小説『幼馴染みは航海士!?』
作者:じゃパーン()

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  〜〜ビビside〜〜


「やったわ!これで私達は大金持ちよ!やったわーー!」

 アタッシュケースを抱き締めながら狂喜乱舞するナミさん。心の底から喜んでるみたいね。

 私達は町の入口で頭を出して泳ぐ魚”ヤガラ”を借りて、水路を渡り換金所にやってきた。そこで黄金の
 換金をしたんだけど…換金した金額はなんと五億ベリー!!しかも、まだ船に黄金が残ってるんだから
 ビックリよね。サンジさんも金額を聞いて驚いてたし。

 こうして五つのアタッシュケースを持って町を移動している。こんなに大金を持ち歩いてて大丈夫かな?
 まァ襲われてもサンジさんがいるから多少の事は平気だろうけど。

 それにしても凄い町ねここは。さっき使った水門エレベーターも水の力を利用して町の移動に役立ってるし。
 水が貴重なアラバスタとは大違いね。


「おっとここが造船所か?ひとまず陸に上がってみよう」

 サンジさんに従ってヤガラを降りる。それにしても大きな町だわ。

「まずは”アイスバーグ”って人を探しましょう」

 ナミさんがココロさんから紹介状を貰ってはいるけど、

「でも造船所の中に入っていいのかしら?」

「その辺の人に聞いてみようぜ、おーい!」

 サンジさんが造船所の中の人に声をかけていると、白い帽子を被った人がこっちに気付いたみたい。ゆっくりこっちに
 歩いてくる……あれっ?あの人って?


「お前達は他所者か?このドックに何の用じゃ?」
 
 

「「「ウソップ(さん)!?」」」



 私達三人は同じ事を考えたみたい。だって長い鼻なんて、この偉大なる航路でもウソップさんしか見た事ないわよ!

「ウソップ?誰じゃそりゃ?ワシの名前はカクじゃ。」

 …良く見たらこの人は鼻が四角い。でも別人にしては特徴が似すぎているわ!もしかして生き別れた兄弟とか!?


「えっと…アイスバーグさんって知ってる?」

 一番最初に冷静になったナミさんが、紹介状を見せながらカクさんに聞いている。

「ほう、シフト駅のココロばーさんの紹介状じゃな。知っとるもなにも、アイスバーグさんはこの
 ウォーターセブンの”市長”じゃぞ」

「ええっ!」

 思わず声を出して驚いちゃったけど…そんなに凄い人なの!?カクさんは更に話を続ける。

「さらにワシら”ガレーラカンパニー”の社長でもあり、海列車の管理もしておる」

 何でもやってるなんて…凄い人ね。

「そんな人に会えるのかしら?」

 ナミさんもちょっと不安になってるみたい。

「まァあの人も忙しい身じゃからのう。お前達の話は要するに船の修理じゃろう?」

「そうなんですけど…」

 話していると、何やらカクさんが準備運動をし始めた。何する気なの?

「船はどこに泊めてるんじゃ?」

「岩場の岬です」

「よし、ならワシがひとっ走り船の具合を見てこよう。その方がアイスバーグさんに会った時話が早い。
 金額の話もできるじゃろ」

「ひとっ走りって…ヤガラにでも乗ってくのか?」

 サンジさんが質問する。

「ワハハハ。そんな事しとったらお前達が待ちくたびれてしまうじゃろう。まァ10分待っとれ」


 そう言ってカクさんはいきなり走り出した。凄く速い速度で、あっという間に背中が小さくなっていく。
 あれっ?でもこの先って…絶壁じゃなかったっけ!?大丈夫なの!?

 カクさんはそのまま絶壁を飛び降りて行った。何なのあの人!?

 

「ンマー、心配するな。奴は町を自由に走る。人は”山風”と呼ぶ。
 ガレーラカンパニー1番ドック、大工職職長だからな」



 カクさんに驚いていたら、後ろから声が聞こえてきた。青い髪に口の周りはヒゲを剃った跡みたいなのがある
 この人は誰?隣には美人の女の人がいるみたいだけど。

「おいカリファ」

「はい、調査済みです」

 ヒゲの人はカリファという名の女性を呼ぶと、カリファさんが話し始めた。

「ここに船長はいないみたいですね。ですが、この方達は
 ”麦わらのルフィ”、”海賊狩りのゾロ”、”ニコ・ロビン”。三人の賞金首を有し、総合賞金額2億6900万。
 結成は東の海、現在は8人組の”麦わらの一味”です」

「気持ちいいくらいにバレてるな…しかし美しい女性だ!」

 サンジさんの目がハートになってる…本当に女の人好きなのね。




「尚、最近まで一味にいた”白狐のラーズ”は、つい先日”王下七武海”に新しく加入しました」




「「「!?」」」

 カリファさんから兄さんの事を聞かされた瞬間、私達は固まった。やっぱりそんなに簡単に割り切れるモノ
 じゃない。揃って肩を落として溜息をつく。特にナミさんの溜息が大きかった。

「あ、あの、何か失礼がありましたか?」

 カリファさんが少し慌てていた。間違ってはいないんだけど…改めて言われるとけっこう辛いわ。

「い、いえ…大丈夫です」

 放心しているナミさんの代わりに返事をする。


「そうか…ともかく、よく来た。おれはこの都市のボス!アイスバーグだ」

 アイスバーグ!?この人がそうなんだ。意外と簡単に見つかったわね。

「あなたがアイスバーグさん?私達紹介状貰ってきたんです。船を修理して貰えませんか?」

 紹介状をナミさんから渡して貰って、アイスバーグさんに渡す。

「ふむ、ココロのバーさんか。しかし不快なキスマークだな」

 ココロさんったら、紹介状にそんなものつけてたの!?そのせいでアイスバーグさんが修理してくれなかったら
 どうしてくれるのよ!? 

「まァいい。カクもすでに査定に向かったみたいだし、戻ってくるまで工場でも案内しよう」

 なんとか修理はして貰えるみたいね。


 さて、メリー号はどうなるのかしら?







  〜〜ウソップside〜〜


 ルフィはすっかり変態のフランキーと仲良くなっていた。一緒に肩組んで踊ってやがるし、親しくなり過ぎだろ!

「なるほどなァ。兄ちゃんに長っ鼻達は記録を辿ってきたのか、やるじゃねェか」

「それでこの島で船を修理しようと思ってんだ!おれ達の船も大分ケガしてるしな」

 おれの呼び方はすっかり長っ鼻に定着かよ!自分だって変態のくせに。

「そうか…ここまで大変だったんだな。船も兄ちゃん達みたいな奴等に乗って貰えて幸せだろ」

「にしし。そうだといいな!」

 フランキーの奴、嬉しい事言ってくれやがって。ルフィも嬉しそうにしてるな。


「なァ兄ちゃん達、ここで会ったのも何かの縁だ。良かったらおれに船を見せてみないか?」

 フランキーは突然何を言い出すんだ?お前は解体屋じゃねェのか?

「おれは解体屋でもあるが、船を見る目に関しては一流だと自負している。船の事を理解してねェと、解体も
 きっちりは出来ないからな。今週のおれは特にスーパーだぜ?」

 最後の方は何の事かさっぱりだったが、フランキーの言う事には納得する所もある。

「ルフィ、どうすんだ?」


「フランキーに見て貰おうぜ!んで一緒におれ達の船に乗って貰おう!!」


 おいおい、話が飛びすぎだろ!仲間にする気まんまんかよ。

「はっはっは!つくづく面白いな兄ちゃんは」

 フランキーは笑った後に一瞬、ほんの一瞬だけ目を伏せた。

「誘いは嬉しいが、おれにも色々と事情があるんでな。この島を離れる訳には行かねェんだよ。すまねェな」

 …フランキーにも何かあるんだろうな。さっき目を伏せたのはそれか。

「そっか…お前みてェな奴が船大工として船にいたら面白かったんだけどな」

 ルフィはけっこうショックを受けているみたいだな。まァこんな短時間で仲良くなったんだし仕方ないか。

「まァ船は今からでも見に行けるからな!きっちり確認してやるぜ」

「じゃあ今から行こうぜ!」


 こうしてフランキーに船を見てもらう事になり、三人でメリー号の元に向かう。


 もう少し待っててな、メリー!

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