小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ラーズside〜〜

 さて、見事にラブーンに呑まれた訳だが、なんつーか違和感だらけだな。ここって腹の中だよな?
 こんなペイントとか一軒屋を建築したりしてるがいいのか?

「ナミ〜朝だよ〜。」

「ん〜、はっ!私達どうなったの!?」

「…ここはどうやら天国みたいだ。俺達は鯨に食われてそのまま…。」

「えっ!?ほんと「ラーズー。ここ鯨の中なんだよなー?」…ラーズ?」

 あっ、やべ。ウソップ言うのが早過ぎるよ。

「いや、なんというか可愛い冗談と「ラーズ?」…ごめんなさい調子に乗りました。」

「もう…。で、なんで鯨の中がこんなになってんの?」

「さぁ?多分人でも住んでるんじゃない?あっちに家はあるし周りの落書きも人為的だし。」

「…さっきから理解出来ない事だらけで頭が付いて行かないんだけど。」

「考えを柔らかくしておけ。これから先もっと信じられない事ばっかり起こるぞ。」

 そう言っているといきなりイカが襲って来た。

「なにコイツ!?」

「なめんなよコラ!」

 イカの足を尾で絡めとる。が、

「あっ、俺の方が一本足りねえ。」

「それぐらい分かるでしょ!?」

 くだらないやり取りをしてると家の方から銛が飛んで来てイカに突き刺さる。見事な串刺しだ。

「何今の!?」

「家に誰か居るみたいだな。」

 出て来たおっさんは頭に見事な花を咲かせていた。どうなってんだあの頭?真剣な顔でこちらを伺っている。
 ウソップも警戒してるみたいだな。あんま意味ないけどね。おっさんはそのまま椅子に座って新聞を読み始めた。

「うぉい!?シカトかよ!?」

 ウソップが突っ込む。サンジもいつの間にかこちらに来ていた。

「おいおっさん、やるのかコラ?」

「やめておけ……死人が出るぞ。」

 このやり取りって外から見てるとシュールだな。

「へぇ。どっちがだよ?」

 サンジが挑発に乗る。

「……私だ。」 「お前かよ!?」

 ウソップの突っ込みが速い!クロッカスさんの台詞よりそっちに驚いた。

「…もう驚くのにも疲れたわ。」

 隣でナミが悟りを開いていた。

「まぁいい。貴様達は何者だ?」

 俺が話した方が早そうだな。

「初めまして。俺達は”麦わらの一味”、海賊です。ついさっき偉大なる航路に入ったんですがすぐにこの
 鯨に呑まれました。ちなみに船長は呑まれた時にどっかいきました。」

「その割にはあまり心配してない様じゃが?」

「ウチの船長はタフですからね。それより貴方こそここで何してるんですか?…クロッカスさん。」

「ほぅ、貴様知っておるのか?」

「一応元海軍なんで多少は。まさか元海賊王の船医が鯨の中に居るとは思いませんでしたけど。」

「「「なっ!?」」」

 三人が驚いている。

「そこまで知ってるか…。若いのにしっかりしとるな。」

「恐縮です。ところでこんな「ドゴォーーン。」…何だ?」

「ラブーンめ。また始めたな。コイツを落ち着かせるからここで待っておけ。後で出口に案内してやる。」

 クロッカスさんは胃液の中にダイブした。胃酸とかで溶けないのか?まぁメリー号も溶けてないし
 大丈夫なんだろう。

「ラーズあの人どこに行ったの?」

「知らん。まぁ待ってればその内戻ってくるだろ。」

 するとルフィっぽいのが降って来た。他にも誰かいるな。とりあえず落ちて来た人全員を尾で捕まえる。
 ルフィとゾロとビビと王子みたいなのだ。ゾロまでどこ行ってたんだ?ルフィ達を解放する。

「ルフィ、ゾロ。いつの間に仲間を増やしたんだ?」

「来る途中で会ったんだ!」

「別に仲間じゃねえぞ。確かこいつら…。」

 ゾロは気付いたかな。二人は尾で拘束したままだ。動こうとしてるが、俺の尾はそんなに弱くはないぞ。

「ならアンタ達は何者だい?」

 一応一人ずつ話して聞いてみよう。まずはバット王子からだ。

「……Mr9だ。」

「他には?」

「……。」

 沈黙、か。まぁ話す訳には行かないよな、色々と。コイツに興味は無いし次だ。
 ビビをこちらに動かして尋ねる。他のやつ等はバット王子に質問攻めをしている。
 ここでビビと接触してもどうせ後で再会するし…。いや待てよ。

「アンタはこんなとこで何やってんだ?」

「……。」

 ビビも沈黙か。こっちは今素性がバレたら不味いだろうからな。周りを確認して質問を続ける。

「安心しろ、俺は敵じゃない…ネフェルタリ・ビビ王女。」

「!!」

 ビビは驚いた顔でこちらを向く。

「なるべく無表情で話を聞いてくれ。あのバット王子にバレると不味いだろうから。」

「貴方…何者?」

「う〜ん強いて言うなら味方だ。そのうちどっかのワニ野郎も倒しに行くだろうし。」

「!?…どこまで知ってるの?」

「大体はアンタの目的も分かってるつもりだ。とりあえず今は俺とその一味は敵じゃないって事だけ認識しといてくれ。
アンタも頼れるのは”一人”だけで辛いだろう?船で町まで送るからアンタはバット王子と大人しくしててくれ。別に今すぐ信用しなくていい。ってか普通は信用出来ないだろうしね。」

 さて、納得してくれるかな?

「…分かったわ。なら貴方の名前を教えてくれるかしら?」

「あっ自己紹介してなかったな。俺はラーズ。他には”白狐”なんて呼ばれてるよ。」

「”白狐”!?貴方が!?東の海で海軍の大将と戦って町を半壊させたってのは本当なの?」

 よく知ってるな。あの戦いがいつの間にかそんなに有名になってたとは。

「イエ〜ス。」

 笑顔でサムズアップ。

「…分かりました。ひとまずは納得します。」

「物分りの良い子は好きだぞ。」

 さて、こんなもんかな。これで後々船に乗る時により信頼して貰えるだろう。そしたらビビにはサンジの
 相手をお願いしよう。あのマユゲはしつこいんだよいい加減。







 ビビとの話が終わったと思ったらナミがすぐ近くにいた。

「もう可愛い子とのお話はいいの?」


 …あれっ?ナミさん何か不機嫌になってます?

「いや、幾つか質問しただけなんだが…。」

「ふ〜ん何聞いてたの?」

「いや、目的とか色々…。」

「へぇ〜。そういえばさっき知ったんだけどさ、ラーズって物分りの良い子が好きなのね?」

「!?いや、それは話の流れというか…。」

「私は物分り良くないからな〜。」

 なんか話の流れがおかしい!

「違う違う違う!!変な意味とか全く無い!」

「何で焦ってるの?まぁ私には関係ないか〜。あっ、サンジく〜ん。」

「なんだいナミさん!?」

 そう言ってナミはサンジの方に歩いていった。

「ノオオォォォォ!!!!」

 なんてこった。うっかり地雷踏んでしまった様だ。サカズキさん相手よりこっちの方が厳しいぞ!



「あの…大丈夫ですか?」

「いいんだ、俺が悪いんだ。俺が…。」

 激しく作戦失敗した。ナミは怒っちゃったし…こういう腹黒い作戦は全く向いてないみたいだ。
 これからどうしよう!?なんかもう一気にやる気が無くなった。






「何やっとるんじゃあいつ等?」




  〜〜クロッカスside〜〜


 ラブーンを落ち着かせてから戻ってきたら、あのチンピラ共が捕まっておった。あの白髪の男は
 なかなか出来る様じゃ。…と思っておったが、

「何やっとるんじゃあいつ等?」

 白髪は女に何か言われてうなだれとる。尻にでも敷かれとるのか?


「不思議な奴等じゃなのう。」

 久し振りに面白い海賊に出会ったわい。少し話しでもしておくか。あの麦わらにも興味あるしの。
 まだまだこの世界は楽しませてくれそうじゃぞ、ロジャー。





 

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