小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ラーズside〜〜


「行くぜ神様」

「さっさとかかって来い」

「んじゃ遠慮なく…白火陣!」

 俺は尾を巻き付け戦闘モードに入ると同時に全身から炎を出し、その炎を手足に収束させ固める。
 エネルは見た事ない色の炎に眉を顰めていた。


「…なんだその炎は?」

「神対策だよ。ただの攻撃じゃ通じないし、直接触れて雷流を流されても嫌なんでね」

「よく分かってるな。だが、二度も三度も私の攻撃を避けれるか?」

 エネルの背中の太鼓が鳥の姿に変わっていく。アレも体の一部だったんだな。

「3000万V…雷鳥(ヒノ)!!」

 鳥の形をした雷が一直線に飛んで来る。





「かかって来いとか言いながら攻撃はしてくるんだな」

 俺はさっきまで居た場所から横に十メートル程移動していた。エネルの雷はそのまま後ろの森を
 跡形も無くしていた。3000万Vってあんなに威力あるんだな。正直3000万Vなんてどんな威力か想像もつかないが、
 喰らったら狐の丸焼きになってもおかしくはないだろう。


「…さっきからどうやって回避している?私の攻撃は遅くないハズだが」

「そんなもん自分で考えろよ。神なんだろ?」

「…調子に乗るなよ」

 今度はいきなりエネルが消えた。俺に直接触れて電流を流して来る気だな。俺は直ぐに「剃刀」で上空に移動し、
 自分の居た場所に向けて炎を放つ。お前の移動する位置は分かるんだよ。

「!?どこへ行った?」

「上だよ!焔弾ァ!!」

 大きな白い炎の塊がエネルに向けて進んで行く。

「なめるなよ。電光(カリ)!!」

 エネルは体からもの凄い光熱を放ち、俺の焔弾をかき消した。雷鳴が轟く程とはデタラメなエネルギーだな。
 再び「剃刀」で地上に戻る。


「今のでやれるとは思ってなかったが…かき消されるのは少々ショックだな」

「神を甘くみるなよ…何人たりとも敵う事がないからこその神なのだ」

「…そのくせ俺を見失った時は驚いてたな。移動が速いのはアンタだけじゃねェんだぜ」

 そう言って全力の「剃」でエネルの直ぐ横に移動する。エネルは能力が強大過ぎるせいか、反応速度が遅い。
 まァ今まで死にそうになった事や、自分と同レベルの相手がいなかったんだろう。
 要は実践経験の不足だ。自分の命が危ないとこまで行かないと、反応速度は鍛えられないからな。
 海軍の方々には感謝してるぜ……サカズキさんには感謝してないけど。

「おらァ!」

「ガフッ!?」

 エネルが動く前に脇腹に拳をめり込ませる。エネルはそのまま横に吹き飛んで行った。倒れはしなかったが、
 多少ダメージはあっただろう。その証拠に脇腹を押さえている。

「馬鹿なっ!?この神の体に触れる事が出来るなど!!」

 驚いた表情でエネルが叫ぶ。

「だから神対策って言ったじゃん。もしかして能力者になってから初めて攻撃喰らったのか?自然系ってだけじゃ
 神は名乗れないぞ。実際下の海にはアンタみたいな能力者は沢山いるからな。
 お山の大将改め、お空の大将だな。能力の上で胡坐かいてるだけじゃ俺は倒せないぞ」

「…青海人ごときがァ!神の裁き!」

「アンタの攻撃は分かってんだよ!!」

 俺は地面と水平に放たれた雷の攻撃を「剃」で避ける。あんなの一発でももらったら危ないっつーの。


「何故私の攻撃が当たらない!雷の速さだぞ!!」

 エネルは自分の攻撃が全く当たらない事に混乱している。まァ普通は雷なんて避けようがないからな。

「やれやれ、少しは勉強しとけよ。アンタが『雷』だからこそ、俺はアンタの攻撃が読めるんだよ。とは言っても俺の
 速さもないと回避は不可能だろうけど」

「……どういう事だ?」

「これ以上は教えないよ。敵に塩を送る真似はしないんでね」

 まァこの世界じゃ雷の分析なんてそんなに進んでないだろうし、分かる訳ないか。

「…チッ」

 舌打ちとは神らしくないな。俺の力が予想以上で焦ってんのか?


「なら続き行くぞ?」

「神をなめるなァ!!」


 少しの会話の後、再び超スピードの戦いが始まる。






  〜〜ゾロside〜〜


 おれはサウスバードに乗って森の上を進んでるんだが、森の一角からやたら音が聞こえてくるな。何か雷の音
 みてェだしどうなってやがんだ?

「おい鳥、遺跡はこっちで合ってんのか?」

「ジョ〜〜」

「…何言ってんのか分かんねェよ」

 サウスバードは顔を前に向けて進んでいる。遺跡は右じゃなかったのか?どんどん離れてるぞ。
 そんな事を考えていると、


「ジュララララーー!!」


 森の中からまたあの大蛇が出てきやがった!何て悪いタイミングだ!

「おい鳥!もっと高く飛べ!このままじゃ丸呑みにされるぞ!」

「ジョ!?ジョーー!!」

 鳥も大蛇を見て焦っているが、中々高度が上がらねェ。これが限界なのか!?

「ちっ…マズイな」

 段々と大蛇との距離が近付いてやがる。こうなったら戦うしかなさそうだな。

「ジュラーー!!」

 デカイ口開けやがって!簡単に食われると思うなよ!おれは刀を抜いて戦闘態勢に入る。とにかくあの毒に
 警戒しながら戦う事が大事だな。

「かかって来いや蛇がァ!!」

 そう気合を入れた瞬間、



「ダメだノラ!!アイツは仲間だ!」



 聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、蛇は口を閉じた。何だ!?


「Mr・ブシドー!」
「ゾローー!」


 声の方を見ると、ビビとチョッパーが大蛇の頭に乗っておれに手を振っていた。

「……はっ?」

 あまりに不思議な光景におれの頭は混乱した。何でビビとチョッパーが大蛇に乗ってやがんだ?
 ひとまずサウスバードに地上に降ろしてもらった。サウスバードはそのまま全力で逃げ去って行った。


「ゾロ!無事だったんだな!!」

「まさか鳥に乗ってるなんて思ってなかったわ!」

 ビビとチョッパーは大蛇から下りてきて近付いてくる。大蛇は頭を下げたままだ。

「…コレはどういう事だ?」

「おれが話をしたら仲良くなったんだ!」

「トニー君は動物と話を出来るから、ノラとも大丈夫かなって思ったら通じたのよ!それでノラに遺跡まで
 連れてってもらってたの!」

 ビビとチョッパーは自慢げに話している。

「ノラってのは名前なのか?」

 頭の中は疑問だらけだが、一つずつ解決していこう。

「あぁ!ノラはクリケットさんの先祖の、モンブラン・ノーランドを知ってる凄い奴なんだ!なっ?」

「ジュララ〜!」

 チョッパーがノーランドの話をすると、蛇は…ノラは嬉しそう?にしていた。

「って事はコイツ400年前から生きてんのか!?」

「そうらしいの。私達もノーランドの見た遺跡を探してる事を話したら、ノラも一緒なんだって。それでまずは
 一緒に大きな蔦の所に行ってみようって事で頭に乗せて貰ってるの」


 …なんつーデタラメな。この大蛇を引き連れるなんて、チョッパーの奴案外やるな。

「森には敵がけっこういるみたいだけど、ノラがやっつけてくれるから楽だぞ!」

「ジュラ〜〜!」

 ノラが何を言ってるのかは分かんねェが、とりあえず味方なんだな。


「ならおれも一緒に乗せてってくれ。ココから近いのか?」

「もうしばらくしたら着くみたいよ。にしてもMr・ブシドーが遺跡に進んでるなんて思わなかったわ」

 あのサウスバードは本当に遺跡に進んでやがったのか。ビビにかなり生意気な事を言われた気がするが
 ここは黙っておこう。


「よし!ゾロも見つけたし、ノラ!また乗せてくれ!」

「ジュラララ〜」

 チョッパーが話すとノラは頭を下げて、おれ達が乗れる様な姿勢になった…本当に仲良くなってやがるんだな。

「さぁ行きましょう!ロビンさんもルフィさんも、もう着いてるかもしれないし!」

「ロビンはともかくルフィは怪しいぞ!」

 おれもチョッパーに賛成だが…おれもサウスバードに乗って無かったら、見当違いの方向に進んでいたので
 何も言えねェ。大人しく二人についてノラの頭に乗る。

「よ〜し、ノラ!出発だ〜!!」

「ジュララ〜〜!!」 

 ノラは掛け声と共に再び進み始めた。蛇の上なんていまいち落ち着かねェが仕方ねェか。

 しかしコイツ等…正直戦闘に関してはまだまだ役不足なんて思ってたが、認識を改めないといけねェな。
 少なくともおれはノラと仲良くなんて出来ねェし。
 おれも負けてらんねェ。遺跡に行ったら敵もいるだろうし、存分に暴れさせて貰うぜ。



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