小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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〜〜ラーズside〜〜


 アラバスタが平和になって三日。今日は大食堂で皆が集まって盛大な会食が行われていた。そういえば
 いつの間にかイガラムさん戻って来てたな。別行動する必要あったのか?

 ちなみに俺の席は……バカ親父から一番離れた末席だ。あの野郎、こんなとこでも嫌がらせしてきやがった。
 本当にこの国乗っ取ってやろうかな?

 ともかく全員騒ぎながら飲み食いしている。特に食い物はルフィの独壇場だ。端から端まで手を伸ばして
 料理を貪っている。俺は酒は好きだがメシの量は人並みだ。のんびり食うとしよう。

 …少し離れたとこに居るビビを見る。顔は笑っているがどこか落ち着きがない。やっぱりまだ悩んでる
 みたいだ。ウソップから少し話は聞いたがビビには立場があるからな。

「ナミ」

「ん?」

 隣に居るナミに話しかける。すげー酒飲んでやがるな。

「後でビビと話しておいてくれ」

「…アンタは本当に面倒見がいいわね。良く見てるわ」

「妹の心配をしない兄貴はいないだろう?」

「ハァ。分かった、任せなさい。でもアンタも甘やかし過ぎじゃない?このままじゃビビがブラコンになるわよ」

「…その辺は上手く頼む。俺は答えがどっちでも良い様に準備しておく」

「そういう裏工作好きよね。悪役の方が向いてるんじゃない?」

「……!ナミそれ採用。その路線で行こう」

 そうして会食は続いている。正直ビビがどんな答えを出すのか分からないからなぁ。今の内に、チャカさん達には
 話しておくか。


 



  〜〜ゾロside〜〜


 メシも食って今度は風呂か。やっぱ王宮の風呂はデカイな。

「キャプテン・ウソップが一番だァ!!」

「いやおれだァ!!」

「「ヘブッ!」」

 ルフィとウソップが浴場に全力疾走していって見事にコケる。…もうあいつ等に言う事はないな。

「おぅ、チョッパー洗ってやるからこっちにこい」

「ゾロ頼むぞー」

 そうしてチョッパーの体を洗う。いつもならラーズの役目なんだが、アイツは少し軍の奴と話があるから後で
 来るって言ってたな。また悪巧みでもしてんのか?


「で?女湯はどっちだ?ん?」

「言えるわけなかろうが!!ビビ様もおられるのだぞ!!」

 マユゲが下らない事を聞いている。アイツは本当に欲望のままに動いてんな。


「あの壁の向こうだ!」

「国王コノヤロー!!」

 …あの王様やっぱダメかもな。そうして壁におれ以外登っている。

「チョッパーお前は止めとけ」

「そうなのか?」

「あっちに誰がいると思うか?」

「え〜っとビビとロビンと…あっ」

「そう言う事だ」



「ちょっとみんな何してるの!?」

「あらら」

「あいつら…」



 壁の向こうからビビ達の声が聞こえてくる。それと同時に叫び声も聞こえてきた。



「ナミーーー!!!死んでもタオル取るなよ!!!」



 尾を振り回しながらラーズが飛び込んで来た。おい、炎漏れてるぞ。


「ほらな」

「ラ、ラーズが激怒してるぞ!」


「貴様等ァ!!ナミを覗いた奴は全員消し炭にしてやる!!!」

「「「「「ぎゃあぁぁァァァァ!!!」」」」」

 お前等それくらい分かれよ。落ち着いて風呂くらい入らせろ。




  
  〜〜ナミside〜〜



「ナミーーー!!!死んでもタオル取るなよ!!!」


 覗いていた面子をあっちで追いかけてるみたいね。…まだラーズにも見せてないから見せる訳ないじゃない。


 男湯が落ち着いた(みんな死んでないわよね?)所で三人で湯船に浸かりビビに話し掛ける。

「…迷ってるんでしょ」

「え?」

「私達ね…今夜にでもここ出ようかと思うの。これ以上海賊が居ても不味いしね」

「……」

 まぁビビは王女だし難しいわよね。




「後悔だけはしないでね」

 すると黙っていたロビンがビビに話しかけた。

「…ラーズならきっと受け入れてくれるわ。私の時もそうだったし」

「ロビンさん…」


 そういえばロビンはラーズが仲間に誘ったのよね。

「ねぇロビン。ラーズに何て言われて誘われたの?」

「それはもう熱心に勧誘されてね。思わず仲間入りしちゃったわ」

「むむむっ」

「あんな誘い方は彼が初めてだったわ」

「むきーーっ!!やっぱ聞かなきゃ良かったわ!!」

 絶対ラーズから聞き出してやるわ!


「……」

 あっ、ちょっとビビの事忘れてたわ。

「どっちを選んでも、笑顔を忘れないでね」

「…はい」







  こうして入浴も終わり、私達は出発の準備の話をしていると何やら電伝虫に連絡がきたらしい。

『モシモシィ!?あ・ち・し・よ〜〜う!!』

「ん〜マンダム」

 ラーズが出たけど何か変な事を言って直ぐに電伝虫を切った。するとまた直ぐに掛かってきた。

「ん〜マン『は・な・し・を聞きなさいよ〜う!!アンタらの船を預かってるのよ!!』…ダム」

 ラーズは飽きたのかルフィに電伝虫を渡した。

「おいオカマ!おれの船返せ!!」

『サンドラ河の上流で待ってるわよ〜!!』

 そう言って電話は終わった。怪しさ満点ね。

「どの道船が無事ならいいだろ。何かあればぶちのめせばいいし」

 ラーズはのんびり答える。まぁこの面子なら心配ないか。


「ねぇみんな…私どうしたらいい…?」

 ビビがみんなに尋ねる。いつもならラーズが何か言うけど今は無言のままだ。

「来いよビビ!今来い直ぐ来い絶対来い!!」

「ルフィ、やめろって!」

 逸るルフィをウソップが止める。


「…よく聞いてビビ「12時間」猶予をあげる。明日の昼12時に東の港に一度だけ寄るわ。多分停泊は出来ないけど…
 あんたがもし旅を続けたいなら…歓迎するわ。ラーズもそれでいい?」

「…あぁ。構わない」


 そうして窓からこっそり抜けて王宮を後にする。ビビはどんな答えをだすんだろうか?
 ラーズがあまり喋らないのも気になるわね。



 

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