小説『惰眠を貪る狂乱』
作者:たかゆい()

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イトウが寝てる六年間…



ホムラとイナズマは順調に勢力を拡大していて今では傘下の海賊団も五を超える程になり、イトウ海賊団は傘下も含めたら500人とかなり大所帯になっていた。

過去イトウと戦った白ひげはそれを風の噂で聞いて「グラララ!あいつも随分大きくなりやがった!今夜は祝いだ!」と酒盛りを始めたそうだ。ミホークは「あの男との再戦もあと少し…」と空いからわず殺る気満々であった…


「ホムラ様!新たに傘下に入りたい海賊団が来ています、所帯は約100人程で船長は新世界でも名が売れ、実力もかなりありますがどうされますか?」
「まずはイトウ様の所に連れて行きなさい。」
「ははっ!」(船長の元に連れて行くとは…その海賊団は気の毒だな、ウチの船長はバケモノだぜ…)


ホムラとイナズマに連れられて傘下の海賊団が辿り着いたのは途轍もない大きさを誇る船の上にある大きな玉座に腰掛けている一人の男が居た。

海賊団はその男を見た瞬間震えが止まらなかった、男は白ひげに匹敵する巨体を持ち、目を閉じて居るのにそれから発せられる威圧感が針のように海賊達を突き刺した。(寝てるのにこの威圧感…!!起きたらどうなるんだ!?)


「今から貴方達には船長を少しでも良いから身じろぎさせて見なさい、少しでも動いたら合格とします。」


こんな男を!?ただでさえ山のように動かないのに…だが、やるしか無い!


者共!かかれーーー


10分後…

ハァハァ…大砲や銃で攻撃しても全く動かないとは…どんな体してんだ!?


「この程度ですか?まだでしょう?全力で攻撃しなさい。」

スーーーッ……そうだな、殺らせてもらうぞ?

ハァァァァ!


覇気を纏った攻撃をしたら、僅かにだが、本のわずかだが動いてくれた!

「ゴガァァァ……!!!」

ゴオオオッ!!

いびきをしただけで衝撃波が来るって…!?どんだけ人間離れしてるんだ!!!

「伊達に懸賞金二億ベリー超えてるだけはあるな、合格だ。貴方達は今からイトウ海賊団の傘下です。」

な、なんとか認めてくれたか…!しかし、イトウ海賊団に入る為の条件がホムラ・イナズマ兄弟と闘う・船長を起こす、又は身じろぎをさせるか…正直、前者の方がマシだぜ、イトウ船長は勝てる気がしない…




ここはイトウ海賊団のシマ内、その中で傘下の海賊団が集まり会議をしていた。


「最近の白ひげ海賊団とシキ海賊団、二つの海賊団との交戦最前線はどうなってる?」

イナズマが円卓に座ってる海賊団の船長達を見回しながら聞いた。


「シキ海賊団は最近鳴りを潜めていますが白ひげ海賊団は空いからわず交戦が多いです。白ひげ海賊団で厄介なのは『不死鳥マルコ』・『花剣のビスタ』・『ダイヤモンド・ジョズ』などです。三人は覇気も使え、能力者ですから余計撃退しにくい状況にあります。」

「その三人は僕が出るから抑えられるだろう、其れよりもシマの取り合いはどうだ?順調か?」
「やや押されて居る状況にあります、白ひげ自身がで張っているので並みの者では相手になりません…」

白ひげが出張るとは、こりゃ厄介だね〜僕とホムラ二人で掛かっても負けるし〜でも例の時期も近いしね。準備はしとくか!

「今は静観しよう、それにそろそろ例の時期が来る、その時を待って大海戦をしかけるよ。」

(!!!!!例の時期が近い…と言うことはイトウ様が目覚めるのか…これは戦争になるな……)

船長達は近い内に世界が動くと予想して、船長が目覚める事に期待と畏怖もだいた。イトウ海賊団を纏めるのはホムラとイナズマ、二人の総隊長だが二人の上に立つ人がいる。その人がイトウ海賊団の実質的支配者、『狂乱のイトウ』六年前、世界最強に近い男白ひげとタイマンをはり、引き分けた怪物だ、目覚めると言う事は目覚めた船長を狙い、様々な強者が来る、つまり動乱の時代になるのだ…




〜モビーティック号〜

グラララ、もうすぐだなあいつが目覚めるのも…

「オヤジ、どうしたんですかい?なんだか嬉しそうですが。」

グラララ!あいつの目覚めの時が近いのよ!

!?あの狂乱のイトウが六年間の長い眠りから目覚めるのかよい!
こりゃ戦争になるかよい?

「オヤジ、イトウ海賊団との全面抗争も近いのかよい?」

「グラララ、その通りだ、今の内に傘下の海賊団を集めておけ、今回はグリーンアースで闘るぞ?」


グリーンアースでやるとは、本気なのかよい!ウズウズしてくるねぇ〜

「グラララ!!もうすぐだなイトウ、待ってろよ!」


ー海軍本部マリンフォードー

マリンフォードには今世界中から海兵達が集まって来ていた。その数五万、各地で戦功を挙げて実力もある少将・中将に至るまでも来ていた、何故これ程の規模の海兵が集まっているのか…それは六年間眠り続けていた狂乱のイトウの目覚めが近いからだ。

狂乱のイトウ、世界最強に最も近い男白ひげと引き分け、更に海軍次期最高戦力の赤犬・ボルサリーノ・クザンの三人を相手にし、傷を追わなかったばかりか敗退させたと言う生きた伝説を持つ男がもうすぐ目覚めるのだ、この報を受けコング元帥は直ちに各地の海兵に招集を掛け、今この状況になっていた。

マリンフォードには今、コング元帥を筆頭とし次席にセンゴク大将・ガープ中将を据え、中将はサカズキ・ボルサリーノ・クザンを始めとした中将10人が集い、少将に至ってはモモンガ、ドーベルマンを含め少将30人が集まっていた。

なんとも壮大な布陣である。

「もうすぐ白ひげとイトウ海賊団の大海戦が始まる。皆、心してかかれ、この機会に一網打尽にする。」

「「「ははっ!」」」

世界がイトウの影響で大きく動いているのに当の本人は気持ち良さそうに寝ているのであった……

-6-
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