小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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第六話です。

一週間に一回は二人はこうして戦っています。
ちなみにフォルクローレが込めている魔力はリリカルなのはの世界の魔力です。
ただし前回書いたとおり、CMSの魔力のせいでかなりリミッターが掛かっています。

StSでいわれたリミッターというよりは、ViVidの魔力負荷のほうが近いですかね。

気づかないうちにフォルの魔力は強化されています。
・・・開放の方をしていないのでヴィヴィオ達ほど上がっていませんが・・・。

それでは本編どうぞ



序章 終わりと始まりと

第六話「戦闘訓練と冷たいアイス」



―St.ヒルデ魔法学院近くの広場

「・・・・・・武装形態」

「セットアップ」

お互いは戦うための格好となって向かい合う。

ちなみにフォルはセットアップの掛け声で直接大人モードになれるように設定した。

フォルのほうはデバイスを近くのベンチに置いてある。ハンデではなく、アインハルトがデバイスを持っていないからだ。
相手までの距離は約十二メートルほどだ。

予測しておけば、覇王流の歩法(ステップ)にも対応は十分に可能な距離。
一方でアインハルトも今までの試合から理解している。それに対するカウンターを警戒して準備はしている。
お互いに構える。

「よろしいですか?」

「おお」

アインハルトが掛けてきた声に静かに答える。
ここから先はかける言葉は要らない。

「では、参ります!」

彼女は拳を構えて、大地を強く蹴り、声とともに突っ込んできた。


 今回の模擬戦はDSAAルールで行う。LPは20000だ。
 クラッシュエミュレートは一応ある。
 ちなみにこっちはデバイス無し、テレポート無し。
 妥当なハンデの元行う。

(攻撃が来る。なら!)

フォルは天照寺流独特の構えをする。
手は手刀の状態のファイティングポーズだ。

(天照拳 公式参之型 明鏡!)

心の中で叫ぶ。

天照寺流は13代に渡って18の独特の技がある。
これは正統後継者のみが作ることが可能であり、それらは「公式」と呼ばれる。
逆に正統後継者が教えただけの人が作ったものは「異式」と呼ばれ伝えることが出来ない。

公式の一つ「明鏡」は3代目が作り上げた技だ。

気と魔力を目に集中することで、
「相手の今現在力を入れているところ」「現在の弱点」などが
瞬時にわかる。ただし経験をよほど積まないと判別は難しく
フォルに関しては現在相手が力をどこに入れているかしかわからない。

しかしそれでも判断力の高いフォルが作戦を組み立てる材料にするには十分だった。
フォルはアインハルトが右腕に力を入れていることを見極めると、
瞬時に新たな技を使用する。

(天照拳 公式肆之型 山彦!)

「山彦」は相手の攻撃を柔の奥義で受け流し相手からのエネルギーを蓄え、
カウンターの一撃を与える技である。

刹那、アインハルトが放った右腕の拳をフォルは受け流し、
アインハルトの腹部に左拳のカウンターを浴びせた。


アインハルトSide


私の最初の突撃にフォルさんは分かっていたかのように反応した。
いや、実際分かっていたのだろう。彼は私の戦い方を知っているから。
カウンターが来る可能性は高いが、それならそのカウンターごと潰す。それだけのはずだった。

彼は距離をとろうとするが、それよりも私は早く彼に追いつき最初の打撃を浴びせようとした。
しかし次の瞬間襲ってきたのは鳩尾への痛みだった。

「がっ、ぐ、ぅっ・・・・・・!」 アインハルト LP14900

最初の打撃を入れられたのは私のほうだった。

(いったい今何が・・・・・・?)

冷静に状況を考える。
先ほどの私の一撃をフォルさんはまるで水の様に受け流し、
左拳でのカウンターを浴びせてきた。

つまり殴る勢いをそのまま利用したクロスカウンター。(攻撃箇所は腹部だが)

剛も柔も可能・・・。これが天照拳の力・・・。

瞬時に理解し体勢と呼吸を整えるために後ろに下がろうとするが、彼はそれを許さない。

そのまま連続で殴打が来る。さらにそこから反撃のために左回し蹴りを見舞う。
即座に彼はバックステップで距離をとった。

私は攻撃を行うため彼の懐へと飛ぶ。

 アインハルト LP11020


Side out


(すごいな。この時点でもう二つの技の弱点を見極めている。)

フォルはやっぱりという顔しながら少し驚いていた。

「明鏡」の方は力を溜める場所を二箇所以上にすると使う意味がない。
「山彦」の方は受け流しを予測し、方向を変えて拳を放てば受け流せないという弱点がある。

アインハルトは今は両手の二箇所に力を入れている。
しかし彼女が両手で拳を放つとは思えない。
これは経験と勘で「明鏡」と「山彦」の弱点を理解したのだろう。

放たれたアインハルトの右拳をフォルは受け流そうとするが、
刹那、彼女の左拳が彼のわき腹を襲う。

「ぐっ・・・」 フォルクローレ LP18020

かなり無理な姿勢から放たれているため威力はさほどない。
ただフォルから少しの隙を作るには十分だった。

アインハルトはフォルの鳩尾を的確に打ち抜く。

「ぐあ・・・」 フォルクローレ LP12040

苦しむフォルクローレ
そこへアインハルトが追撃の打撃をさらに与える。

「くっ・・・。あっ・・・」 フォルクローレ LP9890→LP7840

今流れは完全にアインハルトに傾いた。
観客がいれば誰もがそう思った、そのとき

キィーン・・・。

「くっ・・・。カウンター・・・バインド・・・」

甲高い音とともにアインハルトの体を灰色に光るバインドが固定する。

アインハルトは抜け出そうともがく。そこへ・・・。

「天照拳 公式弐之型・・・」

彼の右手の手刀に魔力が集まっていく・・・。
ある程度まで魔力がたまったとき

「炎火切断!!」

彼はそれを振り下ろした。
炎さえも切り裂く。その意味を込めて付けられた一撃がアインハルトを襲う。

「ぐ、あ・・・」 アインハルト LP6730

よろけるアインハルト・・・しかしまだフォルには最後の切り札があった。

今度は彼の左手の拳に魔力が集まっていった。


フォルクローレSide


俺は一度距離をとり、魔力を圧縮し拳を強化する。

天照拳創設者が作り上げた最初の技。
14代に渡って受け継がれてきた輝きを失わない究極の奥義。

「天照拳 公式壱之型・・・」

彼はアインハルトの懐へ飛び込む。

「映輝天照拳!!!!!!」

彼女の鳩尾に痛烈な打撃を与える。少女の体は衝撃で数メートル吹き飛んだ。

「う、ぐっ・・・!」

無理やり息を吐き出すことになったアインハルトは体をくの字に曲げ、そのまますぐ起き上がることはなかった。

アインハルト LP0

「勝負あり、かな」

俺は腕を組んで、静かに少女にそう告げた。

「そうですね。私の負けです・・・」

静かに少女は立ち上がる。
その姿を見た後フォルは言う。

「しかしすごいな。始めてみる二つの天照拳の技に対して的確に対処できていた」
さらに、と一息をおく。
「一瞬できた俺の隙をすぐに狙って追撃を与えられた・・・。これは出し惜しみしていると次は負けるな」

「出し惜しみ・・・ですか?」

「あぁ、俺が教えてもらった天照拳の公式は全部で12種類。今までに使ったのは5種類」

天照拳についての大まかな説明はすでにアインハルトにはしてある。
ただし教えてくれたのは連絡先もわからない次元漂流者ということにしてあるが・・・。

天照拳の公式はジーンまでのを合わせ全部で20種類あるが、
俺が憶えられたのは「壱の型」から「拾の型」までの10種類と
ジーンが作った「拾玖の型」「弐拾の型」の二種類だけだ。
それ以外はジーンに見せてもらってはいるが、習得までにはいたっていない。

「すでに半分も見せている。今まで勝てた試合は全部始めて見せた技が決めてだからな・・・」

「いえ、それでもフォルさんは強いです。私も・・・もっと強く・・・」

アインハルトが後半にいった言葉はフォルにはよく聞こえていなかった。

「はは、ありがと。・・・さて休憩するか、
 近くにアイス屋があるからそこでソフトクリームでも食べよう」

「わかりました。フォルさん・・・」

二人はそのアイス屋へと向かった。

ミッドチルダ某所 アイス屋「コールドアイス」

今俺たち二人はミッドチルダで比較的有名なアイス屋に来ている。
この店は「シンプル・イズ・ザ・ベスト」をモットーとしていて、
バニラのアイスとソフトクリームが一番の人気メニューだ。
有名だが若者向けではないので店長と世間話が出来るくらいにはすいている。

俺たちはこだわりの牛乳を使ったと宣伝されているソフトクリームを二つ頼んだ。

「ここは俺が奢るよ。試合付き合ってくれたから」
そういうとフォルは財布を取り出す。
その財布は彼にしては珍しく、
ファスナーとマジックテープで口を閉じる子供っぽいものだった。

「あ、いえ・・・・・・。ありがとうございます」

アインハルトはどうやら自分で払うつもりだったようだが、
彼がすぐに二人分払ってしまったので、
しかたなく素直にご好意に甘えることにした。

「はいよ、ソフトクリーム二つ。それにしてもフォルが女の子を連れてくるとはな。デートか?」

「違いますよ。彼女はアインハルト・ストラトス。格闘技やってる一緒に訓練している俺の親友」

そういいながら彼はソフトクリームを受け取る。

「はは、なるほどな。しかしお前と戦えるってことはよほど強いんだな。その子」

「デバイス無しの戦闘じゃもしかしたらもう勝てないかもしれない・・・」

「そこまで強いのか!?そりゃすごいな嬢ちゃん」

「は、はい。ありがとうございます」

「俺もそろそろ新技考えないと・・・。ほらアインハルト、お前の分」
そういうとフォルはアインハルトにソフトクリームを渡した。

「ありがとうございます。フォルさん」

「ああ、こちらこそ。さて戻るか。じゃ店長!またよろしく」

「おうじゃあな!嬢ちゃんもがんばれよ!」

「は、はい。頑張ります」

そういうと二人は先ほどまでいた公園へと戻った。
ベンチでソフトクリームを食べ終わったあとは
軽い運動をしたあとアインハルトとフォルは別れ、家に帰った。

・・・。デバイスはちゃんと回収したぞ?

-10-
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