小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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第二十話「翠と紅 聖王の遺産と混沌の災い 後編」


ロングアーチがいる部屋の大画面モニター・・・
先ほどまで情報を写していたそれには現在ジャミングにより
ノイズしか写っていなかった・・・。

「砲撃・・・ヘリに直撃・・・?
 そんなはずない!状況確認!!」

「ジャミングがひどい!データ利きません」


「そんな・・・」
エリオはケースを持ちながらそう呟く・・・

「ヴァイス陸曹と・・・シャマル先生が・・・」

「テメェーッ!!!!」

ヴィータは激情しルーテシアの肩をつかむ。
それを見たスバルがあわてて嗜める。

「副隊長!落ち着いて!」

「うるせぇ!!」

そんなスバルの言葉に耳を傾けず
ただグラーフアイゼンを振り回す。

「おい!仲間は!?仲間がいんのか!!??
 どこにいる!!!言えっ!!!」


そこへ近づいてくる人差し指・・・
それに気づいたギンガが叫ぶ!!

「エリオくん!足元に何か!」

「えっ!?」

エリオがその言葉に驚き足元を見た瞬間・・・
刹那、水色の髪をした女性が地面から突如現れる。

「どわぁっ!!」

エリオの持っていたケースを奪い立ち去ろうとする。

「いただき」

そういって地面の中に入り込む。
ティアナが射撃するが一足遅かった。

「くそ!」

「逃したか!!」

逃がした女性を追ってヴィータとフォルクローレ、
そしてティアナがその方向へ向かう。

【ルーお嬢様、ナンバーズ6番 セインです。
 私のIS、ディープダイバーでお助けします!

 フィールドとバリアをオフにして、じっとしてて下さいね?】

その念話が終わるとともに地面から出たセインはルーテシアを掴む。

「あっ!」

「こいつ!!」

ヴィータが掴もうと飛び込むが間に合わず地面に衝突する。
フォルは手を握り締め・・・

「くそっ!もう少し早く気づいていれば!!」

そういって側面の壁を殴る。
前世でも彼はこういうイレギュラーでの反応が一歩遅かった。
そのせいで今回はアポートで再捕獲できたものを取り逃していた。

対象が目に見えていなくてもどこにいるかわかっていれば
使用自体は可能だが、今回は無駄だった・・・

「反応・・・ロストです・・・」

「くそっ!!」

地面に腕を叩きつけるヴィータ

「ロングアーチ・・・ヘリは無事か!?
 あいつら・・・落ちてねぇよな!?」



「うふふのふ〜ん!どう?この完璧な計画」

「だまって、今命中確認中・・・あれ?まだ飛んでる・・・」

瞳に写っていたのはいまだ健在なヘリであった。
爆煙によって視界は悪いが、ダメージはゼロだろう。

「あら・・・?」

驚くクアットロ・・・そして



「スターズ2とロングアーチへ
 こちらスターズ1!ギリギリセーフで・・・ヘリの防御成功!」

「危なかった・・・ギリギリや・・・」



「限定解除!なのはさんとレイジングハートさんの
 エクシードモード!!」

ロングアーチはヘリの無事となのはの限定解除に
喚起の声を上げた。


「あらぁ・・・」

「こっちもフルパワーじゃないとはいえ・・・マジで?」

その時上空から来る黄色の魔力弾に気づき
飛び跳ねて避ける二人の戦闘機人。

近くのビルに着地するが・・・

「見つけた!」

「こっちも!?」

「早い・・・」

急いで二手に分かれて逃走する二人

「止まりなさい!市街地での危険魔法使用
 及び様々な殺人未遂の現行犯で逮捕します!」

その言葉とともにフェイトの周りに現れる六つの魔力弾・・・

「今日は遠慮しときますぅ!IS発動!シルバーカーテン」

その言葉とともに二人の姿が消える。
しかし・・・

「フォル!」

「了解!!!発動まであと4秒!!」

「了解!」

そう言ってその場を離れるフェイト。
その行動に驚いて姿を現す戦闘機人二人

「離れた・・・?なんで?」

「まさか!!」

二人が上空を見上げるとそこにあったのは
灰色に染まった球体だった。

「広域空間攻撃!!?」

「うっそーん!!」

そして詠唱を続けるフォル・・・

「暗き鳩羽にて、取り付きし魔物よ
 今放たれる、深き常闇に沈め!!!」

灰色のミッドチルダ式魔方陣が光り輝く!

「ブレイテル・アングレイフェン!!!」

その灰色の輝きは球体へ向かい。
空間全域を湾曲させ、非殺傷の一撃で戦闘機人のみを狙い打つ。

「「うわぁあああああー!!」」

多少傷つくも何とか逃れた二人・・・
だが現実は無常な真実をさらけ出す。

(They never surrender. Judged to have in danger of escape.)
(投降の意志なし…逃走の危険ありと認定)

(Knockout by buster. After that, arrests it.)
(砲撃で昏倒させて捕らえます)

二人の隊長の目の前に集まっていく魔力・・・
絶望している二人へ・・・

「ディエチ!クアットロ!じっとしてろ!!」

聞こえてきたのは姉の声・・・

「IS発動!ライドインパルス!!」


「トライデント・・・」「エクセリオン・・・」

カードリッジがロードされる・・・そして

「スマッシャー!!」「バスター!!」

金色の三又の砲撃と桜色の砲撃が二人の戦闘機人を襲う・・・
ぶつかり合う砲撃・・・そして爆発・・・


「ビンゴ!!」
パチンッと指を鳴らすアルト。
喜び笑顔になる・・・

『じゃない!避けられた!!』

「えっ!」

『直前に救援が入った。』

『アルト!追って!』

「はい!」



そしてそのころ市街地の瓦礫溢れるある地点にて姿を現す三人。

「ふぅ〜トーレ姉さま、助かりましたぁ」

「感謝・・・」

「ぼうっとするな!さっさと立て!馬鹿者どもめ・・・
 監視目的だったが・・・来てて良かった・・・
 セインはもうお嬢とケースの確保を完遂したようだ・・・

 合流して戻るぞ」



「反応・・・ロスト・・・」

「異常反応の消滅・・・」

「うぅ・・・逃がしたか・・・」


「あぁ・・・悪いこっちも最悪だ・・・
 召喚師一味には逃げられて、ケースも持ってかれちまった
 逃走経路もつかめねぇ・・・」

自身がしてしまった行動を含めて
冷静に状況を伝えるヴィータ

そこへ

「あのぉ・・・ヴィータ副隊長・・・」

「あぁフォワード陣はベストだった。
 今回は完全にあたしの失態だ・・・」

「いやあの、副隊長!?」

見ていられなくなったフォルがヴィータをもう一度呼ぶ

「なんだよ?報告中だぞ!」

「あの、ずっと緊迫してたんで・・・
 切り出すタイミングがなかったんですけど・・・」

「レリックには私たちでちょっと一工夫してまして・・・」

「ん?」

「え、へへへ・・・」

ヴィータが見た先にいたのは苦笑いをする。
フォワード陣とフォル、ギンガの姿だった・・・



―スカリエッティアジト

「やっと戻ってこれた・・・」

「お嬢の集団転送のおかげですね、ありがとうございます」

「あぁセインちゃん、ケースの中身確認」

「はいよぉ!!」

そういってセインは棚にケースを置きロックを解除する。

「じゃじゃーん!!」

そういって開けた中身にあったのは・・・

『はずれσ(^┰゜)』
 ↑フォル作 氷でできたレリックもどき
  アカンベーしてるのはティアナ 作画フォル

「なんかすげーむかつく・・・」

そういってそのレリックもどきを握り砕くセイン
トーレはとりあえずそれを無視し尋ねる。

「どういうことだ!」

「セインちゃん!」

「そんな!ちゃんとスキャンして本物のケースだって確認して!!」
そういってスキャナー画像を出す。
「ほれ!」

「まあ、確かにケースは本物だけど・・・」

「はっ・・・」

トーレは答えにたどり着く・・・

「ふ〜ん、おかしいわね・・・」

「馬鹿どもが!!お前らの目は節穴か!!」

「「「「????」」」」

「ここだ!」

そういってキャロの帽子を指差すトーレ・・・
そこに表示されていたのは・・・




「ケースは・・・シルエットではなく本物でした・・・
 あたしのシルエットって衝撃に弱いんで・・・
 奪われた時点でばれちゃいますから・・・」
「なのでケースを開放して・・・レリック本体に直接厳重な封印を欠けて・・・」
「その中身は・・・」

そう言ってキャロの防止に手をかけるスバル
そしてそれをとるとそこには小さな花があった。

「ん?」

「こんな感じで・・・」パチンッ

ティアナが指を鳴らすとその花は赤い宝石・・・
レリックへと姿を変えた・・・。

「敵との接触が一番少ないキャロに持っていてもらおうと・・・」

「仮に接触しそうになっても俺がテレポートさせる予定でしたので・・・」

「なーるほーどー」

「はは、はは、は」


「我々の出番は・・・どうやらなくなったようですね」

「任務は無事完了のようです。喜ぶとしましょう」

二人の騎士はビルの上で彼らを見下ろしてそう呟いた。



「してやられた訳だ・・・」

「すみません、お嬢・・・愚妹の失態です・・・」

「別に・・・」
そういって振り返るルーテシア
「私が探してるのは11番のコアだけだから」

「おっこれ六番か」

「しかしやっべぇ・・・コアもマテリアルも管理局に
 渡しちゃったとなると・・・」

「ウーノ姉さまに怒られるぅ」

「あぁめんどくさい・・・」



―聖王医療院

そこ特別室で彼女は眠っていた。

「検査のほうは一通り終了・・・
 大きな問題はなさそうだから
 これからそっちに戻るね」

「うん、了解」

「フォワードの子達は?」

「元気だよ。エリオとキャロの怪我も割と軽かったし・・・
 報告書書き終えて、今は部屋じゃないかな?」

「そう・・・」

そう言いながら売店の前で立ち止まるなのは

「わたしも帰って報告書書かなきゃ・・・
 今回は枚数多そう・・・」

「大丈夫・・・資料とデータはそろえてあるから」

「ははは、ありがとう・・・」


―特別室

「ママ・・・」

女の子は眠りにつきながらもそう寝言で言う。
彼女が今望むものは・・・それだけだった。

「大丈夫だよ・・・」
そう言いながら彼女の頬をなでる。
「ここにいるよ・・・怖くない・・・」
そういって先ほどの売店で買ったウサギの人形を彼女が眠る枕元に置く。

「ママ・・・」

呟きは・・・それでも変わらなかった・・・





―六課部隊長室


「なんなんですかぁあああああ!!!この書類の量!!」

そういいながらも手を動かすフォル
となりにはいまどき珍しい紙の書類だ

「悲しいかな・・・ここまでやってると
 この書類を片付けないとさすがに
 隠し通すのは大変なんよ・・・」

「データでやれないってのは大変ですね。もう!!」

(・・・傍観者ってつらいなリガルーダ・・・)

(言わないでよ・・・ストゥルーダ・・・)

彼らは紙の書類に対しては無力である・・・

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