小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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第一章「Cross of StrikerS」

第二十二話「星々の賛歌」


「はぁ・・・昨日は疲れた・・・」

ただいま私フォルクローレは絶賛疲労中
もう昼くらいなのにね・・・

「大丈夫ですか?フォルさん」

アインハルトがそう言って近づいてくる。
大丈夫に見えるかい?

「なんだか、久しぶりに会ったような感じがする・・・」

「確かに嘱託魔導師の仕事で学校を休んだり
 空き時間に私との訓練も少なくなってきましたが・・・」

「いやもう・・・仕事すごいよ。もう・・・」

久々の学校な気がするくらいだ。
実際は三日も休んでないがな・・・

昨日の書類が相当堪えてる。
なまじ秘密にしてるからなぁ・・・

六課には魔導師ランクに制限がある。
そして部隊長のリミッターの解除ができるのは
公式上聖王教会のカリムさんとクロノ提督のみ

そして再申請は限りなく時間がかかる。

だから少しでも使わないための影武者が俺だ。
立場上は六課ではないからリミッターはない。
厳密にはあるのだが、CMSの魔法で普通に解除できるし
そもそも隊長クラスでない俺のリミッターは
はやてさんかフェイトさんの許可で無条件で解除できる。

だからこそばれない為の紙書類なのだが・・・
う、腕がまだ痛い・・・

「さあ授業を始めるわよ」

そうしたら先生が教室に入ってきた。
初等科の授業・・・楽しいけど、暇だな。
一般教養で特別習うものはないし、
まあ魔法学や歴史学はおもしろいけど。

「・・・それじゃあ、この問題を・・・ライムントくん」

「はい・・・」

おっと授業には集中しないと・・・
ちなみに今呼ばれたのはライムント・ウィンクラー
このクラスの中じゃアインハルト以外の親友だな。
趣味は機械いじりと俺とよく似ていたことが主な理由かな。

実家は騎士家業ではなくヴァイゼンを拠点とする
魔法端末メーカー「カレドヴルフ・テクニクス」の社員らしい。

あそこは俺も良くお世話になってます(・・・)

でもウィンクラー・・・今日は元気ないな
いつもはもうちょい覇気があるんだが・・・

すると突然・・・

ガタンッ

教室の前まで行こうとしていた途中で彼は突然倒れた。

「!ライムントくん!!??」

「おい!大丈夫か!??」

俺は急いで彼に近づく。
周りの皆はほとんどがただ唖然としていた。

「すごい熱・・・」

近づいて彼の顔を見て見れば
顔は真っ赤になり、肌を触ると発熱していた。

さらにお腹を押さえており、その場所は上腹部・・・

「虫垂炎か?先生!俺ちょっと彼を病院へ送ってきます
 俺が送ったほうが早いでしょうから」

「そうね。お願いします。彼のご両親には私が連絡しておくわ」

「わかりました。場所は聖王医療院です」

そういうと俺は聖王医療院へと彼を連れてテレポートした。
リガルーダに頼んで先生はキープさせておいた。

あそこ・・・実は結構お世話に・・・(パシリ的な意味で)



―聖王医療院


予想通りの極初期の虫垂炎だった。そこまでの大事ではないようだ。
手術もすぐに行われるらしい。先生キープしておいて良かった。

「心配させやがって、全く」

あの後すぐさま来たご両親に状況を説明したら
安心してくれた。今は彼と一緒にいると思う。

今俺がいるのは医療院の庭だ。
本当は学校へ帰ろうとしていたんだが、
本部からここに残るよう言われてしまった。

しかたなく学校へは早退の連絡をしてここに残っているわけだ。

しかしなぜに俺がここに残る必要性があるんだか・・・
そんなことを考えていると・・・

ドンッ、と誰かにぶつかった。

「ふぇっ」

「おっと」

とんでもない勢いで走ってきたのか、
ぶつかって来た人は尻餅をつく。

「あぁ悪い。前見てなくて・・・」

「ふぇ!あ、う・・・」

一応謝るが金髪の少女は少し泣きそうになっている。
紅と緑の瞳に涙がたまっていた。

ん?確かこの子昨日保護した子じゃない?

起きたのか、迷子か?

「どうしたんだ?」

「ママ・・・いないの」

・・・・・・これには・・・どう答えたら良いだろうか・・・
彼女はギンガさんの話から考えるに人造魔導師・・・
両親と呼べる存在は・・・いない・・・

「そうか・・・俺の名前はフォルクローレ・シュテンゲル。
 フォルと呼んでくれ。君の名前は?」

「ああ・・・こんなとこにいたの」

斜め前から声が聞こえた。あれ? この声は

「心配したんだよ」

そう言ってヴィヴィオに歩み寄ってくるのは栗色の髪の女性。
てか、なのはさんだ。

ヴィヴィオが少し後ずさったので、前に出ようとすると、

目の前に武装したシスターシャッハが飛び込んできた。
相変わらず好戦的ですね・・・

以前あったのははやてさんと聖王教会に行ったときだな。

「ふぇ・・・」

ウサギのぬいぐるみを落とし、たちまち泣きそうになる女の子。
そのままこっちを向いてきたので、ため息つきつつ前に出る。

「シスターシャッハ」

「っ! フォルクローレ君!? どうしてこんなところに!?」

「いや、親友が倒れたんでこちらに・・・それよりも・・・」

ジトッとした目で見た。
と言うか睨んだ

「脅かし過ぎです」

「そ、それは・・・」


「「シスターシャッハ」」
なのはさんと俺の声がかぶる。

「は、はい・・・」

「ちょっと、よろしいでしょうか」
「武装解除してください」

「は、はぁ。わかりました」

二人の発言を受け、デバイスを待機形態に戻す。

「ごめんね・・・びっくりしたよね」

女の子に謝ったのはなのはさん

「大丈夫?」

今度はしっかりと彼女の方を向いて聞いた。

「う、うん・・・」

ヴィヴィオは少しだけ頷く。

「立てるか?」

俺の問いにも頷いて、ヴィヴィオが立ち上がった
服についた埃をなのはさんが払う。

「初めまして、私、高町なのはって言います。
 お名前・・・言える?」

「・・・ヴィヴィオ」

女の子はそう名乗る・・・
ヴィヴィオか・・・いい名前だな

「いいね、可愛い名前だ。フォルくんはなんでこの子と?」

「親友が倒れたんで俺が救急車代わりにここへ
 大事ではなかったんで、帰ろうとしたら
 本部からここに残るよう言われて、庭をぶらぶらしてたら
 この子・・・ヴィヴィオと会った・・・そんな感じです」

俺の言葉を聴いてにっこり笑った。
そしてヴィヴィオの方へ向き直る。

「ヴィヴィオ、どこか行きたかった?」

「・・・ママ、いないの」

一瞬だけなのはさんは辛そうな表情を浮かべた。
その後すぐに表情を笑顔に変え、

「それは大変。じゃあ一緒に捜そうか?」

「・・・うん」

ヴィヴィオは再び、わずかに頷いた。




数時間後。





俺は現在機動六課の隊舎にいた。
なにこの展開・・・

目の前でヴィヴィオがなのはさんのスカートを引っ掴み、泣きわめいていた。

「いっちゃ、やぁだぁー!」

泣き喚くヴィヴィオ・・・なのはさん懐かれてますね。
というかフォワード陣もおどろいてるじゃない。

すると入ってくるフェイトさんとはやてさん

「八神部隊長」「フェイトさん」

「エースオブエースにも、勝てへん相手はおるんやねぇ」

苦笑いを浮かべながら言うはやてさん。

【フェイトちゃん、はやてちゃん・・・あの・・・助けて】

「スバル、キャロ・・・とりあえず落ち着こうか?離れて休め」

「「はい・・・」」

そう言って離れる二人
するとフェイトさんは落ちていたウサギのぬいぐるみを拾い・・・

「こんにちは」

ウサギを顔の前にしてヴィヴィオに話しかけた。

「ふぇ?」

「この子は、あなたのお友達?」

「ヴィヴィオ、こちらフェイトさん。なのはさんの大事なお友達」

「ふふ、ヴィヴィオ・・・どうしたの?」

【とりあえず病院から連れて帰ってきたんだけど・・・
 なんか、離れてくれないの・・・】

【ふふ、懐かれちゃったのかな】

【それで、フォワード陣に相手してもらおうと思ったんだけど・・・
 フォルに頼むわけにもいけないし・・・】

【【【【すみません・・・】】】】

【いいよ、任せて・・・】

「ねぇ、ヴィヴィオはなのはさんと一緒にいたいの?」

「うん・・・」

フェイトさんのその言葉に素直に頷くヴィヴィオ

「でもなのはさん・・・大事な御用でお出かけしなきゃいけないのに
 ヴィヴィオがわがまま言うから、困っちゃってるよ

 この子も・・・ほら」

そう言ってウサギを変形させるフェイトさん。
でもヴィヴィオは顔をゆがめて葛藤していた。
そこへフェイトさんが駄目押しする・・・。

「ヴィヴィオは、なのはさんを困らせたいわけじゃないんだよね」

【な、なんかフェイトさん・・・達人的なオーラが・・・】
【フェイトさん・・・まだ小さい甥っ子さんと姪っ子さんが居ますし・・・】
【使い魔さんも育ててますし】

【あぁ!さらにあんたらの小っちゃいころを知ってるわけだしねぇ】

その言葉に顔を赤くする二人

【てか、俺を仲間はずれにしないでくださいよ!
 俺がフルパワーだせば、すぐおとなしくさせられるのに!】

いい加減話題に入りたいんです。

【そんなこと言ってるうちはいいけど。それで懐かれたら
 フォルが困るだろうからって・・・】

【なのはさんのフォローに感謝しますが、
 むしろ妹を紹介できるので帰ってよかった気も・・・】

ヴィヴィオ妹と同じくらいだし・・・


「だからいい子で待ってよう?ねっ?」

「うん・・・」

その言葉に頷きウサギを返してもらうヴィヴィオ

「ありがとね。ヴィヴィオ
 ちょっとお出かけしてくるだけだから」

「う、うん・・・」

涙を目にためながらヴィヴィオは頷いた。

【さてと・・・さすがにこの空気でネタバレは無理ですね。
 当分秘密にしてましょう】

【ごめんな。フォルくん】

そういうとはやてさんはフェイトさんとなのはさんを連れてヘリへと向かった。

「じゃあ、あたし達は報告書書いてくるから・・・
 あとはお願いね」

「「はい!」」「了解」

その後はスバルさんとティアナさんは部屋を出て行った。

というわけで部屋に居るのは俺とヴィヴィオ、それにエリオとキャロちゃんの二人である。

「じゃあ、何して遊ぼうか?」

「えーと・・・」

「どうする?」

一応年上二人に意見を求める。

「え、いや・・・」

「そんなこと言われても・・・」

・・・こいつら・・・年上なのに頼りにならねえぇ!
・・・まああのフェイトさんの元で育てばね・・・

しょうがない、俺がなんとかせねば。
前世のプライドに賭けても!!

「じゃあ、俺が昔話をしてあげるよ」

「むかしばなし?」

「あぁ、遠い遠い・・・昔の話・・・聞きたい?」

「うん!」

そういうヴィヴィオに俺は昔話をしてあげた。


夜、なのはさん達が帰ってきた。とてとてとヴィヴィオが駆け寄る。
それを見たなのはさんはにっこり笑ってヴィヴィオを抱き上げた。

「ただいま、ヴィヴィオ。いい子にしてた?」

「うん、フォルがむかしばなししてくれた」

「そう、ありがとね、フォルくん」

元気に答えるヴィヴィオに、なのはさんは笑顔で俺に言う。

「どういたしてまして、じゃあ、俺はこれで」

「ふぇ・・・・・・」

俺が別れの挨拶を告げると、またヴィヴィオが泣きそうになった。
しかたないので優しく声をかける。

「大丈夫、また来るよ。またいろいろお話してあげる」

「・・・うん」

こくり、とヴィヴィオは頷いた。
それを見た俺は安心して帰ることにする。

荷物をまとめて・・・It's jumping!!

テレポート・・・この世界では便利だな・・・

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