小説『未完結作品のオリキャラがリリカルな世界に転生しちまったよ・・・』
作者:DFGNEXT()

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序章 終わりと始まりと

第三話「心の絆」

「父・・・さん・・・」

ただいま私フォルクローレ・シュテンゲルはピンチです。
突然前世の家族が部屋に来たせいで、
動揺していた私は自らが転生者であることをばらしてしまいました。
もうごまかせなさそうなので言われたことにはすべて答えようと思います。

「まあ落ち着け。そこの・・・。デバイスもな・・・」
(は、はぁ・・・。)
(わかりました。)

「よし。じゃあフォル。さっきの話も含めて俺に詳しく話してくれ」
「・・・わかりました・・・」

 俺は話した。
 こことは違う魔法文化が発展した世界で暮らしていたこと。
 不治の病を持っていて余命が残り少なかったこと。
 そのために最後は親友と生死をかけた決闘をしたこと。
 その決闘に負けて死んだこと。
 そのあと神さまを名乗る人によってこの世界に転生したこと。
 あとはレアスキルということでテレポートとグリーンフォースについて説明した。

「これが俺が前世で歩んできた人生の一部。こいつらはこちらで言うデバイスで大体あってる」

「そうか・・・。つまりお前はその前世の記憶を持った人間てことか。」

その反応の仕方にフォルは疑問を持った。

「・・・?怖くないの?もしかしたらこの世界に生まれるべきフォルクローレは
 別の人格だったかもしれないのに・・・。」

フォルは言う。それがこの世界に転生したときからずっと思っていたことで、
ガジェットたちに口止めしていた理由でもある。
つまりは、本当は怖かったのだと。

「そんなことは俺には関係ない。前世がなんだろうとその記憶がお前を縛ろうとお前は
 俺の大切な・・・大切な息子フォルクローレ・シュテンゲル。それ以上でもそれ以下でもない。」

ベルンハルト・シュテンゲルは力強く言う。
それは転生者ということがわかってもかわらない。彼自身の気持ちだった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたフォル?」
「ううん、俺前世での家族との記憶がほとんどないんだ。
 向こうの母さんは俺を生んで死んじゃったし、
 父さんは4歳のころ俺と一緒に事故に巻き込まれて死んじゃったから」

すこしづつだが彼の目元に涙が浮かんでいた。
前世から瞬間記憶能力を持つフォルだが、
前述の事故により父親との記憶もほとんど憶えていなかった。

「だからこういうときどうすれば良いか・・・。わかんな、っくって・・・。
 向こうでは孤児とかにたくさん会ったから理解者も多かったけど。
 今は父さんたちがいるから・・・。変な気持ちなんだ・・・。」

「そうか・・・。そういう時はなフォル。とりあえず抱きつけ!
 そして俺の胸の中で泣け。お前の中にある気持ちを全部吐き出せ!」

「父・・・さん・・・。う、うわーーん!!」

そういうとフォルは父親に抱きつき大泣きした。
その姿は年相応の少年のものだった。

「よしよし、前世の記憶があるからってな。
 そんな大人っぽく振舞わないでそういう子供っぽく振舞っていいんだぞ」

ベルンハルトはそういってフォルを優しく撫でる。

「前世では自分一人で生きる必要があったんだろうけどな。
 お前はもう一人じゃないんだ。困ったら俺に相談しろよ。」

「・・ぐす・・・。わかったよ父さん・・・。ありがとう、
 大分楽になったよ・・・。五年間ずっと黙っててごめんなさい・・・」
「気にするな。俺だってそのガジェット?がいなかったら転生者なんて気づきもしないし、
 言われても多分信じなかっただろうさ」

「うん、きっとそうだね・・・。でも父さんこのことは母さん、兄さん、イルマには黙ってて」
「どうしてだ?」
「自分から言うのは恥ずかしい。父さんみたいに聞かれたら答えたい」
「そうかわかった」

「ただいまあ!!」

するとエーリヒが学校から帰ってきた。

「お、帰ってきたか。じゃあフォルこのことは当分俺たちだけの秘密だ。
 あとそこのガジェットお前達はフォルがデバイスマイスターの資格とるまで隠れてろよ」

そういうと彼は部屋を出てエーリヒを出迎えに行った。
部屋にはフォルとガジェット達が残る。

「ばれちゃったけど・・・。いや事はなかったな・・・」
フォルはそっとつぶやく。ついでに部屋の鍵を閉める。

(あれが、父親というものか。とても背中が大きく感じたよ。)
(確かにね。かっこよかったぁ。・・・。ところでデバイスマイスターって?)
リガルーダが聞く

「へ?あ、あぁこの世界ではデバイスって魔法に使う機械があるんだが、
 それはデバイスマイスターの資格がないと作れないらしいんだ」

だから、と一息つけ

「お前等の存在を知られたときに自作デバイスっていういいわけが通用するためには
 いくら頭とかが良くてもその資格が要るんだ。

 だから・・・。

 あと一年はブレスモードで寝ててくれ」

(あぁそういうことなら・・・。電源切っとけば退屈じゃないし。)
(そのかわり取ったらすぐに付けてくれよ。・・・いやデバイスというものが作れる時間が出来てからか・・・。)
「あぁそうなるな。いきなり作っても不思議がられるし。
 お金に関しては父さんがくれたで通せるけど・・・。一応バイトとかもしてみるか」

なんやかんだで特に問題もなくその日は終了した。




三日後突然母さんから連絡が、というか命令が

俺が将来通うことになっているSt.ヒルデ魔法学院に同じ歳に
行く子達との交流会的なものが開かれると言うことを
どっかから聞きつけた母さんは「友達作ってきなさい」と俺を行くように促した。

事情を知っている父さんも「とりあえずそろそろ友達を持っていたほうがいいだろう」
といっていたので出来るかどうかはともかく行こうと思う。

交流会に行くといろいろな子を見かけた。
ただ前世で保育園紛いなことやっていたとはいえ、
フォルから見れば変な電波を受信しているようにしか見えなかった。

―でもこれじゃあ友達できなかったとしか報告できないなぁ・・・。

そう思っていると碧銀の髪の少女を見かけた。
その少女の周りが何やらごたごたしてる。

「右と左で目の色が違うー」
「こわーい」
(ん?子供のいじめか?)

フォルは前世ではいじめに関してはかなり怒りを感じており、
いじめが多いところの住民達に独特な考えを討論していたりもしていた。
その正義感にまかせて、取り敢えずそちらに近寄ってみた。様子を聞く。

「どうしたんだ?」

「この子変なんだよ! 右と左で目の色が違うの!」

その声に少女は肩を縮めた。青と紺の目が悲しげに伏せられている。

なるほど。これは小さい子なら騒ぐのも無理ないか。

でもこんなことをこれからも続けさせるわけには行かない。
少々強引だが誘導作戦で行く。

「へぇオッドアイかぁ。珍しいね。それがどうかした?確かに珍しいけど」
「え、だって・・・・・・」

少女はちょっとたじろいでいる。

所詮はまだ6歳に満たない子供。
自分が変なことだと思っていても他人に変じゃないと言われれば少したじろいでしまう。
フォルは知識をフルに使い畳み掛ける。

「聖王オリヴィエって知ってる?」
「もちろん!」

St.ヒルデ魔法学院は聖王教会系の学校である。
聖王教会では「聖王」本人と近しい血族、傍にあった騎士たちが信仰対象となっており、
彼らの遺物は「聖遺物」として畏敬の対象となっている。また、その聖遺物管理も行っている。

だからこそ所謂「聖王ブランド」は彼女にとって通じると思う。卑怯だけど
囲んでいる少年少女達も知ってて当然という感じだった。

「聖王も右と左で目の色違ったんだってさ。右目が翡翠、左目が紅玉の虹彩異色」

「そうなの!?」

「本に書いてあったよ。だから右と左で目の色が違うのはあってもおかしなことじゃないさ
 それに俺の友達にも結構いるよ」

その友達というのはもちろん一人は堅児である。
ただし彼の場合は特殊能力使用時に変わるだけだが・・・。
結構というがその知り合いも全員異世界出身者だったりする。

「そうなんだ・・・変なんていってごめんね」

みんな女の子に謝った。
悪かったな。ちょっと卑怯な手使って

「・・・いえ、大丈夫です。言われ慣れてますから」

囲まれていた子の方もようやくそう言って、その場はお開きになった。
少女から人が離れたあと、当事者の少女に話しかけた。

「ごめん。迷惑だった?」

「あ、いえ・・・。助けていただいてありがとうございます」

「気にしないでいいよ、なんかむずむずしていただけだから」

「それでもです。私はアインハルト・ストラトスと言います。
 あなたの名前を聞いてもよろしいですか?」

ふーん。名前はアインハルト・ストラトスか・・・。

「俺の名前はフォルクロー・レシュテンゲル。
 名前はフォルでいい。これからよろしくお願いしていいかな?」

「はい、フォルさん」

帰り道。こちらの世界で始めて出来た友達のことを考え
家に帰ったら早速報告した。

「これからもよろしく。アインハルト・・・」

-6-
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