブリッジ()

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第55話〜ねね達の復讐、その末路・・〜















音々音side

ね「ぐぬぬぬ、あの外道君主め!」

ねねなのです。今日もあの外道君主に裁きの鉄槌を降すべく挑んだのですが・・。

ね「城の真ん中に埋められたのです!」

結果は返り討ち。

ね「ご丁寧に柵と看板まで用意してたのです!」

埋めた後柵でねねを囲い、その脇に看板刺して放置したのです! 看板には“アホ”と書いてあったのです! そのあとたまたま通りかかった翠に抜いてもらったのですが、あの男はねねの事を忘れて恋殿とお茶をしてたのです! その他にも以前このような事があったのです。ねねの子分達(街の子供達)を使って復讐を企てた時・・・。


















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「たいちょー、ホントにやるのー?」

その手には水が入った桶が・・。

ね「隊長命令なのです!」

何も知らずにやってくる外道君主。

ね「今なのです!」

バシャー!!!

街の数人の子分達が一斉に屋根から水を投下。水はあの君主に・・。

ね「やったなのです!」

ぶつかる寸前にあの外道君主の姿が消えた。

ね「なんですとー! 一体どこに・・」

昴「誰を探してるんだ?」

ね「そんなもの、あの外道君主・・に・・」

背後にその外道君主が・・。

昴「(ニヤー)子供達、全員集合♪」

屋根の下の道に集められたねねと子分達。

昴「いたずらも結構だが、あれは駄目だ。他の人にかかったら大変だし、何より屋根から落ちたら大怪我するだろ? これからはもう少し安全な遊びをしなさい」

「「「はーい。(なのです)」」」

昴「分かればよろしい。・・それで、あのいたずらの発案者は誰だ?」

「「「・・・」」」

皆が黙った。皆、ねねを庇って・・。

昴「ふむ、お友達を庇うのは結構な事なんだが・・よし、分かった。ちゃんと潔く名乗り出る事ができたら許してあげよう」

・・・子分達にこれ以上疑いの目を向けさせたくないのです。ならばねねが潔く・・。

ね「ね、ねねなのです・・」

おそるおそる手を上げ、名乗り出た。

昴「・・そうか、ねね。良く名乗り出る事が出来たな。偉いぞ。・・・よし、ねね以外全員許す」

ね「なんですとー!?」

昴「ね〜ね〜。俺と向こうでO☆HA☆NA☆SHI☆しに逝こうか♪」

ね「ひぃぃぃぃー!」















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なんて事があったのです! 何があったかは思い出したくもないのです!

ね「ぬぬぬ、このままコケにされたままでは終われないのです!」

けどねねだけではあの規格外には敵わない。ちんきゅーキックに何度も何度も改良を加えて挑んだのですが結果は返り討ち(埋葬)。ちんきゅーキックに自信はあれどねねは所詮は文官。武はからっきしなのです。ねねの策を忠実に実行してくれる武官さえいれば・・。

ね「むむむ、どうすればあの外道君主に一泡・・ん?」

?「くそー。あんの野郎ー!」

ね「ふむ、あれは確か・・」

















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??side

?「くそー! あんの野郎ー!」

あいつだけは絶対許さん! あいつだけは・・・ん? いきなりなんだお前はってか? まあ質問はごもっともだな。以前に一瞬登場しただけだからな。俺は以前、都洛陽の城の門番をしてた者だ。名を胡軫という。あのボケに顔を落書きされて都の笑い者にされてしまった。

※詳しくは第30話を。

反董卓連合でのゴタゴタと顔の落書きがあまりに哀れすぎて侵入を許した罪は不問にはなったが・・。

連合の際に呂布様の隊の部隊長になり、その後は腕が多少立つため将に任命された。劉備様に降り、あのボケに復讐の機会をうかがっている内に今に至る。

胡「どうにかあのボケに・・」

あのボケどうにかシバキたい。だが、一騎討ち申し込んでも・・・・・やられる。

ならば、闇討ち仕掛けても・・・・・確実に気付かれる。相手は呂布様に勝っちまう化け物だ。正攻法じゃ返り討ちだ。俺に策を授けてくれる軍師がいれば・・。

胡「くそー、どうにか・・・ん?」

ね「・・・」
















その時、音々音と胡軫が出会った。














ね「む、お前は・・・落書き殿!」

胡「胡軫です!#」

元部下の名ぐらい覚えていて下さい。

ね「想いはねねと同じようですな」

胡「もちろんですよ! あのボケ辱しめにあわさなきゃ気がすみませんよ!」

ね「ねねに一計があるのです!」

胡「お聞きしましょう!」

ね「耳を貸すのです」

陳宮殿に背丈を合わせた。

ね「まず・・ゴニョゴニョ・・ゴニョゴニョ・・するのです」

胡「ふむ、なるほど・・」

ね「それでゴニョゴニョ・・ゴニョゴニョ・・」

胡「えっ!? ですが・・それでは問題が大きく・・」

ね「あらかじめ・・ゴニョゴニョと言っておけば大丈夫なのです。」

胡「なるほど、さすが軍師ですね!」

ね「ねねの策に抜かりはないのです!」

胡「あのボケに一泡二泡吹かせましょう!」

ね「では早速準備を始めるのです! 落書き殿ついてくるのです!」

胡「応っ!」

ようやく・・ようやく我が復讐が果たせる・・・。後俺は胡軫です陳宮殿。元上司でもしまいには殴りますよ?

















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昴side

一方その時、

昴「くしゅん!」

愛「ご主人様、お風邪を召されましたか?」

昴「いや、違うよ。多分誰か俺の噂をしているな。これは・・・ねねだな。後でいじm・・遊びに行こう」

愛「(気の毒に)」
















・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・


次の日、自室で政務をしていると・・。

月「た、大変です!」

昴「ん、どうした月?」

月「ねねちゃんが誘拐されてしまいました!」

昴「誘拐?」

ねねが?

月「ねねちゃんと街にお買い物に行って、私はお店に入ってねねちゃんには外で待っててもらったんですけど。・・お店から出てきたらねねちゃんはいなくて、代わりにこれが・・」

月が1枚の手紙を差し出す。

昴「・・・」

その内容は、

『小娘は預かった。無事返してほしくば、御遣い1人、そして丸腰で街の外れにある廃屋に来い。もし、仲間を連れてきたり、武器を持ってきたらその時点で小娘の命はない。 復讐者』

なるほど。街の外れの廃屋って確か、1つポツンとあったあれか。街から離れているし、周りは草木が生い茂っているから誘拐して監禁するにはうってつけの場所だな。

昴「話は分かった。すぐに行こう」

俺は外套を羽織り、政務室を飛び出した。















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月side

月「へぅ・・」

ねねちゃん、大丈夫かな?

私がいつものように侍女のお仕事をしているとねねちゃんが・・。

ね『これをあの外道君主に渡してほしいのです。渡す時にねねが誘拐されたと伝えてほしいのです』

と言って私に手紙を渡しました。

月「ねねちゃん、ご無事で」

私はねねちゃんの無事を祈りました。


















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昴side

城を出て、街の外れの、指定された廃屋に来た。廃屋に歩み寄ろうとすると・・。

?「そこで止まれ!」

廃屋の中から声が響く、すると廃屋の中からねねと面を顔に付けた多分男が出てきた。

?「約束通り1人で来たようだな」

昴「ああ。ご覧通り丸腰だ」

一歩前に踏み出そうとすると・・。

?「止まれと言っただろう」

ねねの首筋に剣を突きつけた。

ね「た、助けて〜(棒読み)」

昴「それで、お前は何者だ?」

?「・・忘れたとは言わせないぞ!」

男が面を外した。

昴「!? お前は!?」

?「久しぶりだな」

昴「お前は、そうだ、あの・・その・・えぇーと、あれだ・・その・・そうだ、あの時助けた鶴か!」

?「覚えてないなら覚えてないって言いやがれ!#」

すまん。

?「ならば思い出させてやる! 貴様、反董卓の連合が組まれる前に洛陽にいただろう」

昴「・・・ああ、いたな」

?「その時に城に潜入したな?」

昴「・・ああ」

何故こいつがそれを・・。

?「潜入する前に1人の門番を蹴散らしたな」

昴「あぁ〜・・そうか! お前あの時の門番か!」

胡「そうだ。貴様に屈辱を浴びせられた名は胡軫。思い出したようだな」

昴「そうだよ。どこかで見たことあると思ったんだよ。ここまでは出てたんだよ」

おでこちょんちょん。

胡「そこまで出てたんなら口から出せ!#」

昴「そうか、全て思い出した。お前はあの時、城の門の見張りをしてた、顔に面白い墨を入れてた奴か」

胡「お前が書いたんだろうが!#」

そうだっけ?

昴「それで、えー、それでみしん」

胡「胡軫だ!」

昴「あーすまん、みしん」

胡「貴様わざとやってんのか・・#・・こ!」

昴「こ」

胡「し!」

昴「し」

胡「ん!」

昴「ん」

胡「胡軫!」

昴「みしん」

胡「ぶっ殺すぞてめえ!#」

昴「冗談だよ、冗談。シャレが通じない奴だな」

胡「てめえ、自分の立場分かってんのか! こっちには人質がいるんだぞ! こいつがどうなってもいいのか!」

再度ねねに剣を突きつける。

ね「昴殿ー、助けてなのですー」

昴「殺せっ!」

ね「何ですとー!?」

昴「あ、間違った。・・お、落ち着け、お前の狙いは俺だろ? その娘は関係ないだろ」

胡「うるせえ! 貴様に復讐するためなら手段なんて選ばないんだよ!」

昴「お前がそこまで思い詰めるとは・・すまなかった、許してくれ。このとおり!」

直立不動。

胡「頭ー!# もう許さん、貴様を殺して俺も死んでやる!」

いかん、相手が自暴自棄になってしまった。何とか宥めなければ。

昴「お、落ち着け、ならばこうしよう・・・お前だけ死ね!」

胡「てめえだけに都合のいい提案出してんじゃねえ!#」

交渉失敗。

胡「どこまでも人のコケにしやがって! てめえを墓場に・・」

剣先をねねから俺に、チャンス!

昴「ふっ!」

ドガァ!!!

ミサイルキック!

胡「ぎゃふ!」

ね「ねねごとー!」

同時にねねも飛んだ。

昴「からの〜」

両足を俺の両脇に挟み込み、ブン回す。

昴「オラオラオラー!」

胡「ぎゃあぁぁー!」

どんどんブン回す。
















10分後・・。

ブンブンブンブン・・・・。

胡「ほへー・・」←バター状態。

ね「もうやめるです。・・そいつのHPは0なのです・・」

この辺りでいいか。

昴「益州の果てまで・・イッテQ。」

ブォン!!!

胡「ほへー・・」

昴「胡軫・・俺の名を言ってみろ」

ドシーン!!!

胡「あべし!」

昴「将星墜つべし」

懐から油性ペンを取りだし、

サラサラサラサラ・・。

昴「・・・・ぷっ!」

これでよし。万事解決だ。


















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音々音side

あれは人じゃない・・・悪魔なのです・・。あんな仕打ち、人間のすることじゃないのです。

ね「とりあえず一端この場を・・」

振り返り、逃げ出そうとすると・・。

ぽすん・・。

ね「ぐふ」

何かにぶつかっ・・・・ひ!?

昴「ね〜ね〜ちゃん、どこ行くの?」

ね「す、昴殿・・助けていただきありがとう・・」

昴「これ、ねねの仕込みだな?」

ね「ギクッ! ・・何を証拠に・・」

昴「月もねねも緊迫感なかったし、まあ、胡軫はマジだろうけど、っていうかそもそもあれ(胡軫)、確か恋の隊にいた奴だ。当然ねねも知り合いだよな?」

ね「う゛っ」

昴「まったく・・」

昴殿が手を近づける。

ひっ! またお仕置きされるのです!

目を瞑り、身構えると・・。

ポン・・。

おそるおそる目を開けると、昴殿が頭を撫でていた。

昴「最近政務尽くしだったからいい気分転換になった、ありがとな、ねね」

昴殿は笑顔をこちらに向けたのです。

・・・ずるいのです。こやつは普段からねねをいじめてばかりするのに、時々、すごく優しいのです。そんな優しくされたらねねはお前を・・・。
















嫌いになれないのです。















昴「ねね、一緒に帰ろうか」

昴殿は手をこちらに差し出す。

ね「・・・ふん。帰ってやるのです」

その手を繋ぐ。

昴「何か食って行くか?」

ね「お前の奢りですぞ」

昴「分かった分かった。好きなの食えよ」

ね「ならば付き合ってやるのです!」

それから店に寄り、城へと戻った。
















おまけ・・。

胡「ちくしょう〜、あの野郎〜(ToT)」

目を覚ますと。顔が元祖スーパーロボットに出てくるア〇ュラ男爵にされていた。

胡「殺す! あいついつか絶対殺す!」

憎しみ芽はさらにすくすくと育った。

その後彼は街で男爵と呼ばれるようになった。ちなみに落書きは4日消えなかった。











続く

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