小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ナミside〜〜


「ダブルスティンガー!」

「うああう!!」

 ラーズの言ってた棘女の攻撃を間一髪で避けた。あの棘なんて貫通力なの!?民家が穴だらけになってるし!
 まともに一発でも喰らったら不味いわね。


「しぶといコね…」

「それでココまで生き残って来たんだからね」

「逃げ回る意味はないんじゃなくって?勝ち目も無い、助けも来ない。じっとしてれば楽に死なせてああげるわ」

「冗談!こんなとこで死ぬ訳には行かないのよ」

 でもあの棘は厄介ね。早めに天候棒の使い方のメモ読んでおいて正解だったわ。ウソップの馬鹿ったら
 大事な事を裏面に書くんじゃないわよ!!

「スティンガーヘッジホッグ!!」

「!ヤバッ!!」

 棘女が体を丸くしてハリネズミみたいになって転がってきた。下手に触れられないしもう!
 何とか上着を棘に刺して無理矢理軌道を変える。

「なめんじゃ…ないわよォ!!」

 そのまま建物に投げ飛ばす。今の内に準備を少しでもしなきゃ!

「冷気泡!」

「…へぇ、戦闘に関して全くの素人って訳でも…無さそうね」

「いつまでも守って貰ってばっかりじゃないのよ。熱気泡!!」

「あら、そんな素敵な騎士が居るのね。さっきの剣士さん?」

「残念。もっといい守り神よ」


 私の予想通りなら…良し!小さいけど「雲」が出来てる!もっと、もっと!

「ならアナタを始末してからその守り神も仕留めに行かなくちゃね」 

「そんな事させる訳ないでしょう!?冷気泡!熱気泡!」

「そんなモノでどうしようっての?シー・アーチンスティンガー!」

「!?ウニ頭!?」

 頭全体を棘にして突っ込んで来た!咄嗟に避けれたけど、後ろを見ると建物に穴が開くどころか
 穴の周りが焦げていた。急がないと!

「熱気泡!冷気泡!」

 熱気は水分を含み上昇する。下降する冷気とぶつかって急激に冷却され水分は凝結!そしたら…



「余所見してる余裕なんてあるの?」

 言われて振り向くと棘女の腕が太い棘になっていた。

「スティンガーフレイル!!」

「な…きゃああ!!」


 建物ごと壊すなんて…。ガレキまで避けきれずに足をやられた。…でも準備は出来たみたい。

「呆れた…しつこいのは嫌いよ」

「そうやって八年間生きてきたんでね。…上を見てみなさいよ?」

 棘女の上には立派な雲が出来ていた。そこに「電気泡」を放り込む。

「サンダーボルトテンポ!!」

「あ゛あ゛あ゛あァああ!!!」


 強烈な雷で動きを止める。今しかない!ウソップの説明にも一発限りって書いてたし。

「くらいなさい!トルネードテンポ!!」


 竜巻が発生するかと思ったら天候棒から紐つきのおもちゃの鳩が出て来た…。何コレ?とか思っていたら
 その鳩が棘女に巻き付いて回転し始めた。

「え?」

「何!?何何っ!?」

「ハ、ハトが絡まって…あ゛あ゛あ゛あ゛ァ!!!」
「わぁっ!!!」

 使った私も後ろに吹き飛ばされたけど、鳩が絡まった棘女はモノ凄い回転をしながら遥か後方に
 弾け飛んで行った!




「やった…」

 あちこち棘が掠ったし足も痛いけど、私は勝った!!


「あのコの痛み……少しは味わえたかしら?」

 彼方で倒れている棘女に向かって言った。







「約束は守ったわよ。ラーズ」


 遠くでまた頑張っているであろう恋人に向けて、言葉を放った。







  〜〜ルフィside〜〜

 おれはラーズに言われた通りにカルーと宮殿の王宮まで一直線にやってきた。まだあのワニはいないみたいだな。

「その麦わら帽…君がビビ様を連れて来てくれたルフィ君か?」

「おう!クロコダイルを倒しに来たんだ!」

「クエー!!」

「ん?カルーまた手紙か?」

 カルーがデカイおっさんに手紙を渡していた。おっさんは読みながら顔が険しくなっていったぞ。
 ラーズの奴なんか変な事書いてたのか?

「…ルフィ君。これは本当なのかね?」

「おれも内容は知らないけどラーズの言ってる事は大体正しいぞ!アイツはビビを守るって言ってたしな!」


「…そうか。すまない」

 そう言っておっさんは兵士達に何か言っていた。おれは難しい事は分かんねえけど、あのクロコダイルを
 ぶっ飛ばさなきゃいけない事は分かるぞ!

「ルフィ君。君達は王の事まで?」

「ん〜おれの仲間が見つけに行ってるハズだ!東門辺りとか言ってたぞ。だから大丈夫だ!!」

「何から何まで…世話になる」

 おっさんが頭を下げていた。おれ何かしたかな?










「テメエがここに居るとはなァ。”麦わら”。あの牢から出れるとはな」


 声の方を向くとクロコダイルが王宮の上から見下ろしていた。あんにゃろ!!


「きやがったなクロコダイル!おっさんは下がっててくれ!!」

「大丈夫なのか?仮にも奴は”王下七武海”だぞ?」

「任せろ!アイツなんかよりラーズの方が全然強いからな!」

 おれは戦闘態勢に入りながら手の甲に傷を付け拳を血で覆う。


「!…ちっ。俺の弱点を知ってるとはなァ」

「ラーズが教えてくれたからな!もうお前なんて怖くないぞ!!」

「ハッ!”白狐”が仲間だからって図に乗るなよ?テメエが強い訳じゃねえんだからな」


「なら…試してみろォ!」

 おれは「剃」で一気に距離を詰めながら腕を後ろに伸ばす。クロコダイルが攻撃に入る前に懐に入る。

「ゴムゴムのバズーカ!!」
「ガハッ!!」

 ラーズの言った通りに攻撃が通じた!これなら戦える!!


「クソがァ!砂嵐!!」

 吹き飛んだクロコダイルのとこからこっちに向かって砂嵐が飛んで来た。今なら使う時間があるな!

「ギア”2”!!」

 さっきより速い速度で砂嵐を避けてクロコダイルの元へ走る。

「ゴムゴムのJET銃乱打!!!」

「グアァァァァァァ!!」

 今の全力の銃乱打を叩き込む!アイツに捕まったらカラカラにされるらしいから一気に勝負を付けるぞ!!
 両腕を伸ばせるだけ伸ばしてクロコダイルに拳を向ける。

「ゴムゴムのツインJET銃!!!」

「!!!!」

 おれの両腕はクロコダイルの腹に深々と突き刺さり、遠くに弾け飛んで行った。おれもギアを解く。




「おれの勝ちだな」

 ニヤッと笑っているとおっさんがこっちに向かって来ていた。


「ルフィ君!あのクロコダイルを倒せたのか?」

「あぁ!ビビと約束してたからな!!」


「!!ありがとう…心からお礼を言う。しかしまだ反乱は…」

「それならきっと大丈夫だ!ラーズに任せろ!!」

 アイツならきっと止めてくれる!それより腹が減ったぞ。そうしていると何か鳥が飛んで来た。

「チャカ!」
「ペル!?ビビ様は!?」

 アノ鳥がビビを連れてってくれたのか?アイツも面白そうだな!!



「ビビ様は反乱軍の説得のために南門で戦っておられる。それでクロコダイルは!?」

「それなら彼…ルフィ君がやってくれたよ。王の捜索も始めている」

「そうか…なら我々は時計台に向かおう。どうやらクロコダイルがその辺りに爆弾を仕掛けてるらしい」

「なっ!?分かった。急ごう。ルフィ君はここでカルーと休んでてくれ」

「おう!」



 ラーズ、おれは強くなったぞ!!お前には負けねえからな!



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