小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜スモーカーside〜〜

 海賊王が処刑された場所として、悪い意味で有名になったここは海賊の無法地帯になりかけた。
 この町に赴任にしてから数年。海賊共を捕らえ続けようやく治安も落ち着いてきた。
 
「失礼します大佐!」

 部屋で一服していると部下が慌ててやってきた。

「…なんだ急いで?」

「急ぎの報告です。港の見張りより、海賊船を発見!」

 またか。どうせロジャーの処刑台を見に来た馬鹿どもだろう。

「頭は誰か分かるか?」

「はっ!現在判明しているのは懸賞金の掛かってる二人です!」

 ほう、俺がこの町にいるのに寄ってくるとはどこの賞金首だ?

「一人は”麦わら”のルフィ!懸賞金は2500万ベリーです!」

 …!!最近良く聞く名だな。確かバギーやクリークをやったって話だったな。
 まぁ俺の手に掛かれば問題ないだろう。

「もう一人は?」

「はっ。それがもう一人は”白狐”のラーズ!懸賞金は…6000万です!」

「なんだと!?」

 思わず声を荒げた。アイツが海軍を抜けた事で本部では大騒ぎだったらしいが…。
 懸賞金の高さが半端じゃない。今までの賞金首の連中を遥かに上回る。
 しかし、何故賞金首になっている?

「今確認した所、コノミ諸島で魚人海賊団を潰し、そこの16支部をまとめて
 殲滅したとの事です。…どちらもたった一人で。」

「一人だと!?」

 あそこの軍はいい噂聞かなかったから潰されても問題ないが、あのアーロンの
 魚人達を一人で壊滅させるとは…。果たしてここの連中だけで捕まえれるか?

「…分かった。俺もすぐ準備する。たしぎにも連絡をとっておけ。
 二人に監視は付けてるか?」

「はっ!”麦わら”は今も監視中ですが”白狐”はいきなり消えたとの事です!」

 …ちっ。アイツは恐らく「六式」も使うんだろう。確か超スピードで動く技があったハズ。
 監視に気付きやがったな。

「麦わらはそのまま続行、白狐は人員を回して捜索。見つけても絶対手は出すな。
 多分何十人束になっても返り討ちだ。それから麦わらの船にも人を回せ。」

「了解です!」

「全員に気を引き締める様にも伝えろ。今までで一番の仕事になるぞ!」

「はっ!!」

 言って下がって行く。俺も急ぐか。葉巻を消して準備を始める…。
 



  〜〜ラーズside〜〜


 空の色が変わってきたな。って事はそろそろルフィが捕まっててもおかしくは…
 ってもう捕まってるし!はえーよ!

 地上は人が多いから建物の上から行くか。「月歩」で屋根に登る。

「ルフィ!」

 下を見たらゾロとサンジが駆け寄っていたがあの数相手じゃ間に合わないな。

「ゾロ!サンジ!俺に任せろ!」

 言った瞬間に処刑台に近付き「嵐脚」を台の下に飛ばす。

「誰だ!?」

 バギーとかが驚いているが、その間に台は崩れる。下に落ちる前にルフィを抱え移動する。

「こんなとこで死なれちゃ困るぜ船長。」

「にししし。助かったぜラーズ!」

 ルフィは笑っていた。コイツはどこまで楽天的なんだ?

「まぁいいか。逃げるぞみんな!」

 ゾロ達にも声を掛け港に走る。途中でたしぎが出て来た。どうやらイベントはきちんと
 こなして来たみたいだな。

「ここは俺に任せろ。」

 ゾロとたしぎの剣がぶつかる。ゾロなら心配ないな。すると今度は煙パンチが飛んできた。
 来やがったなスモーカー!

「見つけたぞ麦わら!そして白狐!!」

「何だアイツ!体が変だぞラーズ!」

「サンジは先に行って出航の準備を頼む!下手したら船にも手が回ってるハズだ!
 ナミが危ない!」

「それならテメエが「この海軍は俺しか止められない。…頼む。」分かった、さっさと来いよ。」

 サンジは走りだした。ひとまずメリー号はこれで大丈夫だろう。

「貴様が麦わらの一味とはな、白狐。」

「俺にも事情があってね。」

「何にせよ今は貴様も賞金首だ。大人しく「ゴムゴムの銃!っあれ!?」…おいおい話は最後まで聞けよ。」

「ルフィ!アイツは煙人間だ。普通の攻撃は効かない。」

「良く分かってるな。流石は白狐。で、貴様等は俺に対してどうするんだ?」

 スモーカーは自分が有利と感じたのか笑っている。

「まぁ普通じゃ効かないよな。だが生憎俺はちょっと普通じゃないんでね。」


 尾を巻き付け戦闘モードに入る。

「ルフィは周りの海軍を頼む!ここの海兵は鍛えられてるだろうから油断するなよ。」

「おう!任せろ!」

 言ったもののルフィなら直ぐ倒せるな。さて、

「行くぜ、スモーカーさん。」

 「剃」で素早く懐に飛び込み腕に覇気を纏わせる。自然系でも多少は効くからな。
 スモーカーが防御に入るより速く腹に一撃入れる。

「っ!ちぃ。貴様まさか「覇気」も使えるのか!?」

「ご名答。今までアンタ攻撃食らった事なさそうだからな。驚いたか?」

「くそがぁ!」

 今度は十手も使いながら攻撃して来る。俺も海楼石は厄介だからな。まっ、当たればの話だけど。
 十手での突きを悉く避ける。

「おらぁ!!」

 隙が出来た瞬間、十分に覇気を込めて蹴りを食らわせる。

「がっ!」

 スモーカーは建物に吹き飛んだ。

「ぐふっ、貴様…。」

「悪いが俺はここで捕まる訳には行かないんでね。」

「ラーズー!こっちは全部倒したぞー!」

 ルフィも終わったみたいだな。時間掛けると嵐が来そうだしこっちも終わらせるか。

「少し動けなくなってもらうぞ。」

 そう言ってスモーカーに近付こうとした瞬間、全身を寒気の様なものが襲った。
 何かと考えるより速くその場から飛び退いた。

 次の瞬間、さっきまで俺のいた場所が爆発した。



「今のは…。まさかっ!?」

 攻撃が飛んで来た方向を見ると、やはり予想通りだった。この島に着いた時の
 嫌な予感はこれだったとはな…。


「こんなとこまでわざわざご苦労様です。出来ればお会いしたくなかったですよ。」

「こっちは会いたかったぞ。その為わざわざ東の海まで来たんじゃからのお。」

 やれやれ。ここまで熱心にこられるとは。ナミもこんな風にアタックしてくれないかなぁ。
 おっと現実逃避してる場合じゃない。

「目的は当然…俺ですよね?」

「それ以外にある訳無かろう。」




 そう言ってこちらにゆっくり歩いてくる。懐かしいコートを羽織った









  赤犬・サカズキ大将が





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