小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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今回は再び二人の模擬戦です。
さらにフォルの新たなるデバイスの複線も投入。

これで移転完了ですね。

ではどうぞ!!


第一章「Cross of StrikerS」

第十九話「空間を制する者」


「それではよろしくお願いします」

「あぁ、構えろ」

訓練場では二人の剣士が相対していた。
フォルクローレはリガルーダを補助デバイスとして残し、
ストゥルーダのみ、すなわち一刀流で今回は戦闘を行うことにした。

「ほう、今回は二刀流ではないのか?」

「はい、今回はスティールモード一刀で戦います」

一刀で戦う理由は今回「紫電一閃」を試すためだ。
二刀流でもやれなくはないがまずは師匠と同じ一本でやる。
それがフォルクローレの考えだった。

「ならばそれで構わない。お前にも考えがあるのだろう・・・。
 そこで見ているエリオとキャロ、どちらか戦闘開始の合図をしてくれないか?」

「は、はい わかりました」

近くで見学していたエリオが返事をする。
今回の訓練の前に、二人の戦闘を見ることなっていた。

「ごほん、それではレディ・・・ゴー!!」


ガチン、ガキン!!


合図と同時に二人の剣(つるぎ)がぶつかり合った。
お互いの攻撃は続き気がつくと戦いは空戦へと変わっていた。

シグナムがレヴァンティンを振るえばフォルはそれをストゥルーダで防ぐ、
それを離れたり、近づいたりしながら5分間ほど続けていた。

「す、すごい・・・シグナム副隊長の動きにちゃんとついていってる。」
「フォルくん、ほとんど毎日訓練してるもんね。」

キャロがそう言うが、エリオの中にはまだ疑問はあった。

(確かにそうだけど・・・なんていうか・・・今までとなんか違うような?)

今までのフォルとシグナムの戦闘に比べれば、
今回のフォルにはほんの少し余裕があるようだった。

「はぁああああ!!!ディバイディング・ブレイダァアアアアー!!!!!!!!!」

相手を追い続ける一撃がシグナムに向かう。
前回の戦いとほぼ同じ状況だ。

「その技は見飽きたぞ!」

(Schlangeform)

シグナムのレヴァンティンからそう発せられ
カートリッジが一つロードされる。

その言葉とともにレヴァンティンはいくつもの節に分かれ、
フォルに襲い掛かった。

「その言葉はそっくりお返ししますよ。」

そういってフォルは左腕を前に突き出し目の前の空間に魔力を送り込む。

「天照拳 異式 山彦・改!!」

この技は相手の攻撃を柔の奥義で受け流し相手からのエネルギーを蓄え、
カウンターの一撃を与える技である「天照拳 公式肆之型 山彦」

それをフォルが改造し、エネルギー体すら反射できるようにしたものである。
目の前に魔力を送り込み空間を湾曲させ、ごく薄い反発的防御空間を形成する。
考え方を変えれば魔力の集束シールドといえる。

この技によりレヴァンティンの連結刃は軌道を乱す。
それでは攻撃にならないため
レヴァンティンの連結刃が再び連結される。

「ほう、やるな。」

シグナムはそういって戻したレヴァンティンをフォルに向けて放ち
ストゥルーダを弾き飛ばす。

「しまっ!!」

「はぁあああ!!」

シグナムは間髪(かんはつ)をいれずにレヴァンティンを振り下ろす。

シグナムが振り下ろしてきたレヴァンティンを、
フォルはとっさに魔力付与によりコーティングした両手で真剣白刃取りをする。
手を叩く甲高い音が二人がいる空間に響く。

「ほう・・・。」

防御や回避ではなく掴んで止めるというフォルの予想外の行動に
シグナムが戸感心している間に、俺は蹴りを叩き込む。

なんなく反応したシグナムは鞘でその攻撃を受け流し、回避する。
体勢を立て直しフォルも吹き飛ばされたストゥルーダを取り構える。

そしてお互いに加速しぶつかり合った。

ガチーンッ!!!

剣と剣がぶつかり合う。
レヴァンティンとストゥルーダ
二つの接触部分から火花が飛び散る。

「強くなったな。何かしたか?」

「いえ、あえて言うならあのイデアシードで異世界に
 行ったときに鍛えていたんでしょうね。」

そういってレヴァンティンごとシグナムを押し出す。
その隙にある程度距離をとって構えなおす。

「なるほどな。それならばこの成長度も、うなづける。
 強くなったな・・・・・・。」

「ほめるにはまだ早いです、よ!!」

そういいながらフォルはストゥルーダに魔力を込める。
リガルーダはGEARドライブを作動させる。


 GEARドライブ

 それはガジェットに内蔵されたAIとほぼ同じ役割を持つ
 自己人格プログラムが内蔵された歯車「GEAR」
 これを回転させることにより、使用者の魔力使用時の
 物理的、魔力的、精神的ダメージの発生を
 限りなく解消するシステムである。


GEARの回転が時間とともにさらに加速していく。
その回転は今発生しているダメージすら拡散させていく。
それはあるものを使用するための布石。

そう、それは・・・


「フルドライブ!!!」

(Structure Change!!)

その二つの言葉とともにストゥルーダに雷撃と氷撃の力が宿る。
その力をシグナムにむけて放つ。

「紫電・・・一閃・・・!!!」

その一撃は空間を切り裂きシグナムへと向かう。

「ならばこちらも」

(Explosion)

カードリッジがロードされレヴァンティンにも魔力が宿る。
そしてそれは炎へと変わった。

「紫電・・・一閃!!」

シグナムはフォルの斬撃を飛ばす紫電一閃に対し
同じく紫電一閃を放つ。

お互いのそれがぶつかり合い魔力ダメージの大爆発が起こる。
それはフォルをも包み込んだ。

「ど、どうなったんだ!?」

エリオが驚いて爆発による煙が充満する空間を見る。
やがて煙が晴れてそこにあったのは・・・

「ふ、強くなったな・・・。」

「やっと・・・引き分けに持ち込めましたよ・・・。」

そこにあったのはお互いに相手の首元に剣を突きつける姿だった。
つまりそれが意味するのは引き分け。

フォルはようやく師匠と同じ土俵に立てたのだった。

「ふふふ、すばらしいな。紫電一閃も完璧に使用できている。
 もともと教えているとはいえないが、もう教えることはないな。」

「ありがとうございます。」

そういってお互いに地面に着地した。
エリオとキャロ、他にもなのはとヴィータが二人の元へと近づく。

「あれ?お二人も見てたんですか?」

「うん、そろそろお昼だからついでに見に来たんだけど。
 すごい戦いだったね。その年でここまで戦えるなんて。」

「ははは、あなただけには言われたくないです。
 魔法覚えてほとんどすぐに戦闘訓練受けてたフェイトさん
 と互角に戦えてるんですから。」

「確かにな。こいつが言えることじゃないか。」

「ちょ、ちょっとヴィータちゃん・・・。」

「ふ、そういえばフォル」

シグナムがそういってフォルにあることを訊ねる。

「なんですか?」

「紫電一閃は完成しているようだが、お前はまだその先を考えてないか?」

「さすがですね。そうです。俺は二刀流ですから、
 二つの剣から紫電一閃を放てるようにすることが最終目標です。」

「まあ、それはいいとしてだな。フォル」

ヴィータの指摘は鋭かった。

「この年でフルドライブ使用なんて体によくねぇぞ。大丈夫なのか?」

「えぇ、俺のデバイスは特殊仕様なんで、試してないですけど
 ブラスターモードの体への疲労も防げるかもしれません。」

「マジかよ・・・。」

「それが本当だったらシャーリーにそのシステム教えてあげたらどう?」

「無理です。このシステム作るのにはかなり時間がかかりました。
 教えるのも時間がかかります。それに・・・」

(この世界にある材料じゃGEARドライブは作れないからな。)

フォルは一人納得して話題を変えた。
そもそもまだ彼女達には話せない。

「それよりもさっき言った・・・『双剣・紫電一閃』の訓練手伝ってもらえないでしょうか?」

フォルは若干上から目線なことを言った。
それは話題を変えるための多少の無茶振りだったのだが、

「あぁ、暇な時には面倒見てやるよ。教え子の訓練に協力してもらったしな」

「あ、ありがとうございます!」

(あらあら、ラッキー!)



昼食へと向かう時にフォルはふとあることを考え騎士二人に話しかける。

「あ、そうだ、シグナム師匠、ヴィータさん。お願いと言いますか・・・。」

「「ん、なんだ?」」

二人は同時に振り返った。

「お二人のデバイス見せてくれませんか?
 古代ベルカ式のデバイスってのに興味がありまして・・・
 というよりも作りたいな、と思ってるんですけど・・・。
 勿論整備もします。」

「ああ、そういやお前、デバイスマイスターなんだっけか」

フォルの言葉にヴィータは特に疑問もなく納得していたが、
シグナムは疑問を浮かべた顔のままだった。

「しかし、興味がある・・・というのは分かるが、
 『作りたい』とはどういう意味だ?
 お前は古代ベルカ式を使わないのだし、
 使用者は局でも希少だぞ。作ってもあまり意味が無いと思うのだが」

その言葉にフォルは特に焦りもせずに答えた。

「親友に一人いるんですよ、真正古代(エンシェント)ベルカ式の使い手が。
 クラスメイトでよく一緒に訓練もしてるんです。」

「へえ、そりゃ珍しいな!」

ヴィータが驚いてる横で、シグナムは納得していた。

「なるほど、それでか・・・」

「はい。使い手が少ない以上、作り手も少ないので・・・。
 あいつデバイス持ってないんですよ。

 だから出来れば俺がいいものを作ってやりたいな・・・と・・・。

 あいつはデバイスなしでもかなり強いので、
 そろそろ自分もデバイス使わないとまずいかなぁとも思ってますが

 それはともかく資料だけだと限界があるし、実機見られたら良いと思いまして」

「・・・ずいぶんと友達思いじゃねえか、まあ私欲も混じってるけど」

「そういうことなら私達も喜んで協力しよう。
 主はやてや、シャマルにも頼んでみるといい。協力してくれるはずだ」

「あ、ありがとうございます!!」

フォルは歩みをやめてお辞儀をする。

「ところで、その真正古代(エンシェント)ベルカの使い手の名前はなんと言うのだ?」

シグナムがそうフォルに聞く。
フォルはその問いに正直に答えた。

「はい、アインハルト・ストラトス・・・本名ハイディ・E・S・イングヴァルト
 古代ベルカの覇王『クラウス・G・S・イングヴァルト』の直系の子孫ですよ」

「ほう、あのクラウスの・・・」

「それなら納得だな。でもいいのか?そこまで言っちまって?」

「はい、彼女から『あなたが信頼している人にならば言って構いません』と」

「よほど信頼されているのだな。フォル絶対にその信頼を裏切るなよ?」

「はい、師匠」

「では昼食へ向かうとするか・・・」

「そうですね・・・」

(そういえば、あいつが求めている強さって・・・なんなんだろうか?)

その問いに答えてくれるものはその場にはいなかった。








フォル「よっし、新たなデバイスの知識GET!」

作者「良かったな。ちなみに次回はついにあの虹彩異色の少女が登場」

フォル「へぇ、だれそれ?」

作者「お前は次回まで待て、それでは皆さんまた!!」

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